マウスコンピューターのクリエイター向けモデルDAIV。デスクトップモデルが2016年のブランド創業以来初めてシャーシ変更をしてRTX4090の搭載が可能になったDAIV DD-I9G90。3DCGデザイナーとして幅広い映像ジャンルで活躍する寺村太一さんは同機をこの2月に導入。実際の仕事でも活用するなかで感じた魅力や使用感についてレポートしてもらった。
レポート●寺村太一
名古屋を拠点に映像ディレクター/CGデザイナーをしている寺村太一と申します。約20年ほど映像制作プロダクションでCG制作をしてきました。
今年3月に独立し、フリーランスとしての活動をスタートしました。主に新商品のプロモーション映像やCM、MV、イベント用CG映像の制作を行なっています。CGデザイナーと言うと、大きなカテゴリとしてゲーム、映画、アニメといったエンタメ業界で活躍されるが多いですが、私の場合は、わりと非エンタメ領域での制作が多いです。
エンタメ領域と比べると分業化の少なく、ひとりで幅広い制作作業を行う、いわゆるジェネラリストとして、お仕事をさせて頂いております。
寺村さんが日頃よく使うソフト
メインでCinema 4DとAfter Effectsですが、必要に応じて色々なソフトを横断して制作を進めています。CGのレンダリングにはRedShiftやOctane RenderなどGPUレンダラーを用いています。映像制作の企画段階から作品に関わる事も多いため、イラレで企画書を作ったり、わりと事務的な作業も行なっています。
DAIVシリーズについて
実はこれまでも公私ともに複数台のDAIVシリーズを使用してきました。初めてDAIVを購入したのは初代DAIVが登場した2016年で、DAIV-DGX701S3というモデルでした。購入から7年以上経ちますが、特に故障せず現在も自宅での軽作業に使っています。その使用感が気に入り、職場でも複数台のDAIVを導入を進めました。
2016年に、自宅と同じDAIV-DGX701S3を導入。
2017年に、DAIV-DGX715U3-SH9
2018年に、DAIV-DQZ520E3-SH2
といった具合です。
DAIVブランドについて
私がDAIVを初導入した2016年頃、クリエイティブ作業に特化したWindowsPCのブランドは珍しかったと記憶しています。それ以前でCG制作に特化したPCと言えば、高額なワークステーションになってしまうため、より手軽に導入できて、なおかつクリエイティブ作業に特化したDAIVシリーズが登場した時は、正に僕らクリエイターのために出てきたマシンだなと感じました。
広告業界であれば誰もが知る株式会社アマナの協力を受けてで開発されたPCがDAIVシリーズであり、広告や映像デザインをする上で最適にデザインされたPCです。
現在、クリエイターPCをうたうブランドは複数ありますが、パーツ構成だけでなく、現場のプロの声をフィードバックして開発されたDAIVシリーズは、クリエイターにとって、信頼できるパートナーとしての地位を確立していると思います。
新型DAIV DD-I9G90を導入した経緯
今年3月にフリーランスとして活動を始めるにあたり、まずは何よりPC選定が必要でした。PC選びで重視したのは下記2点です。
①何よりも安心して業務が行えること。
②クライアントに対し速いレスポンスで答えられること。
①については基本的にひとりで制作を進める事になるため、できるだけトラブルを少なくしたいと考えました。過去にはコストを重視して何度か自作PCで業務を行なっていたこともあるのですが、トラブル時の原因解明に時間を要してしまうことが多く、業務を中断して冷や汗をかくこともありました。
僕自身、一般的なPCスキルはありますが、物凄く詳しいわけではないため、万が一を考えると自作よりも安心できる体制で業務に臨みたいと考えました。DAIVシリーズは過去に何台も大きなトラブルなく使って来た安心感があります。
②については、私の武器となるジェネラリストとしてのスピード感を最大限に活かしたいと考えました。3DCGのレンダリングにはOctaneRenderやRedshiftなど、GPUレンダラーを常用するため、現時点では最も高速なRTX4090はマストでした。
またAfter Effects作業では4K-RAW素材やEXR素材などをコンポジットするため、ストレージ速度が重要です。
標準でM.2SSDを搭載していますが、BTO構成でより高速なM.2SSDを選択できるのも嬉しいポイントです。これら条件を兼ね備えるPCとして、今回の新型DAIV DD-I9G90の登場はタイムリーでした。
クリエイティブのための専用機
初代DAIVよりもひと回り大型化した新型DAIVですが、実際に並べ比べてみると、質感が大幅に向上したと感じます。前面と上部パネルは樹脂ですが成形の質が良く高級感を感じます。良い意味でPCっぽくないため「作業用」というよりは「クリエイティブのための専用機」という特別な感じがして良いです。
大型化した事で内部スペースに余裕がありRTX4090を装着しても、まだ余裕があるので将来的な拡張性も安心です。今回エアフローも大幅改善されたと聞いていたのですが、正直購入するまで吸気穴が目立たないため、半信半疑でおりましたが、実際に使用してみると水冷の効果も相まって、しっかりと冷えてくれます。せっかくハイスペックな構成を選んでも発熱により性能が活かせなければ本末転倒なので、嬉しいポイントです
▲巨大なRTX4090を搭載してもなお空きスペースがある。
RTX4090のレンダリング速度は一度体験すると戻れなくなる
現在のPCはいずれも高性能なな、違いを感じるのは重たい作業時くらいかと思っていたのですが、OSのオペレーション自体も体感できるレベルで速度が上がっており驚きました。
システムの起動やファイルコピー、ソフトの起動といった基本操作が抜群に早いので気持ち良いです。もちろんクリエイティブ作業における違いも顕著で、特にRTX4090を使用したレンダリングの速度は一度体験すると戻れなくなりますね。
普段、新しいマシンを導入しても数日すれば速度に慣れてしまうものですが、今回は、購入から2カ月経った今もレンダリングをかける度に「速っ!!」と驚いています。
導入してある程度システムのセットアップが済んだ状態で、M.2 SSDを取り出してクローンを作ったり、シャドーベイに素材用のHDDを増設したりしましたが、いずれも快適でした。筐体が大きくなったことで内部スペースが広く、配線も整理されているため、カスタマイズ時の作業がしやすいと実感しました。
総括
独立を機に仕事のパートナーとすべくPCを導入するという事で、失敗できないと緊張感があったのですが、
新型DAIVを選んで本当に良かったと感じています。既に数案件を納品したのですが、いずれも安心感を持って作業できております。過去のDAIVも含めてですが、スペックシートに現れにくい様々な部分でクリエイターの信頼に答えてくれる心強い相棒です。
●DAIV DD-I9G90の製品情報