日本サムスンは11月19日、東京・赤坂にある東京ミッドタウンにて、今年で4回目となる「Samsung SSD Forum 2019 Tokyo」を開催した。今年から一般の参加も可能になり、今後ますます必要とされるSSDの可能性を知ることができる展示と講演を行なった。
IoTやAI、5G、自動運転技術と聞いても、SSDとは何の関係もないことのように思えるが、共通するのはどれも大量の情報を扱うもの、ということ。つまり、データを大量に保存し、高速に処理する必要がますます高まっており、より高性能なストレージが求められており、SSDの出番となるわけだ。
身近なところでは、4K8K衛星放送開始、ゲームや映像等のコンテンツも高容量化・高解像度化しているのはご存じの通り。サムスンが最先端のNAND Flashを搭載した幅広いラインナップのSSD製品を準備しているのは、こういった時代の変化に対応できるようにするため。
会場ではポータブルSSDからサーバー関連まで最先端の展示が行われたが、ここではいくつかピックアップして展示内容を紹介する。
●カメラのUSB端子にSSDを接続することで、高いビットレートでも長時間記録が可能になり、一気に4K以上のRAW収録まで広く普及させた。SSDの果たした役割は大きい。
●4K8K編集において、作業データを保存するストレージの性能は不可欠。CPUやGPUを高性能化しても、足を引っ張る要因になるからだ。その意味ではSSDの大容量・低価格化により、高解像度編集が一般のものになったと言えるだろう。
●SDカードとは別の規格として導入が進められているのが、リムーバブルメモリーカード「UFSカード」。UFSは「Universal Flash Storage」の頭文字をとったもので、大きさはmicroSDくらい。
展示されていたUFSカードは最大読み込み速度が500MB/s、書き込み速度が200MB/sとされており、この値は、現在発売されているmicroSDカード比で、読み込みで5倍、書き込みで約2倍の性能。展示ではPCからカードへのファイルコピーの時間を比較していたが、microSDカードで51秒かかったものが、UFSカードでは7秒で終了した。撮影機器に採用されるまで市場を拡大していきたいということだった。64GB、128GB、256GBの製品が展示されていた。
●「Z-SSD」は、現在主流のNANDフラッシュメモリーを搭載する通常のSSDに比べ、アクセスの遅延時間(レイテンシ)が短いの特徴。インテルのOptane SSDと同じポジショニングの上位版SSDで、一般への普及が期待されている。また、新しいPCI Express 4.0接続対応のSSDも展示。