ソニーストアが地元のクリエイターと繋がりながらイベントを開催してる事例は、ソニーストア福岡天神の事例をご紹介したが、今回は名古屋。7月12日、ソニーストア名古屋のイベントスペースにおいて、「αマルシェ」というイベントが開催されたのでそちらの模様をレポートする。(編集部 一柳)

ソニーストア名古屋は、名古屋の中心街、栄の地下街からすぐに入れるビルの3階にある。エレベーター前が多目的イベントスペースになっていて、誰もがふらっと気軽に入りやすい場所で、αマルシェvol.2が開催された。ソニーストアならでの98V型の巨大なモニターがお出迎え。
ソニーストア名古屋の大倉史津己さんにお話を伺った。
「αマルシェは第1回目を昨年2024年の11月に開催して好評だったので、第2回目を企画しました。最初にαアカデミーの講師をしていただいているReiji Shioyaさんにご相談したところ、自分の作品だったり、他のクリエイターの方の作品を表現する場がなかなかないという話をうかがいまして、我々としてもそこを応援する機会や場所を提供したいと思ったのがきっかけです。そこで、この多目的イベントスペースをクリエイターの方にお貸し出しするサービスを開始しまして、最初は小規模の展示から始めていたんですけれども、Shioyaさんからもう少し大きなイベントが実現できるというお話を提案いただいて、今回の「αマルシェ」という企画に至りました」
動画であれば、YouTubeやInstagramなどオンラインでコミュニケーションをとればいいのでは? とつい思ってしまうが、やはりリアルな場所があったほうがいいということなのだろうか?
「やはり、顔を合わせて直接交流したいという思いがあるようです。地元で活動していても、クリエイター同士が出会う機会は意外と少なく、知り合いになりたいと。同じソニーのカメラで何か作っている人が何をしているかも知りたいし、自分の作品もより多くの方に知ってもらいたいということだと思います。ソニーストアとしても一定の集客ができ、広報面でもサポートできる部分があったため、私たちにできるかたちでご協力しています」

実際にソニーストアでは商品を購入することができるし、プロサポート登録をすれば、レンタルや修理などの専門的なサポートを受けることができる。来場者の目的のメインはやはり購入相談とのこと。名古屋にもカメラの実機が触れるカメラ店はあるが、ソニーストアには豊富なレンズを試せる環境や、専門知識を持つスタイリストに直接相談できるというメリットがある。ここに来ればそういった相談をすることができるだけではなく、他のユーザーと知り合いになったり、情報交換ができるような、集う場としての役割を果たしていきたいと大倉店長は言う。
ちなみにプロ登録しているカメラマンは圧倒的にスチルのフォトグラファーが多く、動画専業はそれほど多くないそうだが、動画ユーザーは特に若い世代を中心に増えており、その需要をこれから作り上げていきたいと言う。
今回のイベントは、DJ、アーティストによるライブ、トークセッション(アーティストと映像クリエイター)を3回繰り返す構成になっている。映像クリエイターが自分たちの機材を持ち込んで、アーティストのライブを複数台のカメラで撮影していて、その模様は、後ろのモニターに映り出されるだけでなく、ライブ配信もされている。来場者は入場無料で、希望者は入り口のところでカメラを借りて、アーティストを自由に撮影することができる。


このイベントを中心になって企画・実行しているのがReiji Shioyaさん(@reijishioya)。今回は5組のアーティストと6人のビデオグラファーが参加しているが、その起点となっている。元々バンドをやっていたShioyaさんは、アーティストの写真を撮るところからスタートして、そのうちミュージックビデオやライブムービーを制作するようになった。そのつながりもあって、アーティストに出演を呼びかけ、またその人たちがその知り合いを呼んでという感じで出演者が決まっていった。ビデオグラファーのほうも、知り合いに声をかけ、その紹介や、映像コミュニティで声をかけて集まった6名が参加。すべて名古屋を中心した東海地方のアーティスト、ビデオグラファーだ。

「今回のイベントは、出てくれるアーティストのファンの方が来てくれるのにプラスして、ソニーストアに来場されるようなカメラに興味のある方がカメラを体験できるということを同時に叶えるというイベントになっています。というのも、単にカメラを触るというだけでなく、カメラを向けた時に被写体があったほうがどうやって使うのかというイメージがしやすいと思うんです。そのためにアーティストさんに向けて自由に撮っていただいてもいいという場になっています」


ビデオグラファーたちは自分たちの機材を持ち寄って、ライブ撮影。その映像は一旦スイッチャーに入れて、アーティストの背後にあるモニターに映し出すだけでなく、ライブ配信をしていた。その機材について、来場者は自由に質問したり、自分で操作することもできる。





照明も自分たちで行なっている。ShioyaさんがMV撮影に使うような機材を持ち込んだ。

アーティストとビデオグラファーのトークイベントの様子。



参加したビデオグラファーは以下のとおり(敬称略)。カッコ内はInstagramのリンク。
Reiji Shioya(@reijishioya)、Nぞー(@nzo_outdoor)、中川将治(@weenie01)、上川央貴(@901_squadron)、Micchi(ミッチー)(@micchidesign)、SUGITOKANA(@sugitokana)
イベントの中で、ビデオグラファーの作品を見せるような時間帯は基本的にはないのだが、会場の右側の2台のモニターでループで参加者の作品を流していた。

Shioyaさんは、「このイベントにアーティストの音楽を目的で来たけど、ちょっとカメラいいなあと思ってくれたら嬉しいですし、逆も然りです。映像を始めたいんだけど…という人の背中を押せるようなイベントになればいいですね」という。「この東海地方にクリエイターをいっぱい作りたいというのが僕の夢ですね。夢というとちょっと大袈裟なんですけど、繋がりがあれば紹介してくれる人も広がっていくと思うので、いろいろな人を巻き込んでやっていきたいと思っています」
Shioyaさんはソニーストア名古屋でトレーナー講師もやっているので、もし繋がりたい人はソニーストア名古屋経由でもいいので連絡してみるといいのではないだろうか。
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