4chHDスイッチャーにもなる モニター一体型レコーダー コンバージェントデザインApolloって?


apollo_tobira.jpg
取材・文●川井拓也(ヒマナイヌ)
Apolloは4K RAW記録が可能なモニター型レコーダー。4chのHDスイッチャーとしても使える。ハードウェア性能や装備端子は既発売のODYSSEY7Q+(33万円)と共通。ODYSSEY7Q+も有償のアップデート(25万円)でAPOLLO同様スイッチングに対応できる。
convergent-design-apollo-angle-1000px.jpg
▲映像や音声の入出力端子は画面下の部分にまとめて配置されている。HDMI入力を備えるが、SDIのAチャンネルと排他接続になる。

究極にコンパクトなHD-SDIスイッチャー

 Apolloはパッと見るとアトモスSHOGUNやNINJA ASASSINのようなモニター型レコーダーに見えるが、実はスイッチャーにもなると言うのだ! しかも4入力すべてをパラで録画しながらさらにスイッチング後のプログラムアウトの映像も本体のSSDに録画できる。つまりこれは5台分のProResレコーダーにスイッチャーが内蔵されているのと同じなのだ。56万のレコーダーと聞くと高価に感じるかもしれないが、10万のProResレコーダーが5台と6万円の4系統HD-SDIスイッチャーと考えると激安である。
apollo_switch.JPG
▲スイッチング操作は画面をダブルタップ。記録メディアは2.5インチSSD。メーカーでは純正のSSDを推奨しており、1TBは12万円。512GBが6万円。256GBが3万円となる。モニターは有機EL7.7型(1280×800ドット)。
●スイッチャー機能の起動方法
apollo_multi.jpg
▲画面左上の歯車マークをタップして「SET UP」で「MASTER CAMERA」を「MULTI-STREAM」に設定すると「APOLLO(QUAD RECORD)」が現れるので、これをタップして本体を再起動する。
 そもそもどうやってスイッチングするのか? 画面はプログラムアウトのみの表示も可能だが、4分割表示でそれぞれの入力ソースをフルフレームでモニターできる。タッチパネルで一度タップするとその入力の映像が黄色に、もう一度タップすると赤になりスイッチングされる。別の画面を誤って触ってしまってカットが切り替わってしまうことを防止するユニークな方法だ。ローランドのVR-3/VR-3EXの操作感にとても似ている。音は入力Aに入っている音をマスターにする仕様。オーディオフォローなどの機能はないが、あらかじめ1カメに音声をエンベデッドしておけば問題ないだろう。音のディレイ機能はないが今後のファームウェアで対応予定とのこと。PinPやスプリットなどの機能はない。
●スイッチング映像を録画できる
apollo_recording_status.jpg
▲RECボタンの隣をタップすると「RECORD STATUS」が立ち上がり録画設定を行うことができる。「RECORD STREAMS」をタップすると、「ABCD入力のパラレルREC」、「ABCD+スイッチング後の映像」、「ABCD+4分割画面」のいずれかを選択できる。
●再生画面
apollo_play.jpg
▲画面上の「REC→PLAY」で再生モードに。記録したファイルは上のようにリスト表示され、右横にあるA、B、C、D、LS(スイッチングした映像)を切り替えて、各ストリームの映像を視聴する。

5chの録画はどう記録される?

 4系統の入力とプログラムアウトは5つの映像ファイルとして記録されるわけではない。なんと1つのファイルとして記録される。これは5つの映像が重層されている特殊な形式で、これをPremiereやEDIUS等の編集ソフトで読み込むことはできない。下で紹介している無償提供ソフトで5つのQuickTime形式に書き出すという方式だ。それだけ聞くと書き出しに膨大な時間がかかりそうなイメージがあるが、実際は元のファイルをコピーする時間の1.2倍程度らしい。ファイルシステムはFAT32なので、4GBごとのファイルは分割されるが、それによって欠落するフレームはない。記録メディアはSSDで2スロットあるので片側がいっぱいになったら、リレーさせてキャディを交換することもできる。冷却ファンがない構造なので静かなのもうれしい。
 液晶は1280×800ドットでフルHD解像度はないが7.7インチの有機ELなので非常にクリアだ。モニターとしての機能は各種スコープからフォーカスアシストまで充実しており、さすが業務機の貫禄といったところ。これまで販売されてきたODYSSEY7Q+にプラス25万でAPOLLOのスイッチング機能を追加することもできるという。マルチカメラ収録の大半はカットつなぎのスイッチングであることを考えると現場の機材を大幅に減らし軽くしてくれる実に面白い機材だと感じた。
●パラレルREC+スイッチング後の映像は
QuickTimeの1ファイルで保存される

1.ssd_forder.png
▲記録したSSDのフォルダ構造。ファイルシステムはFAT32なので4GBごとにファイルが分割される。
2_SSD_forder_naka.png
▲フォルダの中身。ABCD+スイッチング映像の5ストリームが一つのmovファイルとして記録される。
●無料ソフトで1ファイルを5つのファイルに分割する
4_CD%20ProRes%20Transfer.png
▲無償提供のソフト「Convergent Design ProRes Transfer」を使ってパソコンに転送すると、4GBで分割したファイルを結合し、上のように1ファイルに記録された5ストリームの映像を別々のファイルに分割できる。ソフトの操作はソースと保存先を指定して「Transfer」ボタンをクリック。転送時間はドラッグ&ドロップで転送するのに比べて1.2倍ほどになるという。
apollo_tensogo.png
▲転送後のフォルダ。1ファイルが5つのファイルに分割された。


(ビデオSALON2016年2月号より転載)
http://www.genkosha.co.jp/vs/backnumber/1542.html
●コンバージェントデザインApolloの製品情報(テクノハウス取り扱い)
http://www.technohouse.co.jp/products_details.php?productName=apollo