今年のInterBEEの主役は間違いなくキヤノンだった。11月3日にハリウッドで、4日は日本で「映画制作分野への本格参入」を発表し、EOS用レンズが使えるEOS C300というデジタルシネマカメラとEFマウントのシネレンズ数本を発表したからだ。その半月後、じっくりと実機を触れるチャンスが来たとあって、操作性を確かめようという人で会場はごったがえした。
EOS C300とシネマEFレンズの実機がついに日本に登場
約400万円のズームレンズ。仕様については既に本誌で報告済みだが、テレ側とワイド側の2種類があり、EFマウントとPLマウントが用意される。完全に映画やCMの制作現場向けのレンズ。その分野ではズームレンズが1千万円以上ということもあり、それに比較すれば高いレンズとは言えない。もちろん動画用に考慮されており、操作性はもちろん、フォーカス送りによる画角の変化も抑えられている。
すでにレッドロックマイクロなどからは専用のリグも用意されており、モニターユニットはこのように本体から外して使うことができる。
EOS C300だけではなく、EOS- 1D XやEOS 7Dもそれぞれリグに組み込まれて展示されていた。ただし1D Xは発売前ということもあり、外観は撮影禁止となっていためここでは掲載していない。7DのほうはテクニカルファームのMovieTUBEとの組み合わせ。
発表会でアナウンスされなかったものとして、具体的にシネマEOS用の単焦点ズームのバリエ-ションがさらにワイド側とテレ側で1本ずつ、そしてズームレンズの廉価版という位置づけのものもワイド側とテレ側のズームが参考出品された。
EOS MOVIEの4K映像は見られなかった
時に発表された4K撮影が可能になるEOS MOVIEはモックアップの展示のみ。映像は見ることができなかった。
ハリウッドの意見を取り入れて開発したのが階調を完全に残すためのCanonLogガンマという機能。これは黒つぶれ、白トビをできるだけ抑え、階調をフラットにした映像データで、後処理が前提のもの。ソニーのように別売オプションやRGB444での記録というわけではなく、あくまで4:2:2の8ビットではあるが、情報を残した状態なのでカラーグレーディングがやりやすい。