航空カメラマン・野口克也の 前略、空からお邪魔します vol.34 より操縦しやすくするための プロポ・カスタマイズ術<前編>


vol.34 操縦しやすくするための プロポ・カスタマイズ術<前編>

文●野口克也(HEXaMedia)

東京都生まれ。空撮専門会社「株式会社ヘキサメディア」代表。柴田三雄氏への師事の後、ヘリコプター、モーターパラグライダー、無線操縦の小型ヘリなど、空撮に関わるすべての写真、映像を区別なく撮影。テレビ東京系地上波『空から日本を見てみよう」、BS JAPAN『空から日本を見てみようPlus』などTV番組やCM等の空撮を多数手がける。写真集に夜景の空撮写真集「発光都市TOKYO」(三才ブックス)など。http://www.hexamedia.co.jp/

 

ドローンを操縦する上では、頭で思い描いた動作をそのまま反映できるプロポを使うのが理想的です。昨今の空撮の現場ではDJI製ドローンが使われることが増えています。以前まではサードパーティ製のプロポが多く発売されていたのですが、現状は送受信や伝送システムの都合上、DJI純正のプロポを選ばざるを得ない状態です。

手や指の大きさや動かし方、飛行スタイルなどによってはメーカー純正のプロポでは使いづらいという人も出てきます。今回のテーマは、純正プロポをいかに使いやすくカスタマイズできるか? 今回は筆者が行なっているカスタマイズの例を紹介していきます。

 

操縦スタイルとストラップ

操縦スタイルは人によって変わりますが、右ページ写真のように大きくは2つのパターンがあります。一つはプロポを両手で鷲掴みにして親指のみで操縦するもの。もう一つは親指と人差指でスティックをつまんで操縦するものがあります。

筆者は後者になるためプロポをストラップなどで首から提げることが必須になります。ストラップはInspire以上になると製品に同梱されますが、PhantomやMavicなどは別途オプションになります。DJIのストラップにも2種類ありますが、首から提げるものよりも、たすき掛けで留めるもののほうが安定します。

 

ストラップはたすき掛けタイプ


▲DJIのストラップ(1300円)。たすき掛けのようにして肩にかけて使う。両手を離しても安定するので筆者の操縦スタイルでは首掛けタイプのものよりも安定して使える。

 

操作スタイルとスティックの長さ

Phantom、Inspireなどの標準のプロポは、ダブルネジになっていて、ある程度長さを調節できます。親指一本の操縦スタイルでは比較的短く、つまむ操縦スタイルでは比較的長くなるように調節します。もっと長くしたい場合はサードパーティ製スティックヘッドで拡張することもあります。

私の場合は親指、人指し指に加えて中指も使ってつまむスタイルなので、太くて長いモノに交換することが多いです。「これのほうが良い!」と一概に言えるものではないため、数種類購入してみて、ご自分の操縦スタイルにあったものをチョイスしましょう。

操縦スタイルは主に2パターンある


▲スティックの持ち方は主に写真のように2パターンある。どちらが操縦しやすいかはユーザーの好みだが、筆者は右写真のようにスティックを親指と人差し指でつまむ方法で操縦する。


▲写真左、DJI純正プロポのスティックの長さは調整できる。写真右はスティックヘッドをサードパーティのものと変更したもの。何種類か購入して自分にフィットするものを選んだ。

 

タブレットをつなぐUSBケーブルは短くて丈夫なものを

多くの人は標準プロポとタブレットという組み合わせで撮影をすることが多いかと思います。その場合は、プロポとタブレットをつなぐケーブルが必要となります。

iPadではLightningケーブルを使いますが、長いケーブルを使っていると、ふいにひっかけてしま                              って、ケーブルを断線させてしまったり、プロポ側やタブレット側の端子を損傷してしまうこともあります。

ケーブル一本と言っても侮れません。断線した場合、カメラ映像のモニタリングができず撮影の継続は困難になります。9.7や10.5インチのiPadでは30cmのケーブルが市販されています。短くて、ケーブル自身やコネクタが強化されているモノを用意しましょう。

また、市販のもので高耐久を謳っているモノでも、不良品や意外と早く壊れるものもあります。必ず複数本購入して、予備をドローンのケースに忍ばせておきましょう。

ケーブルは短いものがいい

▲タブレットとプロポをつなぐケーブルは短くて丈夫なものがおすすめ。写真はANKER製。

 

充電用アダプターが便利

DJIの高機能プロポCENDENCEの場合はバッテリーがなくなっても交換できるのですが、標準のプロポでは交換ができません。標準のプロポのバッテリー容量はそれなりにありますが、充電器がない環境で一日中撮影となると、プロポのバッテリー容量は心許ないものとなります。そこで、オプションとして売られているバッテリーからのプロポ充電アダプターが役に立ちます。使用していないバッテリーの電源を入れ、刺しておくだけで充電が進むので、撮影の合間などで充電することができます。

プロポの充電ケーブル


▲Phantom 4のバッテリーをつないでプロポに給電できるケーブル(713円)。

 

直射日光下の撮影に役立つ モニターフード

屋外の撮影現場ではモニターにフードを取り付けることが多いです。本格的な現場になればなるほど深いフードを取り付けていると言っても過言ではありません(笑)。タブレットは本格的な映像モニターと比較して、輝度が低い場合が多いので、屋外の現場が多い場合はフードは必須となります。構造的に難しいものではないので、プラ板やプラダン等で自作している方も多く見かけます。

 取り外しの機会が多いと市販品が使いやすいですが、大きさや形状等にこだわりがある方は自作するのも楽しいかもしれません。ただし、あまり大きなものをタブレットに装着すると、タブレットホルダーから外れやすくなるので、撮影現場や内容で数種類使い分けるのも良いかもしれません。

視認性を高めるフード


▲アメリカ製HOODMANのモニターフード(10,800円)。iPad、iPad Pro、 Air/Air2など9.7インチのサイズに対応する。

●ビデオSALON2018年11月号より転載