動画配信スタジオ 運営日誌 第11回 ローランドVR-1HDを使った 音声連動の自動スイッチング


第11回 ローランドVR-1HDを使った音声連動の自動スイッチング

写真・文◉川井拓也(ヒマナイヌ)

 

自動スイッチングの手法が大きく広がる音声連動のVR-1HD!

ローランドのスイッチャーに搭載されている「オートスキャン(自動スイッチング)」という機能をコンテンツ制作に積極的に活用することで、広がってきたヒマスタ型スタジオですが、新しくローランドから登場したVR-1HDはついにオートスキャンという機能名が「オートスイッチング」となって物理的ボタンになりました。

さらにこれまで端子を順番に切り替えていくという単純な機能だったものがマイクの音声レベルを感知してそれに合わせて任意のソースに切り替えていく新機能が加わったのです。

入力ソースを順番に切り替えていく従来のオートスイッチングでは1→2→3→4となるため人物が対面して会話をするというような切り返しアングルにカメラを設定しないと自動スイッチングがコンテンツとして成立しないという制約がありました。

ところがVR-1HDに搭載されている「ビデオ・フォロー・オーディオ」という機能を使えば、その制約がなくなります。例えばテレビバラエティのような出演者が横に並んで話している人にカメラが寄るという手法にも応用できるのです。下の接続図で見てみるとわかりやすいと思います。

音声認識自動スイッチングの接続図

▲ヒマスタに導入した音声認識自動スイッチングの接続図。

 

 

音声連動自動スイッチングの鍵はマイクのセレクト

ヒマスタはこれまでコストパフォーマンスや演者へのセッティングの簡略化を考慮してバウンダリーマイクを使ってきました。360度の無指向性マイクはまんべんなく音を拾う良さがあるのですが、近接していると複数のマイクに同じ音声が入力されます。

こうなると入力レベルが似てくるので音声連動の自動スイッチングには向きません。演者が近接しているけど2つのマイクに明確な入力レベルの差が出るようにするには指向性のラベリアマイクかダイナミックマイクを使う必要があります。今回はダイナミックマイクでテストしてみました。

ローランドVR-1HDの音声連動自動スイッチングをテスト


▲VR-1HDをダイナミックマイクを2本接続。カメラは3台使用してテストを行なった。実際のテスト映像はこちら。URL●http://bit.ly/vr-1hd_test

 

マイクとカメラを紐づけて音声連動の自動スイッチングを設定!

「ビデオ・フォロー・オーディオ」の設定は簡単です。マイク1に音声が入力されたらカメラ1に切り替える。マイク2はカメラ2、両方入力されたり無音になったらカメラ3という具合です。これだけで話している人だけにカメラがアップするようなテレビバラエティ的な自動スイッチングになります。

ダイナミックマイクを持っているとイベントのように見えるという欠点はありますが、演者が隣り合っていても音声が混ざらないので音声連動の自動スイッチングにはぴったりです。

音声認識自動スイッチング機能「VIDEO FOLLOWS AUDIO」の設定画面

▲AUTO SWITCHINGのメニュー画面。「TYPE」を「VIDEO FOLLOWS AUDIO」に変更すると右の画面が表示される。「TIME」はカットの表示時間。「MIC 1 SELECT」はINPUT1(カメラ1)、「MIC 2 SELECT」はINPUT2(カメラ2)、「SILENT SELECT」はINPUT3(カメラ3)と切り替わるように設定した。

 

従来の自動スイッチングもアップデートされ応用力が向上!

音声連動させない従来の自動スイッチングでもカメラごとの秒数を任意に設定できるようになり人物のアップは7秒に引きは5秒になどの緩急をつけることが出来るようになりました。「自動スイッチング」を駆使してスタッフゼロでもクオリティの高い対談や番組を制作していけるようになり、おもしろい時代になってきました!

次回はヒマスタ型自宅スタジオのムーブメントをご紹介します。

 

 

ビデオSALON2019年6月号より転載