キヤノンはCINEMA EOS SYSTEMを投入以降、放送映画業界により深く関わってきているが、今年はそれがEOS C700でより明確になった。EOS C700のスタイルは、これまでの一眼ムービーから派生したスタイルのEOS C300、C500とは異なり、ARRIやVARICAMなどを思わせるもの。業界で使われているボックス型ボディのモジュール構成にならったかたちだ


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8Kのカメラ、HDRディスプレイも参考出品


 これは以前のCanon EXPOでお披露目したものとほぼ同じものだが、EOS C500ベースの8K
カメラ試作機による8K映像のデモ。
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 有効画素8192×4320の8K対応スーパー35mmセンサーで60fps駆動するセンサーを搭載。マウントはEFマウントで、7×19 7N KASTという8K対応レンズと組み合わせ、8K RAW出力をエクステンションボックスで8Kリアルタイム映像出力。これも参考出品の8K 55型HDRディスプレイに表示させていた。
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 また30型で8K HDRという超緻密なディスプレイも参考出展。ここまでくると実写感がなくなりCGっぽく見えてくるのが不思議だ。現実や視覚を超えているからだろうか。
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 実際の製品では、そろそろリリースされるコンパクトサーボレンズCN-E18-80mm T4.4 L IS KAS S。専用グリップZSG-C10を装着してEOS C300 Mark IIに。各社からコンパクトなシネズームが増えてきたが、AF、スタビライザー、そしてサーボズームが可能となると、このモデルとソニーの純正に限られる。大判センサーの画は欲しいが機動力も求められるという現場に向きそうだ。
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360度VRカメラも


キヤノンは毎年、ブース内に他社とのコラボブースを設けているが、今年はVRカメラが2つ。mooovrリグ VR Oneは、EOS M3を5台マウントできる360度撮影用のリグ。それぞれのカメラ撮影された素材をVideoStichで360度ビデオストリームに変換。視聴はVRヘッドマウントディスプレイとバックパック型PCで、というもの。
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もうひとつのシステムは、Orah 4iというライブ配信VR対応360度4Kカメラ。魚眼レンズがついたカメラが4つ搭載されていて、Stitching Boxにケーブル接続するだけでストリーミングが可能になる。ネット経由でヘッドマウントディスプレイ、PC、スマホで視聴する。
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