多様化する映像クリエイターの制作スタイルを訊く『Videographer’s File<ビデオグラファーズ・ファイル>』UW INC.


UW INC.

役者としてキャリアをスタートした代表の押川賢吾さん(中央左)と福島慎之介さん(中央右)が俳優養成所で知り合い、やがて舞台を中心に映像制作を開始。上田昌宏さん(右)が合流し、2013年より映像チーム“UISHAAAWORKS”として活動。その後、新メンバーとして竹内友尉さん(左)が参加。主にCM、WEB CM、MVを制作。企画構成から監督、撮影、編集、モーショングラフィックスまでチーム内で手がけている。2017年6月に法人化し、社名を“UW INC.”とする。

WEB●http://www.uishaaaworks.com/

文●松岡佳枝/現場写真提供●押川賢吾

 

 

UW INC.さんの作品

UISHAAAWORKS COLLECTION 2018

UW INC.が2018年に手がけたCM、MV等の作品をまとめたリール。演出・撮影・編集・モーショングラフィックス・カラーグレーディングなどの工程を社内で手がけられるのが同社の強み。

 

HONEBONE – 『やっちゃった』 Music Video

EMILY(ヴォーカル)とKAWAGUCHI(ギター)の男女J-POP/フォークデュオ・HONEBONEのMV。福島さんがディレクターを務め、押川さんは出演と助監督を担当した。

 

 

演者と制作双方の状況が わかるからできる仕事がある

「映像の最後に流れるエンドロールに“オッシー:押川賢吾”と表示されるんです(笑)」と笑う押川さん。仕事を共にする福島慎之介さんはこれを聞いて間髪入れずに「最大のリスペクト」と言う。UW INC.の代表、押川賢吾さんは、役者を志し、19歳のときに広島から上京。現在も“役者”であり続けながら、映像制作を行なっている。

「物心ついたときから目立ちたがり屋で役者になりたかったんです。僕の生まれた場所は瀬戸内海の島で、とにかく都会に出たかった。島では目立てないですから(笑)。ただ、演者として舞台に立っていると、それを誰も撮影してくれないですよね。それで、自分たちで撮ってどこかに出そうということでキヤノンEOS Kiss X5を買い、撮影を始めました。

映像を始めてみると“押川は映像を作れるらしい”という情報が伝わって、撮影を頼まれるようになりました。お小遣いを稼ぐつもりで役者さんや演出家の知人たちから撮影を請け負っていました。その後、撮影したものを見てもらうと、評価していただけて、知人を通じて仕事をくださる方を増やしていき、2012年に個人事業主として集まった仲間と2016年に会社を設立しました」

 

 

演者と制作双方の状況が わかるからできる仕事がある

映像は独学だと言う押川さんに現在の仕事について伺った。

「WEB CMや企業VPなどが多く、演出や撮影、編集ももちろんするのですが、“助監督”として現場に呼ばれることが多いんです。ただ、いわゆる助監督とは役割が少し違うかもしれないのですが…。

撮影には役者だけなく、撮影部、照明などさまざまな役割の方がいます。僕自身は撮影もするので、制作側の状況や演者の状況もわかるといったところで、それぞれを交通整理し、現場がスムーズに進むようにする役割として現場に立つことが多く、それを“助監督”と言っているのですが、社内ではそれを僕のニックネームでもある“オッシー”と呼称されているんです(笑)」

押川さんの人柄が滲む、現場のすべての人にとって大事な役割だ。

「映像は完全に独学でオーダーに対して自分のなかで“常識的に無理です”という部分がないので、どんなことでもまずやってみることが信頼につながっているのかなと思っています。知らないことを知る、見たことのないものを見るのがとても楽しいので、今後もこれまで“やったことのない”映像の仕事をしていきたいですね」

 

 

●最近主に使う機材リスト

機材はすべて購入して、使いこなすのがポリシー。

 

●現場の風景と使用機材

▲撮影現場の模様。

▲メインカメラはキヤノンEOS C200。最近はBMPCC 6Kを活用する現場も増えてきた。

▲TILTAのワイヤレスフォローフォーカスやBOLTも使用頻度が高い。

▲三脚はザハトラーやヴィンテンなど複数所有。

▲出先での編集も多いため、MacBook Proを使用。

▲UW INC.のルール。

 

 

VIDEOSALON 2020年2月号より転載