櫻井雅裕のNABレポート〜その他
■日立マクセルブース
日立マクセルブースでは、業界統一規格のハードディスクカートリッジiVDRを活用したハードディスクレコーダーのプロトタイプを展示。カメラと接続しての記録に対応し、カートリッジ式で交換可能なのが魅力となっている。PC接続時には、インターフェースとして高速なシリアルATA接続などが可能。展示ではHDVやP2カムコーダーと組み合わせてのデモンストレーションが行われていた。カートリッジは新たに内部にショック吸収機構を設けた業務用タイプを用意。実際に床に落としたりして耐久性の高さをアピールしていた。
■NHKブース
例年スーパーハイビジョンなどの次世代映像を中心に展示を図っているNHK。今年は8k(横7680ピクセル)60pのカメラと3D映像を中心に展示を行なった。8k映像はブース内にカメラと被写体を置き、4k(横3820ピクセル)対応の液晶モニターにダウンコンバート映像を表示してデモンストレーションを行なったほか、ラスベガス市内のストリップと言われる観光客が多く訪れる中心街から光ファイバー中継で同様のデモンストレーションを行なった。
3Dの展示では、近日発売されるJVCの3D液晶モニターを用いた一般展示のほか、3Dシアターを併設し、シアターでの上映も行った。一般展示では3D映像の制作に用いられたカメラも展示された。3D映像のカメラにはソニー製が、先の3Dモニターにはビクター製が、4kモニターにはアストロデザイン製が、8kカメラには池上製のカメラ部とアストロデザイン製のプロセッサーが用いられ、NHKの展示はNHKというより日本代表チームの展示のような印象を受けた。
■ロジックキーボードブース
アップルの正規ライセンスを受けて、アップル純正キーボードをカスタマイズした各アプリケーション向けショートカットキーボードを発売しているロジックキーボード社ブースでは、Mac用としてFinalCutPro、PremierePro、Color、MediaComposer、LogicPro、Protoolsなどに向けたショートカットキーボードや、ノートPCなどに向けたショートカットキーボードカバーを展示。同社はWindows用も用意しており、Windows用のPremierePro、EDIUS Proなどのキーボードも展示していた。特に驚きなのは、アメリカ製でありながら、日本語版キーボードも製品化されていること。日本ユーザーにとってうれしい製品だ。キーボードカバータイプは、日本で多く流通しているタイプに比べて、膜の厚さがはるかに薄く、キーボード上に被せても操作性に対する影響が極めて小さいのが特徴。ショートカットの必要性に関わらず、単にキーボードカバーとしても上質の出来栄え。国内でもおもにターンキーシステム等を扱っている販売会社を通じて購入できる。特にアップルキーボードは現行の薄型タイプのみならず、人気の高い前モデルタイプも用意しているとのこと。また、これらのモデル用として、キーボードごと以外に、交換用キートップだけの販売もしているとのことで、ユーザーのニーズにあった選択が可能になっている。さすがキーボード専門メーカーだけのことはあるきめの細かさだ。
■ユーフォニクスブース
ハイエンドのサウンドミキシングコンソールなどを手がけるユーフォニクスのブースでは、Protools、NUENDO、LogicなどのDAWソフトのほかに、FinalCutProなどの編集ソフトにも対応する、低価格なフィジカルコントローラ(コントロールサーフェイス)を展示。個人でも購入可能な価格帯と今までマウスでは不便だった作業を大幅に改善する待望の製品である。さらに、今年中には、AppleのColorに対応するカラーコレクション作業用のトラックボールタイプのコントローラもラインナップに追加予定のこと。今後も引き続き楽しみである。ハイエンドユースで世界の評価が高いユーフォニクス製品がパーソナルユースでも手に届くような価格帯に登場したことは喜ばしい限りだ。