文●川井拓也
※この連載は2017年9月号に掲載した内容を転載しています。
Vol.015 Webcaster X2 でお手軽 YouTube Live & Facebook Live! がいい感じ!
カメラとモニターをつないで
シンプル操作でライブ配信ができるエンコーダー
epiphan video Webcaster X2
42,800円(税抜) アルゴ取り扱い
カメラやスイッチャーをHDMIで接続して、ライブ配信をするためのデバイス。最大1080/30p、最大ビットレートは4Mbps。YouTube と Facebook で手軽にライブ配信ができる。
▲ 上:右側面の装備端子。下:背面の装備端子。左写真のようにUSBにマウスやキーボードを接続。HDMI OUT からモニターに接続して配信中の画面を確認しながら操作する。配信のための回線は Wi-Fi と有線LANの2つから選べる。外形寸法は 117×124×25mm(アンテナ含まず)。重量は272g。
◉モニターとカメラの間につないでマウスで動かすだけの簡単操作!
発売間近のWebcaster X2を試してみました! これ面白いです! 機能的にはセレボ LiveShell に似てるんですが、同時に1つのサービスにしか配信できません。YouTube Live または Facebook Live です。でもカメラやスイッチャーのPGMアウトを HDMI で Webcaster X2 に入力すると、その映像の上にインターフェイスがレイヤーで表示され、マウスでクリックするだけでライブ配信できます。だからすごく簡単!
◉スルーアウト映像はリアルタイムでコメントもオーバーレイ表示可能!
ライブ配信業に携わる人なら多少複雑なUIの機材でも使いこなせますが、例えば大学のセミナールームや企業の広報PRの担当者が時々自社製品をプロモーションしたいといったお手軽ライブ配信の場合は、シンプルな操作の機材が好まれますよね? Webcaster X2 はそんなニーズにぴったりの機材です。
特に Facebook Live はノートPCでも「自分のタイムライン」「Facebookページ」「Facebookグループ」「Facebookイベント」に向けて配信しようとすると、ものすごく使いにくいんです。ところが Webcaster X2 は画面のUIをクリックしていくだけで、これがすぐできてしまう。本当に簡単でびっくりしました。
◉最大1080/30fpsの配信画質4Mbpsまでのビットレートも設定可能
カラースペースは4:2:0だったり、フレームレートは1080でも720でも最大30fps で、スペック重視派には物足りない部分もありますが、配信ビットレートはメーカーのスペック表によると初期設定値の 2000kbps に加え、1000kbps、3000kbps、4000kbps の4種類が設定可能です。
解像度は 720p と 1080p の2種類の入力のみ可能。1080i に対応していないことからテレビ系のスイッチャーの場合はコンバーターを入れる必要があります。ローランド系のスイッチャーならシステム解像度を 720p/1080p にすればぴったりはまりますね。バッテリーはないのでACアダプターをつないで使うスタイルになります。正面にセンスのよい有機ELの表示窓があるのもナイスです。ここに「f」や「Y」のマークが表示されて、どちらの配信サービスに出力しているのか確認できます。
◉中身はAndroid? キーボードもマウスもつなげられる
本体にはHDMIのイン/アウト、有線LANのコネクター、Wi-Fi のアンテナ用USBコネクター、マウスやキーボードなしでも最低限の操作が可能なマルチファンクションボタンがあります。最初の設定はさすがに本体だけでは難しいのですが、一般的なマウスをUSBでつなぐだけですぐに操作できます。まずは配信サービスを選び、どこにどんなビットレートで出すか指定するだけで簡単ライブ配信。スマホではなく、カメラやスイッチャーを使ってライブ配信しようとすると最後にパソコンに挿すためのコンバーターや配信アプリを使ったり、これまでなにかと煩雑な作業が必要でしたが、これならHDMIと有線LANを挿すだけなので初心者の人にも教えやすそうです!
◉リアルタイムのHDMIスルーアウトにコメントが表示され演者返しにも便利!
ライブ配信はリアルタイムで視聴者の反応がコメントとして返ってくるのが面白いところです。これまでたいてい出演者の人には数秒ディレイしている配信画面をスマホやパソコンで見せることが多かったと思います。スイッチャーのPGMアウトはディレイはありませんが視聴者からのコメントが表示されません。Webcaster X2 はリアルタイムのHDMIスルーアウトに Facebook Live のコメント欄がレイヤー表示されるのが魅力的です! これならそのまま出演者の返しモニターとしても使えます! 気になる値段は直販サイトで42800円! 配信アプリやコンバーターをいろいろ買うならこれを1つだけ追加するというのはアリかもしれません!
配信中は視聴者のコメントと合わせて表示できる
▲Facebook で配信中の画面。画面上部には配信の時間や解像度、右下には設定ボタン。そして配信時に視聴者から寄せられたコメントも右横に表示されるため、配信者と視聴者のインタラクティブなコミュニケーションができるライブ配信が可能。
▲左:接続して電源を入れると YouTube か Facebook かを選ぶ画面が表示され、解像度やビットレートを設定して配信開始。右:配信中は前面ディスプレイに配信サービスと時間が表示される。