取材・文/編集部 一柳


.movで作成したオープニングパーティのアフタームービー



いま福岡が熱い

現在、銀座・札幌・名古屋・大阪・福岡天神の全国に5拠点を構えるソニーストア。地元のクリエイターを招いたイベントを積極的に行なっているが、地域によってそれぞれ特色があるという。福岡天神のストアの立ち上げに加わり、名古屋、札幌のストアを経験し、今またソニーストア福岡天神に戻ってきた店長の増井 豊さんは、福岡は協力してくれるクリエイターが一番多いと語る。

「私たちだけでクリエイターさんを集めようとしても限界があります。今日のイベントも、キャンプ女子という福岡の会社が、Instagramフォトコンテストをソニーストアで催して、そのオープニングパーティーを福岡の映像制作の団体である.mov(モブ)が手伝っているという関係で、主催は彼らなんです」 

福岡のクリエイターから信頼され親しまれているソニーストア福岡天神の店長、増井 豊さん。


 クリエイターどうしが呼びかけてジャンルを超えて繋がっていく好循環がある。参加していた映像ディレクターの宗 大介さんは、「東京に比べれば映像の仕事は少ないのですが、福岡でやれることは確実に増えてきて、この街だったら何かをやれるかもしれないという気持ちが少しずつ大きくなってきているのを感じますね」という。

キャンプ、写真、映像などカルチャーシーンが絡み合うのは、人間が活動する街の規模としてちょうど良いのか、それとも福岡の気質なのか。

「私は福岡に住んでいるから、ここが楽しい街になったら、めっちゃ嬉しい。だから映像業界だけでなく他の業界、たとえばアパレルとか音楽とかも盛り上がって、単純に自分たちの周りのコミュニティで面白いことが増えたらいいなと。それに自分もなにか貢献できるように努力したいです」

ソニーストア福岡天神の2Fでキャンプ女子株式会社が運営するinstagramアカウント(@camjyo)にてフォトコンテスト「#わたしのキャンプ写真展2025」を開催。最優秀賞100作品を、αギャラリー展示。


コミュニティの映像コンテスト

.movを立ち上げたひとりである松尾龍馬さんは福岡の映像制作会社Reevoの代表。.movはソニーストア福岡天神をベースにパーティーや映像コンテストを開催している。

「コンテストは、このローカルからヒーローを生み出すというのがミッションなんです。自分たちがイケてると思ったけど、いまいち認められていなかったものを、純粋にテーマに沿ったクリエイティブで競い合ってもらう。ここでグランプリを獲ったとなると、他から見ても分かりやすいですから」

実際に大企業の大きな仕事に繋がっていく事例も生まれている。

「そもそもカッコいいやつらがカッコいいまま生きていけるようにしたいよねみたいな話があって。それにはコンテストというのが一番有効なんじゃないかと。企業や自治体が映像コンテストをやるのではなくて、ローカルのコミュニティが主催して、そこにスポンサードしてもらうというかたち。そういうの他にはあまりないんじゃないでしょうか?」

前回のコンテストは音楽系の団体とコラボだったが、今回募集するのは、キャンプ女子ともコラボして、九州のアウトドアがテーマ。夏にはまたここで上映イベントもきっとあるはずだ。

今回のイベントは、ゴールデンウィーク期間中のOUTDOOR WEEK(4月25日〜5月8日)の初日夜にオープニングイベントとして開催された。
VJ、DJがプレイ。
イベントは20:30からスタート。プライベートイベントだったが、ソニーストアの前の表通りは週末の夜で多くの人が行き交い、中の様子を覗う人が多かった。


イベントで出会った映像クリエイター

久留米市出身で実家はラーメン屋という宗 大介さん。現在はミュージックビデオや映画撮影の仕事がメインの映像ディレクター、撮影監督。

直近では、『オオムタアツシの青春』がこの秋に公開予定だそう。実は28歳まで東京でバンド活動をしていたが、そちらの夢は破れて福岡に帰ってきて映像を始めたという経歴の持ち主。9029Works 代表。(@so_9029

古荘博士さんは福岡生まれ。もともと写真をやっていて、ルームシェアをしている仲間の影響で映像も始めた。

音楽をテーマにした.movのコンペ音楽都市福岡ムービーコンテストでグランプリ獲得!

それがきっかけで、大手メーカーの新型製品のプロモーションムービー制作を担当した。

ちなみにコンテストの動画などは、.movのインスタ(@___.mov)やWEBサイト(*)で見ることができる。(@_hakase

*.mov WEBサイト:http://mov.community

ドローンパイロットであり 映像ディレクターのKarinさん(Carwen Style)。もともとイベント写真や動画制作の撮影、ディレクションをしていたが、特色を出したくて、ドローン空撮、FPVドローン空撮を始めた。

仕事は福岡、九州だけではなく全国に広がっている。ポートフォリオはクライアントワークが多くすべてを公開できていないが、インスタの@carwen_styleから見ることができるのでぜひ!

福岡の映像制作会社Reevoの代表、松尾龍馬さん。

地元の映像クリエイターの有志で.movを立ち上げ、福岡の映像制作シーンを盛り上げている。Reevoの忘年会もソニーストア福岡天神で開催されたそうだ。



インタビュー動画ダイジェスト

1人目は宗 大介さん、2人目は古荘博士さん、3人目は松尾龍馬さん