今は蓼科と東京の二拠点生活だが
業態を変えて、徐々に蓼科の比重を高めていきたい
取材・文/編集部 一柳
小髙雄平さん https://domspacedesign.com/
長野県で撮影した作品より
『ReBuilding Center JAPAN|Rebuild New Culture』
長野県諏訪市のカフェと古材と古道具のお店の活動を記録した映像。
『omnipresent』
Yahoo! クリエイターズプログラムで制作した作品。冬の長野の風景に溶け込むダンサーの身体表現を記録した実験的な作品。
東京で撮影、蓼科で編集
フットワークの良いビデオグラファースタイルで、自然な空気感のある質感の映像が魅力的な小髙雄平さん。大学のデザイン学科卒業後、ブライダル映像制作会社を経てフリーランスビデオグラファーとして活動している。有限会社ドム・スペースデザインを2020年に設立。実はこの会社、もともと映像制作の会社ではなく、造形作家として活躍していた小髙さんの父の会社だったという。それを受け継ぎ、現在の会社では、小髙さんと同じく映像や写真の仕事をされている奥様、彩子さんとともに、映像制作の業務を行なっている。
今の映像の仕事は夫婦ともに、東京がメインで、月の3分の2くらいが東京、残りが実家のある蓼科。撮影の仕事はおもに東京近辺もしくは全国で、まとまって時間がとれると蓼科に向かい、環境の良いところで編集作業を行なっている。かつてはMac Proを持ち運んでいたそうだが、M1のMacBook Proをメインにしたらノートでも充分編集可能なことがわかり、2拠点での活動がやりやすくなったそうだ。
その蓼科の実家というのは長野県蓼科に陶芸の工房とギャラリーがあったが、父が亡くなった後、母がひとりで住んでいたが、小髙夫妻がいずれ住めるようにと一部をリノベーションした。それが下の写真の環境。単に地方というだけでなく、自然に囲まれた恵まれた環境が羨ましい。
父が亡くなってから荒れ果てていた庭も少しずつ整備している。
父が蓼科に建てたアトリア兼ギャラリーをリノベーションとして住まいに。陶芸のための窯なども残されており、将来はそれも活用したいと思っている。
陶芸もやってみたい
「今は東京にいる時間が長いのですが、ゆくゆくは蓼科がメインに生活できればいいなと思っています。もともと東京のような都会が好きなわけではないので。そのためには業態を変えていくことも考えています」
現在は撮影の案件がコンパクトで撮影の頻度も多いので、蓼科に帰る時間をあまりとれないが、案件の規模が大きくなり撮影をまとめて行えるようになれば、蓼科で生活する時間を確保できる。全国での撮影が増えれば、東京にこだわる必要もなくなる。
「今はまだ地元の仕事がそれほど多くないのですが、今後増やしていきたいと思っています。高校の同級生に味噌を作っている人がいて、その取材をさせてもらっているのですが、これからは地方でものづくりをしている人などを撮っていきたいです」
せっかくこの場所に陶芸ができる設備があるので、陶芸などの制作活動や将来的に蕎麦屋もやりたいと思っている。「映像に限らず、ものづくりの場所として環境を整えていきたいです」
撮影機材と編集環境
撮影関連の機材はすべて東京のマンションに置いてある。カメラはBMPCC 6K Proが2台、ソニーのα7 IIIが2台。カメラには充分満足していて新しいものには目移りしなくなった。
蓼科での編集環境。MacBook Proを導入してからは、それで東京でも蓼科でも編集できるようになった。モニターはLGの21:9ワイドディスプレイ。
主な機材リスト