ソニーPCLがクリエイターのニーズに幅広く対応し、コンテンツ価値の最大化に貢献することを目的に開設した「Visualisation Core」。6月14日に行われたスタジオの内覧会の様子をレポートする。

取材・文●編集部 伊藤

「Visualisation Core」とその設備

スケジュール、ワークフローに応じて機能や目的に限定されないスタジオ構成とフレキシブルなポストワーク実現のために開設。オフライン編集にも対応したマルチルーム、アフレコ収録可能なマルチブースなどを備えている。

■マルチルーム(6室)
オフライン編集からエミュレーション、QCに対応できるマルチルーム。オフライン/オンライン編集、グレーディング、サウンドデザイン、エミュレーション、プレビュー、QCなどを1つの部屋で実現し、フレキシブルな運用により制作効率の向上を図る。

■編集・グレーディングルーム(6室)
CM編集、ドラマ編集、番組編集、グレーディングなど、フレキシブルに機能をニーズに合わせて割り振ることができる。

■MAルーム(2室)+マルチブース
イマーシブ対応MAルーム、5.1ch対応MAルーム、マルチブース(アフレコ、ナレーション、フォーリー)を備えている。

▲スタジオのフロアマップ
▲「Visualisation Core」を活用したワークフローのイメージ

 

各スタジオの様子

▲イマーシブMAルームの様子。画像はソニーPCL公式より。

イマ―シブMAルームでは、イマ―シブオーディオコンテンツ制作で培ってきたノウハウとシステムを活かし、全チャンネルFull Range再生で精細なスピーカー配置を実現。対応フォーマットはDolby Atmos、360 Reality Audioなど。各種イベントやOTT配信コンテンツの制作が可能。さらに、4K HDR映像を見ながらの作業もできるそうだ。

 

▲マルチブース

続いて見学したのはアフレコ収録ができるマルチブース。スタジオには最大で4本のマイクを立てて収録することが可能。208、210のどちらのMAルームからも音を収録することができる。

▲マルチブース内では、作品に使用するフォーリーサウンドの収録も可能。床のピットにはコンクリートや鉄などの材質が埋め込まれており、足音の収録ができる。

 

▲デモ時の画面。左側がスクリーンプロセスでのプレビュー、右側には「清澄白河BASE」のバーチャルプロダクションスタジオの様子がリアルタイムで映し出されている。

マルチスタジオでは、「清澄白河BASE」とVisualisation Coreをリアルタイムでつなぎ、専用回線でのデータ転送するデモを見学。「Auto DM」というソリューションを使用することで、映像素材と音声をタイムコードに合わせて自動貼り付けすることや、On Set Look LUTを自動で適用し、撮影現場でモニタリングした色を変換することなどが可能。

 

▲実演をしたマルチスタジオ。画像はソニーPCL公式HPより。

最後に、別室のマルチスタジオに移動し、グレーディングとオンライン編集の共同編集による活用事例を実演。編集ソフトにDaVinch Resolveを使用することで、このようなワークフローを実現できるという。

 

住所
東京都港区港南1-7-18 A-PLACE品川東 2F

ソニーPCL株式会社
https://www.sonypcl.jp/