現在発売中のビデオサロン10月号(9月20日)のカメラ搭載マイク特集で、アツデン本社の取材レポートをお届けしていますが、誌面に入らなかったもの(本当は入れたかったけど、特集の趣旨から外れるので載せなかったもの)をWebでお送りします。(編集部/一柳)
アツデン本社内には往年の機材が並んでいるショーケースがあって、そこには現行製品だけでなく、創業時からの主な製品がずらっと並んでいた。
アツデンは当初はレコード再生用のピックアップを作っていたという話は、本誌のレポートにも出てくるが、圧電素子(ピエゾ)が社名の由来。アツデンがカートリッジを作っていたとはまったく知らなかった。廉価なものやOEMではなく、ここにあるものを見ると、自社ブランドの高級品があったことが窺われる。
以下はワイヤレスマイクロホンの数々。アツデンと言えば映像業界ではカメラ搭載用のガンマイクのイメージが強いのだが、映像業界への参入のきっかけはワイヤレス技術だったそうだ。このワイヤレスの技術を映像制作のロケ収録用に転換していったのが始まりだった。
マイク類はこちら。
ヘッドホンは現在ではワイヤレスタイプを商品化しているが、1970年代にはオーディオ用のヘッドホンも製造販売していた。
さりげなく下のほうに置かれていたのがこれ。
「シャープのビデオカメラをOEMで作っていた」ということではなく、詳しいことはわからないが、3D撮影と視聴のシステムを模索していたのではないだろうか。ビデオカメラのレンズの前に立体視できる装置をつけて、カメラ本体のレンズを通した映像信号を無線で飛ばし(?)、メガネで左右それぞれの映像を立体視するという仕組みなのだろうか? 1991年の試作。結局、商品化はされなかったとのこと。
アツデンはOEMメーカーでもあり、日本の各社のマイクや音響関係の製品を下支えしてきた。地下のショーケースの中には、有名メーカーの製品も数多くあったのだが、それをここに出すのははばかられるので控えておく。
地下にあるのは無響室と電波暗室。
無響室でマイクの周波数特性を計測する。左は同行して本誌のレポートを書いていただいた大須賀さん。
足元は床ではなく、宙に浮いている状態になっている。
無響室の外には、かつて使われていたレベルレコーダーなる古い機械が。無響室で測定されたデータは今ではパソコンで処理してデータ化されている。
電波暗室でさまざな帯域の電波を飛ばして、マイクに入る影響をチェックしている。マイクを回転させてどの角度から入ってくる電波がどれだけマイクに影響するのかを調べる。
本編のほうは、ぜひ本誌をお読みください。