
レポート◉takumifone
iPhone 15 Pro、iPhone 15 Pro Maxから登場したApple Logをきっかけに、スマートフォン向けのアクセサリーが続々と登場する昨今。USB-CポートがひとつしかないiPhoneに外部マイクやSSD、モバイルバッテリーを同時接続するためのUSB-Cハブも様々なメーカーから販売されています。
そして今回、SSDなどを販売するNextorageから「世界初」のPDPアダプターが販売されました。
PDPアダプターって?
簡単に言うと、映像の出力、SSDなどへのデータの転送の両方ができるUSB-Cポートを搭載したUSB-Cハブ。通常のUSB-Cハブですと、ひとつの同じUSB-CポートでDisplayPort Alt Modeによる映像の出力と、SSDなどへのデータ転送の両方を行うことはできません。

こちらはTILTA Khronos Khronos Quick Release USB-C Hub (TK-QRUH) USB-Cハブ。
HDMIポート、USB-Cポート、音声モニタリング用の3.5mmオーディオポートを搭載するUSB-Cハブです。こちらのハブはHDMIポートからの映像出力が可能ですが、USB-Cポートから映像出力をすることはできません。

NextorageのPDPアダプターにはDisplay Port兼データ転送のUSB-Cポートがオスとメスひとつずつ、PD充電用のUSB-Cポートがひとつ搭載されています。このNextorageのPDPアダプターの技術は特許が出願されており、同メーカーによると世界初とのこと。いかに実現が難しかったかが伺えます。
iPhoneと一緒に使用するとこんな感じ
iPhoneに接続して使ってみようとするとこんな感じになりました。

NextorageのSSDからUSB-CケーブルでPDPアダプターに接続し、PDPアダプターのオスUSB-CポートでiPhone 16 Pro Maxに接続しています。

こうすれば、撮影しながらApple ProResの大容量データをSSDに転送し、同時にモバイルバッテリーなどによるiPhoneの充電が可能です。またHDMIケーブルをUSB-Cに変換するアダプターを使用すれば、外部モニターに映像を出力することが可能です。

リグなしでiPhoneと使用するとこのような感じです。

同社からリリースされているNMP-HC1HDMIワイヤレスアダプターを使用すれば、PDPアダプターのUSB-Cポートから出力されている映像データをワイヤレスで送信出来ます。ただ、こちらのアダプターは5GHz帯を使用するので、電波法により屋外での使用が禁止されているのでご注意ください。
iPhone、シネマカメラ関係なく、クライアントワークになってくるとショットごとの出来をクライアントに確認を取ることが必要になってきます。その際にショットごとに毎回クライアントからOKをいただくのは時間がかかりますし、クライアントの負担になります。室内限定ですが、そういった時の解決策として、このPDPアダプターは大いに役立つでしょう。

Blackmagic Cameraなどのサードパーティーのアプリを使用すると、HDMIの出力画面を細かく設定できるのでおすすめです。
可能性は無限大
1年365日、映像とiPhoneographyのことを考えていると、SSDやモバイルバッテリーを見た瞬間、どんなリグを使ってiPhoneに接続しようかを考えてしまいがちな筆者ですが、他にも様々な使用方法があります。

iPhoneではなくモバイルゲーム機に接続し、充電をしながらSSD内のゲームをしたり、別売りのワイヤレスアダプターを使用してPCやiPhoneからの画像をモニターにワイヤレスで飛ばし、会議に使用することも出来ます。プロの映像制作者からオフィスワーカーまで、こちらのPDPアダプターはいかがでしょうか?