2011年3月12日、部分開業していた九州新幹線が全通。東日本大震災で運休になっていた東北新幹線も4月29日に運転を再開し、新青森~鹿児島中央間約2千㎞が繋がりました。今回から3回、新幹線のムービー撮影について取り上げます。


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(左)E5系 東北新幹線「はやぶさ」に使用。最上級の設備「グランクラス」を持つ。   
(右)923型 検査車両。通称“ドクターイエロー”。東海道山陽新幹線で月3回程度運転。
※今回の車両紹介写真はスチル撮影のものです。新幹線のホームでは三脚は使用できないので注意しましょう。

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(左)N700系 九州新幹線「みずほ」「さくら」「つばめ」用に8両編成で使用する車両。  
(右)100系 山陽新幹線「こだま」に使用。2012年には引退の予定で、一部は白と青のオリジナル塗装に戻されている。

新幹線の路線数は9、駅数は99。現役の車両は大きな分類で12形式、派生種を含めると実に多彩な車両が各地を駆け回っています。新幹線映像の魅力はやはりそのスピード。これだけの大きさの車両が時速300㎞で走る迫力はすごいのひと言です。
撮影ポイントの探し方や撮影テクニックなどは次回以降に譲って、今回は路線と車両を中心に新幹線の基礎知識をお伝えします。

新幹線の路線


新幹線は大別してJR東日本の路線と、JR東海・西日本・九州の路線に分かれていて、双方とも乗り入れることができません。列車運行の形も、前者が東北上信越の各都市に向けてきめ細やかに輸送をするのに比べて、後者は一本の大動脈を高速大量輸送するという性格の違いがあります。
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今月のお奨め路線 東海道新幹線 新富士―静岡


東海道新幹線の代表的な撮影地のひとつが富士川橋梁です。旅番組やドラマの挿入シーンでもよく見かけます。季節ごとに富士山の美しい映像が撮れる場所ですが、サンプルは雪を被った冬のものにしました。撮影ポイントは富士川と新幹線の交わる南側で静岡側の堤です。鉄橋の高さと富士山の高さを見ながら場所を探し、バランスの良いところを選んでください。
光線状態は夕方を除き順光ですが、天気の良い日の午前中が山もよく見えてお薦めです。富士山の右側には箱根の山々も見えているので、そちらからフォローしたり、富士山をアップ目に狙うなどいろいろ工夫してみてください。



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【筆者プロフィール】佐々倉 実
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鉄道映像作家。小学生の頃から鉄道写真を始め、大学生の頃、当時鉄道員をしていた今井洋氏と出会って以来、製作活動をともにする。現在は、佐々倉氏が撮影、今井氏が編集を担当し、雑誌やDVDパッケージを中心に鉄道ビデオを製作している。DVDに『魅惑の蒸気機関車 四季SL紀行』、『日本の鉄道 新幹線・特急編/蒸気機関車ローカル線編』などがある。2010年7月に『感動の美景鉄道』(MAXAM)が発売された。2011年7月には新刊『全線全車種全駅新幹線パーフェクトガイド』(講談社)が刊行。
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