株式会社朋栄は、創立45周年を記念し、「FOR-A Post NAB 2016」と題した全国内覧会を開催。米国ラスベガスにて開催された2016 NAB Showに出展した新製品を中心に展示を行なっている。
東京会場では、5月19日(木)と20日(金)の二日間。
 
以後の予定は以下のようになっている。
東北会場 (東北映像機器フェスティバルにて):平成28年6月2日(木)・3日(金)
札幌会場 (朋栄 札幌研究開発センター):平成28年6月16日(木)・17日(金)
大阪会場 (関西放送機器展にて):平成28年6月23日(木)・24日(金)
名古屋会場 (瀧定名古屋エキシビジョンホール):平成28年7月7日(木)・7月8日(金)
福岡会場 (九州放送機器展にて):平成28年7月21日(木)・22日(金)
開催日程・開催場所は変更する場合がある。
<問い合わせ>
朋栄 営業統括本部
TEL:03-3446-3121(代) E-mail:sales@for-a.co.jp


東京会場を取材して気になった技術、システムなどは以下。

ハイスピードカメラ FT-ONEシリーズ


hou5.jpg
ハイスピードカメラ、FT-ONEシリーズは、カメラヘッド分離型モデルで毎秒500コマの高速撮影ができるFT-ONE-Sに加えて、参考展示として、FT-ONE-LS(仮称)も展示。2倍速4Kスロー映像をサーバーにリアルタイム伝送可能なモデル。ハイスピードカメラといえば、光量が必要というイメージがあるが、これくらいのライティングでもハイスピード撮影を実現できる。

Video over IPへの取り組み


HOUEU00.jpg
4Kになっていくとベースバンドで信号を局内で引き回すのは非現実。これからのシステムとしてはIPをうまく組み合わせていくしかないが、ベースバンド、IPストリーム、ファイルベースをうまくつなぐ技術が必要になる。その際の問題は、コーデックはH.264、MPEG2 Long GOPと共通なのに、IPストリームを送る規格であるSMPTE2020-1/2はMPEG2 TS準拠であること、一方現状のデファクトスタンダードであるXAVCなどのファイルはMXFファイルである。このラッピングをつけかえることで、再圧縮せずにすぐにファイルベース環境で利用できればよい。これができるばライブ映像としてもIPを利用できるようになる。朋栄では、IP送受信用にMXR-400IP(仮称)を開発。MXFファイルとして保存されたファイルは、同社のMediaConcierge ver.3で検索したり、プレビューすることができるシステムを提案していた。

クラウドを活用した素材管理システム


hou01.jpg
hou2.jpg
撮影しながらリアルタイムでIPストリームを送出できる手頃なカメラもすでにある。JVCのHM650、660(新製品)などだ。前述の管理システム、Media Concierge(MAM)とIBMのクラウドサービスと組み合わせることによって、H.264のストリームをファイルに変換しながサーバーに記録。MAMでプロキシを作成し、検索したり、視聴が可能になる。実際にその場で撮影したものをその場でサーバーに記録して再生するデモを行なっていた。記録映像は17MbpsのAVCHDになる。

4Kファイル送受信システム


hou3.jpg
IPファイル伝送を利用することで、海外取材などでのファイル転送もより効率的にできる可能性がある。参考出品していたのが、同社のLTOサーバー(LTS-70)を利用した4Kファイル送受信システム。LTOというとすでに制作が終わった素材を保管しておくというイメージが強いが、このLTOサーバーを現地に持ち込み、撮影した素材をそのHDDと同時にバックアップとしてLTOに保存しておく。2箇所にバックアップすることでメモリーのほうは消去してその場で再利用が可能。HDDに記録したものは、LTS-70の伝送オプションを利用して、XAVCフィアル全体を伝送。受信側では、ファイル受信したものを追いかけ再生したり、必要な部分のみを切り出して利用することができる。サムネイルはこのように現れるので、どのカットを使いたいのか、一目でわかる。