各メーカーがしのぎを削って新製品のワイヤレスマイクを発売する中、常に最新技術を投入するHOLLYLAND。ちょうど一年前に発売された「HOLLYLAND LARK M2」の新型が今回発表されたので、「HOLLYLAND LARK M2S」についてレビューしていく。

 

レビュー●岩本あきら

 

3種類のセットと価格

  • LARK M2S コンボ(カメラRX + USB-C RX + USB-C to Lightning変換ケーブル付き):24,200円(税込)
  • LARK M2S ミニコンボ(カメラRX + USB-C RX付き):23,200円(税込)
  • LARK M2S USB-C RX付き:19,800円(税込)

やっぱり気になる!「LARK M2」と「LARK M2S」との違いについて

まず、大きな違いは、マイク(送信機)の外観、形状。素材にもこだわり、チタン合金を採用し、強度、耐久性にも優れています。加えて、「LARK M2」は9gであるのに対して、「LARK M2S」は7gとさらなる軽量化を実現しています。

送信機(マイク)

また、受信機のデザインが変更され、クリップの形状から、コールドシューに刺すだけのタイプに変わっており、カメラはもちろん、アクションカムのマイクとしてもかなり使いやすくなっています。

受信機

ボタンの数も最小限に抑えられていて、ゲイン調整をはじめ、ノイズキャンセリング、ステレオ、モノラル切り替えも簡単にできるようになっています。

バッテリー駆動時間は、LARK M2と比べて1時間短くなっていますが、送信機単体で約9時間、完全に充電された専用ケースを使うと合計で30時間まで延長可能です。

 

考え抜かれたマイクの形状

一番最初に驚いたのがやっぱりLARK M2Sのマイクの形状です。

LARK M2はマグネットのみでとめるタイプだったため、服装によってはマイクを付けるのが難しかったり、落下の危険もありましたが、今回のLARK M2Sに関しては、挟み込むタイプに変わっています。

厚手の服での取り付け例

実は、これがめちゃくちゃ使いやすくて、挟み込める物だったらどこにでも付けられるし、1cmくらいの厚手の服でも問題なく付けることが出来ます。

また、メーカーロゴも隠せるのでマイクの主張も減り、目立ちにくくなっている点も嬉しいところです。

 

小型のマイクで最低限必要なスペック

今回のLARK M2Sに関しては、LARK M2にSが付いたモデルなので、マイナーチェンジ的な新製品かと思います。スペックについても、LARK M2とほぼ変わっていません。

LARK M2Sは、300mの伝送距離、最大24ビット/48kHz のサンプリングレート、70dbの信号対雑音比(SNR)、116dbまでの音圧レベルに対応。

素材、形状の変更、小型化を実現しつつも、音質は悪くなっておらず、ノイズキャンセリングの性能は多少上がっている印象です。

 

ライバル機 DJI Mic Miniとの比較

DJI Mic Mini(左)LARK M2S(右)

まず、重さがDJI Mic Miniが10gに対して、LARK M2Sが7g。マイクの固定方法がクリップ、マグネットのDJI Mic Miniに対して、挟み込む形のLARK M2S。

スペック的にもかなり似通ったマイクかと思います。大きな違いは、DJIのアクションカム、OSMO ACTION 4、5 Pro、またOSMO POCKET 3、iPhoneにもBluetoothで繋がるDJI Mic Miniに対して、HOLLYLAND LARK M2Sに関しては、ケーブルでの接続になる点です。

このあたりは、DJIは関連商品との連携が強い印象を受けました。DJI製品を持っていない方やケーブル接続でも良い方は、マイクの付け方の違いや音質が好みであれば、HOLLYLAND LARK M2Sもおすすめです。

最終的には音質の比較になると思うので、こちらの動画を参考にしてみてください。

 

使ってみて気になった点

持ち運びに困ったウインドスクリーン

一番困ったのが、ウインドスクリーン。これがかなり付けづらいのと、外した時の収納に困りました。本体、付属品を収納するポーチは入っているものの、スマートではありません。

カメラ用のケーブルも同様に、充電ケース内にウインドスクリーンを装着した状態でも収納できると良かったのと、ケーブルも入るようになっていると持ち運びの時に楽かなと思いました。

 

総評とまとめ

スペック的には大きな進化はありませんでしたが、全体として、良いワイヤレスマイクに仕上がっていると私は思いました。これまでにない形状にし、使い勝手も良くなって、ロゴを見せない点についてもユーザー目線からはありがたい内容でした。使用するユーザーに向けて設計、開発が進められていると感じました。

バックアップ記録、32ビットフロート録音については、今後出てくるであろう上位モデルに期待。

先々は、このコンパクトモデルについても32ビットフロートにも対応したモデルが出てくるとは思いますが、現時点でバックアップ記録や32ビットフロートが必要ない方にとっては、とてもおすすめできるワイヤレスマイクかと思います。

 

岩本あきら

愛知県名古屋市出身。奈良県在住。
自分探しの旅にアメリカ ロサンゼルスへ。様々なシンクロから帰国後「映像クリエイターになる!」と決め、WEBクリエイターから映像クリエイターに転身。合わせてYouTubeでの発信を開始!流れに身を任せ、Z50 を手にした瞬間、ニコン Zに運命を感じ、Zシリーズを使って映像制作(PR動画、PV、ポートレートムービーなど)を行なっています。ジンバルを使った映像を得意とし、YouTubeでの発信、機材レビューなども行なっています。

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