原宿駅竹下口、目の前にオープンした公開スタジオ


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ブログやスマホゲームなどでお馴染みのサイバーエージェントが運営する「アメーバ」。この秋から動画サービス「AmebaFRESH!」を開始する。同名のスマホアプリも同時期に提供するほか、パソコンとスマートフォンのWEBブラウザーからも生中継の動画を視聴できる。配信される番組内容は芸能人や著名ブロガーを起用した娯楽番組。トーク番組やコント、ファッション、映画、スポーツ中継などこれまで可視化できなかったコンテンツも積極的に配信していくという。

こうした番組のリアル発信拠点として7月にオープンしたのが、今回紹介する「アメーバフレッシュスタジオ」だ。スタジオは原宿駅の目の前という好立地で、一般の来場者がスタジオの外から番組を観覧することもできる。自社コンテンツの制作に加えて、テレビ朝日と共同出資で立ち上げたAbema TVの定額動画配信やニュースチャンネルのサテライトスタジオとしても活用される予定だ。

内装や外観も含めて、同社の総合クリエイティブ・ディレクターであるデザイナーのNIGO氏が監修し、1Fスタジオのインテリアデザインは、ワンダーウォールの片山正通氏が手がけた。A・Bstのポップな壁面は印象的なだけでなく機能的。パックリと割れてクロマキー用のグリーンバックを出し入れできるギミックがあったり、収録内容に応じてセットの配置換えもしやすいように工夫されている。

スタジオの立ち上げが決まったのが昨年末から年始にかけて。建物やスタジオの設計に半年かかった。そして、実際の工事はなんと1カ月の突貫工事で行なった。機材が届いたのはオープン3日前。藤崎氏が配線図を書き、わずか2日で自ら組み上げたというから驚きだ。本格的なマルチカメラ配信向けのスタジオから個人配信向けスタジオまで、多様化する動画コンテンツに対応できるように様々なタイプのスタジオを備えているのもおもしろい。機材もそこで作られるコンテンツに合わせて使いやすいものを選んだという。

●AmebaFRESH! Studioは一般への貸出は行なっていない。
映像・芸能業界関係者の見学は随時受付中(https://amebafreshstudio.com/

Ast

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株式会社アメスタ代表・AmebaFRESH! Studio館長の谷口達彦氏(右)と最高放送技術責任者・スタジオ技術責任者の藤崎智氏(左)。スタジオカメラはタリーを取り付けたソニーPXW-X160を5台用意。20人が出演者する番組にも対応できる。

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側面の壁が割れて、クロマキー合成用のカーテンを設置できる。
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IPネットワーク上に配置したWi-Fiアクセスポイントを中継機として通信ができるiCom製のインカム。

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副調整室。ライブ配信はもちろん、テレビ放送にも対応できる。スイッチャーはTriCaster8000、ミキサーはヤマハTF5。テロップは生放送で急な変更にも対応できるようにPowerPointで作成したグリーンバックのテキストを合成している。TalkShowを導入しており、Skypeによる中継にも対応できる。

Bst

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Bstは2〜3人の出演者がギャラリーとより近い距離感で対面しながら配信できるスタジオ。キヤノンiVIS mini Xを4台使用。マイクはバウンダリーマイクやラベリアマイクを用意。手元のモニターでオンエア映像を確認できる。

2F

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均等に配置されたタレントクローク。

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16部屋ある控室にはiVIS mini X、ローランドVR-3EX、配信用MacBook Proが設置されており、個人配信ブースとしても使用できる。背後にはロールカーテン式のグリーンバックも備える。

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外のデジタルサイネージの調整室。スマホ向けに配信した映像を外のサイネージに送出することもできる。iPhoneで受信したライブ映像をローランドVC-1-SCでSDIに変換し送出される。

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およそ60人を収容できるイベントや記者会見などにも使える多目的スペース。

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こちらにもAst同様の配信・収録システムが導入されている。