Panasonic LUMIX DC-GH5&GH5S を活用した映像制作の現場レポート
音楽ドキュメンタリー映画監督・川口潤さんの現場
B4ズームレンズやシネレンズで
ライブを撮る
レンズの個性を明確にするGH5Sの高画質
Report_編集部
音楽系のドキュメンタリー映画やライブ撮影などの仕事の多い川口潤さんのGH歴は長く、初代のGH1から。その前はDVX100を愛用してきて、GH1は安価で小型軽量、AVCHDで撮れるということで、実験的に導入したら自分のスタイルにあっていて、その後GH2、GH4と使い続けてきた。2016年に公開されたドキュメンタリー映画「オールディックフォギー/歯車にまどわされて」はGH2からGH4で録られた素材をまとめたもの(DVDはAmazonで購入可。http://amzn.asia/cMibind)。
そのオールディックフォギーのライブがあるということで、GH5Sにいつものレンズを組み合わせて撮ってもらうことにした。川口さんは前知識なしでGH5Sに手持ちレンズをつけてみて、画角が広がっているのに気がついた。GH5SはGH2以来のマルチアスペクトの採用で画角が広がっているのだ。狭いライブハウスでは引きが取れないことが多いのでこれは嬉しいと言う。17:9のC4Kムービーとも合わせて使えそう。
▲ステージ上に置いて固定撮影。レンズはCマウントのシネレンズ。
▲音声はシュアのVP83F、ズームH1でデュアル記録する。ステレオとガンの両方の音声を押さえられる。
▲GHではいつもフォトスタイル「ナチュラル」で撮っているので今回も同じ。ドキュメンタリーでは記録容量を減らすためAVCHDを選ぶことが多いが、今回はAVCHDと4K 23.98p(8bit)を試した。
▲今回の撮影ではGH5とGH5Sを用意。最近1万円以下で入手したというB4マウントレンズFUJINON A15×8BEVM-28BをB4-MFT変換アダプターろ利用して装着。レンズのエクステンダーをONにするとちょうどけられない。レンズに電源は供給せず、ズーム、アイリスともにマニュアルで操作する。
GH5Sの良さは撮り始めてすぐファインダーを覗いている段階で分かった。最初は4Kだからかと思って普段のAVHCD記録でも撮ってみたが、HDであってもレンズのニュアンスを伝えてくれる画質の良さはGH4とは比較にならない。今回、古いCマウントのレンズや一眼用のオールドレンズ、B4マウントのズームレンズなど多種多様なレンズを試したが、低価格の標準ズームLUMIX G VARIO 14-45mm/F3.5-5.6 ASPH./MEGA O.I.S.であってもGH4より奥行き感が出てくる。それぞれのレンズの個性も、より明確に描き分ける印象だ。
昔は8mmフィルム素材を混合したミュージックビデオも多く、川口さんも数台所有している。予算があれば16mmが使われることもあった。これからは16mmではなく、GH5Sがその代わりになる。「これは欲しいですね。Cマウントレンズのルックが16mmのBOLEXカメラみたいだし、制作者のモチベーション上げてくれるカメラです」。
●Cマウントのシネレンズで撮影
●B4マウントのFUJINONズームが意外に便利だった
●一眼用のオールドレンズでも撮影