”使える”アクセサリー発掘&調査部①マンフロット befree live


毎日持ち運べる携帯性抜群の三脚

 

レポート◎池野一成 

 

ビデオ撮影の三脚選びはいつも悩ましい。撮影時には大きくて重いほうがいいが、移動時には少しでも軽いほうがありがたい。載せるカメラがデジイチやミラーレスに代わる今、適正搭載重量のバランスなども気になるところ。
そのような環境で、特に小型軽量タイプの三脚にはこれはと思う製品が少なかった。今回取り上げるマンフロットのbefree liveはまさにそういうニーズに応えるビデオ三脚だ。「トラベル三脚」というだけあって、この三脚の特長はその携帯性にある。収納する時にセンターポールを伸ばした状態で脚と揃えるように折りたたむことで全長40㎝にまとめている。その収納時のコンパクトさと付属のケースに入れて1.8㎏という重さは、持ち運びにまったくストレスのない存在と言える。
驚いたことに、私はいつも大きめのビジネスバックを持ち歩いているのだがその中にケースごとすっぽりと収まってしまった。バックの耐荷重などから常日頃持ち歩くというわけにはいかないが、電車移動などの時、荷物をひとつにまとめられるのは嬉しい。

手持ちのビジネスバック(B4サイズの書類が入る)にケースごとすっぽり入った。デジイチのボディと交換レンズ2~3本も一緒に入りそうだ。

 
収納時にはプレートを外して収納するように説明してある。試しにプレートを付けたまま折りたたみケースに収納してみたら、何とか押し込むことができた。プレートをカメラに取り付けたままにすればいいのかもしれないが、紛失などに気をつけなければならない。できれば三脚ケースにカメラプレートを入れるポケットを付けてもらえればなお良いのだが…。

三脚の収納は、カメラプレートを外した状態でセンターポールを引き上げ、脚の付け根のロック機構を収納時ポジションにし脚を縮める。そしてセンターポールを包むように3本の脚を反対側に(写真では上側に)折りたたむことで約40㎝の大きさに格納される。

 

小さいながらもビデオ三脚として使える性能

脚は4段で、伸ばしてみてると取り付け部分の構造や締め付けるロック機構が安定していて剛性も納得のいくレベル。スリムなヘッドの下にはコンパクトなレべリング機構があり、水平出しはセンターポールの根本を握りこむようなスタイルで行う。このサイズの機構としては意外と操作しやすく、水平をとるのにストレスがない。
小型のヘッドには、カウンターバランスはないが本格的なフルードヘッドが採用され、チルトのロックネジも大きく操作がしやすく、止めた時のブレもほとんどない。ビデオヘッドとしては最低限のところかもしれないが、滑らかなカメラアクションを実現しているところは高く評価できる。

ティルトは-90°から+65°の範囲に対応。つまり真上は撮影できるが真下は撮影できないのだが、カメラプレートを逆に取り付けパン棒を取り外すことでそれも可能になる。

ただ、最大搭載重量は4㎏とあるが、2㎏程度のカメラを載せるとやはり動きが軽すぎる。ここはカウンターバランスのない怖さが先に立つ。しかし固定ということに関しては、ロックした後の動きも少なく目的の位置で固定できる点には合格点を出してあげたい。

ヘッドの取り付けは太ネジを採用。レベラーがセンターポールに組み込んであるので他のヘッドとの組み合わせも可。脚の開きは2段階(収納ポジションのほか22度/51度)。

 

「普段使いにぜひ1本欲しい」と思わせる存在

今回、映像を学ぶ学生にも聞いてみたが、グループで作品制作というシーンでは大きな三脚をチョイスするが、普段デジイチやミラーレスを持ち歩く彼らは、小型軽量の安い三脚を、自分で購入し一緒に持ち歩いているという。だがそれはカメラを固定するためだけでパンやチルトには向いていないと割り切っているという。そこでこのbefree liveを使わせてみたが、パンやチルトがストレスなくできるので普段の持ち歩き用にぜひ1本欲しいと声が上がった。
要は、三脚はたとえ持っていても撮影の現場になくては意味がなく、重いため普段持ち歩くことはない三脚とは別に、カジュアルに持ち歩くことのできる三脚は映像制作のクオリティを高める重要なアイテムになるはずだ。
また本格的なロケでも小型カメラをセカンド、サードカメラとして活用する今の撮影シーンでは、このような小型の三脚は一本欲しいところ。きちんと水平がとれローアングルから撮影できるこの三脚は、旅先だけでなく撮影現場のプラスアイテムとしても活躍するだろう。

手に持つとそのコンパクトさを実感する。ストレスのない大きさだ。斬新なアイデアと使いやすいレべリング機構の組み合わせは高く評価できる。できればカーボン素材の製品も見てみたい。

 

befree live
¥34,000

●素材:アルミニウム
●最大耐荷重:4kg
●最低高:43cm
●全伸高:151cm
●格納高:40cm
●雲台タイプ:ビデオフルード雲台
●脚段数:4段
●重量:1800g
◎マンフロット befree live 問い合わせ◎03-5404-6871
info@manfrotto.jp

vsw