DJIのエントリーモデル「Neo 2」を、プロの映像クリエイターが実際に海や林道で飛ばしてみた。わずか151gのスマホ並みの軽さながら、4K/100fps撮影や全方位障害物検知を搭載し、前機種から大幅に進化。手のひら離着陸や自動追跡など、初心者でも扱いやすい機能が魅力だ。使って分かった強みと弱み、撮影のコツを徹底解説する。

1. 概要・ポジショニング
今回ドローンメーカーのDJIから新たに登場する「Neo 2」を使って撮影してみました。この機体は“軽量&手軽に飛ばせる”が魅力のドローン。実は僕自身、DJIの エントリーモデルを使うのは初めてなので、ワクワクしながら撮影してきました。
このDJI Neo 2は前機種DJI Neo(2024年発表・135g)をアップグレードするモデルと位置付けられています。 軽量機ならではの“旅などで手軽に持ち出せる”というメリットがある反面、性能面 ではハイエンド機と比較してどのくらい差があるのか気になるところでした。機動 力を重視した「バランスモデル」として、これからの旅のアイテムの主力になるかもしれない期待感を持って使いました。

2. 主な仕様・特徴
今回の撮影した時点では公式フルスペックが公開されていないため「見えている情報」と「実際に撮影した内容」をもとにレビューしています。実機が公開された後に正式になる部分もあるかもしれません。
<カメラ/映像性能>
• 動画4K/60fps、4K/100fpsに対応。
※ 今回は夜間での撮影はしてないので夜の性能を測ることはできなかったですが、可能性としてセンサーサイズが大きくなっていたら低照度環境や画質向上面でクリエ イターとしては嬉しいポイントですね。
• ジンバルや手ブレ補正についてもかなり優秀な印象があり、映像クリエイター目線としては大きなメリットになります。
• 飛行時間(バッテリー持続時間)については、約19分とありますが環境の影響もあってか体感10~15分くらいのイメージでした。 (海で飛行した時は風の影響もあり10分前後、風の影響をあまり受けない林の中で飛行した時は15分前後の感覚でした。)
• 全面保護プロペラガードかつ障害物検知が全方位に搭載されており、前機種と比較してもより安心して飛行させることが可能となります。
• 機体重量・携帯性は抜群。前モデルも135gという軽量設計が強みで、今回のDJI Neo 2も151gとかなりの軽量設計でスマホ並みの軽さを実現しています。


<機能・操作性>
• スマートモード(自動追跡、ジンバル制御、クイックショットなど)は優秀な印象を受けました。特に全方位のセンサーのある自動追跡は安心感があります。ただ、機体がかなり軽量なので風も含めて周辺環境には少し注意が必要かもしれません。
• リモコン+スマホだけではなく、モーションコントローラーもストレスなくペアリングもできました。操作性も比較的簡単でしたが、モーションコントローラーは慣れるのに少し大変でした。(普段リモコン操作に慣れているので)直感的な操縦は楽しかったです。
• 初心者でも扱いやすい「手のひらからの離着陸」「自動追跡」など、エントリーユーザー向けの使いやすさが魅力的な印象でした。
• 機体の内蔵ストレージ容量が22GB ⇨ 49GBにアップ。



今回は使用しなかったですが、新しい機能も紹介します。
<新しい操作モードと撮影モード>
・ジェスチャー操作機能を新搭載し、ドローンに向かって手のひらをかざしながら手を動かすだけで飛行方向を制御可能に。この機能を使えば、撮影アングルなどを調整したい時、送信機やアプリを使う必要はありません。
・撮影モードにドリーズームを新たに追加し、印象的な映像を撮影可能に。



3. 実使用レビュー視点(仮想使用+既知の強み/弱み分析)
飛行してみた中で、「こう使える」「ここに気をつけたい」という実用レビューで 。
○ 強み
・持ち出しやすさ:スマホと同じくらいのかなり軽量機なので宿泊撮影・旅先・ドローン撮影が「荷物ひとつ」で可能になるため、撮影の手間とハードルが下がる。
・映像クオリティの進化:この軽さなのに4K/60fps、4K/100fps対応なので、VlogやYouTube用撮影、旅行記録などでも十分な画質が得られそう。
・操作の手軽さと安全性:入門者でも安心して飛ばせる設計(障害物検知、自動 モード)で、撮影の幅が広がる。
・コストパフォーマンス:前機種と同等であればハイエンドドローンほど高価格ではなく、「性能+価格」でバランスを取るモデルとして魅力的です。
○ 弱み・注意点
• プロ用途には限界あり:ジンバル軸数・センサーサイズ・カメラ設定(RAW、 Logプロファイル等)といった点で、上位機(例:Mavicシリーズ、Inspireシリー ズ)と比較すると明確な差があります。
・飛行時間の実使用値:飛行時間が20分前後でも風のある環境・撮影条件・操作モードによって実質飛行時間は少なくなることもあり得ます。特に初心者の方は旅先の “撮りたい瞬間”を逃さないプランニングが必要かもしれないです。
・法規制対応:軽量モデルであるとはいえ、日本国内での飛行には様々な飛行ルールが存在しますので、飛行場所・申請などには注意しましょう。旅行先での撮影では事前確認が必要です。


4. 使いこなす為の撮影のヒント
・海外旅行・山岳・海岸線・Vlog撮影など、旅が好きでSNSなどで気軽にシェアしたいユーザーがこれまで体験されている“絶景+移動”シーン(例:バリ島、夕日 ビーチ、自分とドローン撮影)では、NEO 2の“手軽に持ち出せる軽量機”というメ リットが活きると思います。
・今回のレビュー撮影を例にすると、夕陽をバックに、マウンテンバイクが林道を走るシーンで、ドローンをやや低めにホバリングさせて追跡させると、マウンテンバイクと背景の“光のグラデーション”が映えます。4K/60fps以上で撮影すれば、編 集時にスロー再生して雰囲気を強めることも可能です。
・障害物検知が強化されているとはいえ、山道・林道・海岸線の岩や木の枝など「近 距離・複雑環境」では依然慎重に操作する必要があります。特に夕日撮影では逆光・影の深さでホバリングが不安定になることもあるため、視界・風向きを常に意 識。
・飛行時間の実質値としては「19分」が公称ですが、風・追跡モード・動画撮影モードでは実質15分程度になることも想定しておいた方が安全です。
・離陸位置は手のひらか近くの安全な平地を確保
・飛行前にGPS+ホバリング安定性を確認
・これからの時期はバッテリーが一気に減る条件(風・寒冷・移動中)を考慮し、 予備バッテリーを用意しておくと安心ですね。

5. まとめ
Neo 2は「軽量機・入門機+ワンランク上の映像クオリティ」を求めるユーザーに とって非常に魅力的な機体になりそうです。特に、ユーザーが「旅+ドローン撮影」という新しい体験を味わいたい場合は、この機体によって“手軽さ”の壁がさら に下がるでしょう。
さらに新機能のSelfieShot機能を使えば、機体が自動でフレーミングやカメラワー クを実行しながら撮影してくれるので、自分で機体を制御する必要ないです。使い方によってはワンオペでのクリエイティブな撮影や画角に困ることも少なくなるかもしれません。 画質・操作性・軽量性のバランスが高く、初心者~中級クリエイターにとって“買っ て使える”選択肢と感じました。
ただ、正直僕自身がこの機種をプロの撮影で使用するかというと答えは”NO”にな ります。というのもドローンで映像制作や作品撮りをしているのでより高クオリティを求めているからです。しかし、上記でも述べてきたような「旅やVlog」などの相性は抜群なので、SNSなどの作品をより手軽に楽しみながらするのにはかなりオススメの機体です。ハイエンド用途や“プロ仕様完全対応”を求めるなら、「上位機との比較」もしたほうがいいでしょう。
オススメのシーン
・ 旅先での“ドローン撮影持ち出し”用途(荷物を軽く/宿泊先・移動先でサッと撮る)
・夕日・海・被写体といった“動き+風景+光”を組み合わせたクリエイティブ撮影
・Vlog・YouTube・SNS等に向けた4K素材撮影/スローモーション・追跡撮影を活かした映像作り
注意・留意すべき点
・完全なプロ用途(映画撮影・高解像RAW素材・大型センサー・長時間飛行)にはややスペックが物足りない可能性があります。
・飛行環境(風・海岸・移動中)によっては安定性・バッテリー持続時間が想定より落ちることがあります。
・日本国内・海外ともに飛行ルールの遵守が必須です。



