動画広告の基本を学び、自分で入稿ができる! イチから学ぶWEB動画広告 Vol.18 課題をもとに広告の ターゲティングや 打ち手を考える (ブランディング編)


久松慎一+ 株式会社援軍

 

 

Vol.18 課題をもとに広告の ターゲティングや 打ち手を考える (ブランディング編)

これまでWEB広告の見方や考え方やWEB広告の特徴など、さまざまな視点でご紹介してきました。今回は、これらを踏まえてもう少し踏み込んたことを考えたいと思います。実際に起こりうる課題から、WEB広告上で考えられるターゲティングや打ち手について考察してみます。自社のビジネスに当てはめた場合はどうなるのかを考えてみましょう。

 

新店舗のブランディングを考えるには

課題をもとに広告のターゲティングや打ち手を考えるにあたって、今回の記事では、仮に新店舗のブランディングを行うとして解説します。

企業例として以下の設定で解説します。

企業例
ビジネス英会話スクール

背景
都内に20店舗あるビジネス英会話スクールA社。オンライン授業も合わせて行なっており、生徒の都合に合わせて教室・オンラインどちらでも選べる特徴がある。また完全マンツーマン方式で、生徒の実力や状況に合わせて学習のプログラムをカスタマイズする。

3月に新宿に新たに店舗がOPENする予定。OPENまでに新店舗の告知を行いつつブランディングをしたい。

求めるターゲット像
英語を学びたい20〜30代のビジネスマン。

課題
同エリアには競合他社が既に数社存在。調査によると他社は自社より価格帯が安いスクールが多い。価格以外でなんらかの差別化を図る必要がある。この状況のなかでも、自社を選んでもらえるようにブランディングしたい。

 

考えられるターゲットを洗い出す

このビジネス英会話スクールをブランディングするために考えられるターゲットについて考えてみます。WEB広告はプライバシーポリシーを遵守する範囲内(個人を特定しない範囲)でユーザーの行動履歴や興味関心をもとにしてターゲティングすることが可能です。ユーザーの検索歴をもとにして想定されるターゲットを図にしたのが次ページの上の図です。「英会話」に興味がある方の中でニーズの違いで分けると、このような図になるかと思います。

ニーズの高さやボリュームの違いはありますが、すべて英会話に興味を持っている人たちです。今回はこの方たちをターゲットにしたいと思います。

 

 

 

 

媒体を選定する

ターゲットは英会話に興味を持つユーザーを対象です。Google広告とYahoo!広告では過去の検索履歴をもとに配信することも可能であるため、媒体はGoogle広告とYahoo!広告のふたつに絞ってみます。もちろんその他の広告媒体は数多く存在しますが、検索歴をもとにターゲティングできる媒体は限られていることや、多くの方が利用していることを考慮して今回はこのふたつに絞りたいと思います。

▲広告ツールの大手ふたつGoogle 広告とYahoo!! 広告

 

 

どの広告を使用するか考える

Google広告とYahoo!広告にはさまざまな種類の広告が存在します。Google広告、Yahoo!広告の中で、考えられるものをピックアップすると、下記の表の広告が挙げられます。

検索広告は、日常のなかでGoogle検索等を使用している方であれば、イメージしやすいと思います。検索結果後に出てくる最上部若しくは最下部に表示されます。

Find広告はGoogleの広告のひとつで、過去の検索履歴にもとに広告配信できます。過去に検索したことがある方なので、検索広告に次いで成果が出やすい広告です

【Google Find広告】過去にGoogle検索で検索したユーザーに向けて広告配信することが可能です。登録するワード数が少ないと広告配信できない場合もあるので、なるべく多くのワード(最低でも30個以上)を登録するようにします。

GDNはGoogleが持つディスプレイネットワークのことで、200 万以上のウェブサイトや動画、アプリが存在します。このネットワークに特定のターゲットを指定して広告配信することができます。

 

 

配信エリア・配信時間帯を選定する

Google広告・Yahoo!広告は広告配信するエリアを、住所単位・地区単位・店舗単位で設定することが可能です。例えばGoogle広告は配信したいエリアを住所アドレス、緯度経度などを用いて直接指定することができます。Google マイビジネスを持っている店舗であれば、店舗から〇km以内といった形で設定することも可能。

配信エリアを考える上で把握しておきたいのは、英会話スクールを始める層がどこにいるのかという点です。利用者視点でみると、仕事帰りや仕事前に利用したいと思う層が多いのではないかと考えられます。そこで配信エリアは店舗のある新宿エリアを軸に設定。新宿沿線の地区もしくは駅住所を登録して新宿エリア界隈で働くビジネスマンに向けて広告が配信されるようにします。

また同ターゲットは土日は、休日のために新宿エリアにいない可能性があります。広告の配信曜日は平日のみを指定して、可能な限りターゲットに広告が配信されるようにします。

 

何を伝えるべきかを考える

今回の課題は、新店舗エリアに存在する競合の存在です。価格で負けていることは分かっており、それ以外の点で魅力を伝える必要があります。A社の特徴である「時間や場所を変更できる」という点に着目。ビジネスマンは多忙なスケジュールの中で動いており、思い通りに自分の時間を持つことが難しいケースが多いかと思います。そこで自分のスケジュールに合わせて学ぶことができる点にフォーカスして伝えることができれば価格にも負けない価値を提示できそうです。

またもうひとつの特徴であるマンツーマンである点は敷居の高さを感じられてしまう可能性があります。なので、「習得したい内容に合わせて学ぶことができる」という点をきちんと伝える必要があります。

 

 

訴求ポイントをまとめ、どのように伝えるかを考える

「時間や場所を変更できる」

・自分のスケジュールに合わせることができるという点は、実際のケースをサイト内に掲載。具体的にいくつかの例を出すことで、自分にも当てはまると感じられるようにします。また通った場合の1日を動画にして分かりやすく説明。今の仕事に合わせて学ぶことができる点を訴求します。

・自分のスケジュールによって受講する場所を変更できる点を動画で訴求。カフェでマンツーマンで学習している映像などを盛り込んで、場所についてもカスタマイズ可能であることを認識してもらいます。

空いた時間を有効活用できることを表現するため、自宅で授業を受けているシーンを使用するなどの工夫をする

 

「習得したい内容に合わせて学ぶことができる」

・スクール開始前のカウンセリングの事例を入れて、自分に合わせてプログラムを組んでくれるスクールであることを訴求。目標に向かって学べる仕組みになっていることを伝えます。

・学習期間中挫折がすることがないように先生から励ましのメールが届く旨を伝えます。

文章では伝わらないカウンセリング中のシーンは動画で表現する

 

伝える内容をコンパクトにまとめて広告でも使用できるようにする

・作成した動画を数分単位で見ることができるようにして、広告でもしようできるようにします。

・動画には必ずテロップを入れて、音声がなくても理解できるようにします(ターゲットがビジネスマンであるため、通勤中・オフィスなどで視聴する可能性も高いため)。

 

広告配信後、成果を判断できるようにするため指標を決めておく

ブランディングはブランド(商品やサービスなど)について興味・関心を引き上げるための施策です。商品やサービスについての理解を促進するための施策であり、広告の管理画面からだけでは成果を正しく判断することはできません。そのため成果についてはブランドリフトなどの追加調査を行なったり、実際の店舗側の来店人数の変化をみて判断するのが一般的です。代表的な成果指標は下の表のとおりです。

・ブランドワード(商品・サービスワード)の検索数
施策後、ブランド名検索する方はどれだけ増加したのか?

・サイト訪問ユーザーの新規率(新規ユーザー数 ÷ 新規既存のユーザー数)
新規ユーザーのサイト訪問数はどれだけ増えたのか?

・配信動画の視聴率(動画の視聴回数÷ 表示回数)
動画に対して興味を持たれたのか?

・ブランドリフト・サーチリフト調査
施策後、ブランドに対するイメージは変わったのか?

※各指標をもとに総合的に成果を判断する

 

広告運用では動画の視聴率やクリック率などを成果指標として追いかける

管理画面から見える広告閲覧するユーザーの動向をもとにして広告を改善していきます。たとえば「動画の視聴率」を見て低下している場合は、ユーザーが見飽きている可能性を予測して次の動画を投入するといった改善策を取り入れます。

 

今回のまとめ!

ブランディングは人の心の変化や行動を促すものであり、ターゲットの心理を理解することがとても重要です。

何を求めているのか、なにを得られると行動したくなるのか、紐解くことで打ち手は決まります。

 

 

VIDEO SALON2022年3月号より転載