航空カメラマン・野口克也の 前略、空からお邪魔します vol.35より操縦しやすくするための プロポ・カスタマイズ術<後編>


vol.35 より操縦しやすくするための プロポ・カスタマイズ術<後編>

文●野口克也(HEXaMedia)

東京都生まれ。空撮専門会社「株式会社ヘキサメディア」代表。柴田三雄氏への師事の後、ヘリコプター、モーターパラグライダー、無線操縦の小型ヘリなど、空撮に関わるすべての写真、映像を区別なく撮影。テレビ東京系地上波『空から日本を見てみよう」、BS JAPAN『空から日本を見てみようPlus』などTV番組やCM等の空撮を多数手がける。写真集に夜景の空撮写真集「発光都市TOKYO」(三才ブックス)など。http://www.hexamedia.co.jp/

 

今回は前回、紹介しきれなかったプロポのカスタマイズについて引き続き紹介していきます。

緻密な操作と長時間使用で 重宝するプロポトレイ

だんだんマニアックなモノになって行きます。筆者は撮影現場で使う機体、その撮影内容、本気度などに応じて、「プロポトレイ」なるものを使用しています。

前号でも説明しましたが、筆者の操縦スタイルは親指、人差し指、中指でスティックをつまむようにして操縦するスタイルです。精緻な操作をする場合や長時間のフライト等にはこういったプロポトレイを活用しています。

これはアルミ製のケージで、しっかりした2点のストラップで保持しつつ、プロポトレイをお腹に当てることによって、プロポがブラブラせず、安定して使えるというモノです。筆者自身、未だに「コレだ!」というものに出会っていないのですが、現状は韓国のSECRAFT社から様々なパーツが発売されているので、カスタマイズして使っています。

プロポトレイを使う副次的な効果として、プロポのガードも兼ねるので、手が滑って落下させたとしても破損するリスクが少なくなります。ドローンを一台しか用意できない現場ではドローン本体とともに、プロポの損傷リスクも考慮する必要があります。

 

プロポトレイでさらに安定してプロポを保持できる

プロポトレイはSECRAFT社製。

▲純正のタブレットホルダーは使い続けるうちに緩んできてしまうことも。クランプで固定するタイプで緩みが少ない。


▲こちらのプロポトレイにはハンドレストを取り付けて、緻密なスティック操作がしやすくなっている。


▲プロポとタブレットを接続するUSBケーブルは、どこかに引っ掛けて断線や端子を傷つけたりないようにマジックテープで留めている。

プロポ本体のHDMI端子は 摩耗しやすい

単独で完結するような撮影では必要ありませんが、多くのスタッフが集まる現場では外部モニターを使用し、確認用に映像を出力することもあります。そんな時はプロポのHDMIケーブルから映像を出すことになります。

ただ、プロポ背面のHDMIポートはミニ端子となっており、構造的に弱く、ケーブルが引っ張られたり、何度も抜き差しを繰り返していると、次第に接触不良を起こしてきます。それを防ぐため、筆者はプロポには短いL字型のミニ➡標準HDMIの変換ケーブルを挿しっぱなしにして、変換ケーブル側の端子で抜き差ししています。これが摩耗してきたら、新しい変換ケーブルと交換します。この時注意したいのがL字の方向です。縦方向のL字だと他のポートに干渉してしまうので、よく確認してから購入しましょう。

HDMI端子の摩耗を防ぐための工夫

 

▲DJI製のプロポのHDMIはミニ端子。摩耗を防ぐためにL字型のミニから標準への変換ケーブルを使用。ケーブルはプラプラしないようにプロポトレイに結束バンドで留めている。

 

映像制作現場で重宝する HDMItoHD-SDIのコンバーター


▲HDMIをSDI端子に変換するためのコンバーター(変換器)。microUSB経由で電源供給ができるものとモバイルバッテリーを組み合わせて使用する。

HDMIからSDIへの変換器

映像制作現場の多くはHD-SDI端子のモニターやHD-SDIの無線伝送機器でモニターに飛ばして撮影中の映像を確認をすることが多いです。このため、SDI出力が好ましいのですが、DJIの高機能プロポ・CENDENCE以外はSDIの出力ポートを備えていません。

そこで、HDMIからHD-SDIへの変換器が重宝します。変換器はUSB給電で電源共有できるものとモバイルバッテリーと組み合わせると比較的安価に用意できるので、他の撮影と一緒になるような現場が多い方は重宝するかと思います。

 

プロポ用の三脚スタンド

主にカメラマンとパイロットの2人体制で操作する「2オペ」の際、カメラマンが使うものになりますが、プロポの下部に三脚穴を増設するためのマウントです。移動が少ない現場で、あるとカメラマン側では重宝します。ストラップなどで首や肩からプロポを提げると、映像を確認するタブレットやモニターの位置が低くなりがちです。これを三脚で高さを調節して、固定することで見やすい位置にタブレットを配置することができます。

つまむスタイルのスティック操作の方はストラップよりもデリケートな操作ができるようになります。ただし、移動が多かったり、足元が良くない現場で使う時は三脚の展開そのものが困難になることも。また、プロポに限ったことではないのですが、人の出入りが多い現場や風の強い場所だと、倒されてプロポが破損するリスクがままあります。現場のスタイルに合わせて使い分けることが重要でしょう。

 

モニタースタンド

これは筆者以外にまだ使っている人を見かけたことがないのですが、2オペの現場では、外部モニターをタブレット等とは別に三脚に設置することも多いです。

三脚だと高く上げても目の高さ程度なのですが、ライトスタンドとマジックアームを駆使して、見上げた高さにモニターを設置しています。屋内の撮影で機体から視線を外して手元のモニターを見づらい環境や、比較的真上に高く上げるような運用など、機体の位置をキチンと確認しながら、モニターを見たい時に重宝します。

2オペ撮影でカメラ担当が使うプロポとモニター用スタンド


▲マンフロットのライトスタンドとマジックアームを組み合わせたモニタースタンド。


▲三脚に設置したプロポスタンド。

 

ビデオSALON2018年12月号より転載