毎日映画社は、映像プロダクションとして、映像のソフトの企画、制作、販売から放送番組の企画・制作、アーカイブ販売など幅広い事業を展開している。その歴史は古く、明治41年(1908年)に大阪毎日新聞が活動写真班を創設しニュース映画を制作したのが始まりとなる。1955年に現在の毎日映画社が設立。その後もニュース映像や、昭和34年(1959年)から続いているテレビ番組「皇室アルバム」の制作、東京オリンピックや大阪万国博覧会の公式記録映画の制作にも参画しており、多くのフィルム資産を保有している。
その毎日映画社では、ブラックマジックデザインのCintel Film Scannerを導入。Cintel社はフィルムのスキャニングにおいては長年のノウハウをもっており、ブラックマジックデザインの傘下になることで、最新のテクノロジーと融合して完成したのがCintel Fillm Scannerである。35mmまたは16mmフィルムを最大30fpsのUltra HD解像度でスキャンしてリアルタイムにファイル化することができるというもの。
Cintel 導入のきっかけについて同社の新技術開発グループ・プロデューサーの森谷富士雄氏は
「今まで撮りためたフィルム映像を保管するするのに膨大なコストがかかっています。当時の映像を欲しいという方もいますが、一部ファイル化しているものでも解像度がSD やHD なので、今後、そういったニーズに応えるにしても4Kでファイル化したいと考えていました。しかし、それをするにもコストの問題でなかなか実行できないという状況の中で、Cintel Film Scanner を知り、これならコストを抑えて映像資産をファイル化できると考えました」
「先日、80 年前くらいの古い16mm フィルムをCintel にかけてみましたが、まったく問題なくスキャンできました。Cintel は使い方も簡単で、iMac にインストールしたDaVinci Resolve Studio とのシンプルな組み合わせで、手軽にスキャンできることに驚きました」
と語る。
「今は誰でも気軽に映像を撮影できる時代ですが、当時はコストも時間もたくさんかけて撮影しています。フィルムは残っているけれど、中身を確認する手段がないため何が写っているかわからず、その価値に誰も気づいていないという例はたくさんあるでしょう。そういったものを掘り起こすことは文化的な価値がありますが、現状コスト的な問題でなかなか実現できない。Cintel Film Scanner の登場でそういった古いフィルム資産をまた活用できる機会が増えてくるでしょう」
同社では今後、倉庫に保管している膨大なフィルム作品をスキャンしていく予定だという。
「スキャンしデジタル化したコンテンツを貸し出したり、販売したりすることも今後視野にいれています。また、外部から持ち込まれたフィルムのスキャン業務も今後やっていきたいですね」
と森谷氏は結んだ。
ブラックマジックデザイン
Blackmagic Cintel Film Scannerの情報はこちらから
https://www.blackmagicdesign.com/jp/products/cintel