After Effectsには「エクスプレッション」という機能があります。これはプログラミング言語でアニメーションをつけたり、各種パラメーターを制御するために使います。これを覚えると作業効率が格段に上がります。一見、難しそうにも思えるエクスプレッションですが、これからはじめてみようという方々に向けて、ド文系の僕なりの視点で優しく解説していきたいと思います。
解説◎山下大輔
エクスプレッションをよりスムーズに理解するために、ここでは事前に覚えておきたいAeの基本をまとめておきます。仕組みを理解していくとエクスプレッションをどのように使っていくかが見えてきます。
1-1コンポジション設定
どんな作品にするかを決める最初の設定です。アウトプット先の媒体(テレビやWeb、SNSなど)に合わせて設定を合わせていきます。
作業空間のルールを決定する大事な要素
After Effectsでは、「どんな視聴環境で観てもらうか?」をコンポジション設定で決定します。この設定に合わせて素材を読み込み作業を行うため、コンポジション設定は非常に重要な要素です。
エクスプレッションでも、この設定を基準に作業していくのでしっかりと把握しておきましょう。
幅と高さ
画面サイズとレイヤーの位置を把握する要素
「幅 x高さ」は言い換えれば画面サイズのことです。ここで決定した作業空間に素材(レイヤー)を配置していきます。
幅と高さはレイヤーの位置の基準になるので設定を把握して作業を行いましょう。
フレームレート
時間の最小単位。1秒間のコマ数を決める要素
レイヤーが1秒間に動く回数を決定します。単位はフレームです。例えば24フレームであれば1秒間に24回動くということです。
デュレーション
作品の時間を決定する要素
作品全体の時間の長さを決めます。ループアニメーションなどこの時間の長さを使って計算することも多くあります。
1-2プロパティとパラメータ
各レイヤーの特徴を理解していくにはプロパティとパラメータを理解しておく必要があります。
レイヤーが持つ要素の名前がプロパティ
レイヤーは色々な情報を持っている
位置やスケールなど、そのレイヤーが持つ情報のことをプロパティと呼びます。そのレイヤーが持つ要素の名前と考えておきましょう。
ちなみにトランスフォームやエフェクトなど複数のプロパティを管理しているものをプロパティグループと呼ぶので豆知識として覚えておきましょう。
プロパティは追加可能
シェイプレイヤーはパスや塗り、効果(パスのトリミング)などのプロパティを任意に追加でき、テキストレイヤーはアニメーターで用意されているプロパティを任意に追加する事ができます。エフェクトやマスクなどもレイヤー自体に追加できるプロパティグループと考えることができます。
パラメータはプロパティの値
情報が持つ値のこと
位置、角度、大きさなどプロパティには様々なタイプがあります。各タイプに合わせた値のことをパラメータと呼びます。
通常パラメータは青く表示されていますが、エクスプレッションを追加すると赤い表示に変化します。
プロパティによってパラメータ数は変わってくる
プロパティに対してパラメータは1つとは限りません。特徴によってパラメータ数が変化します。エクスプレッションでもプロパティの何番目のパラメータを利用するかを指定しなければいけません。指定のプロパティがいくつのパラメータを持っているのかなど注意していきましょう。
次回は「コンポジション座標とレイヤー座標」について紹介していきます。