AUXOUT
東京生まれ。幼少期はマレーシアで過ごし、アメリカの大学で音響を学び、帰国後はサウンドエンジニアに。その後、WEBデザイナー、Flashエンジニア等を経て広告代理店のクリエイティブディレクターとして活動。現在は金融関係の企業に勤務する傍ら、「週末ビデオグラファー・フォトグラファー」としてCinematic Vlogを中心にYouTubeやinstagramで作品を公開。SNSの合計フォロワーは8万人を超え、国内外から人気を集めている。
文●松岡佳枝/写真提供●AUX OUT
LIGHTS
城ヶ島への旅の記録を収録したVlog。BMPCC 6Kで撮影した作品。作品では音楽を重視しており、曲選びには時間をかける。楽曲の歌詞のイメージに合った画を選んでつないでいく。
WITH YOU
令和に元号が変わる平成最後の4ヵ月の風景を1月ごとにまとめた作品。思い出を振り返るともに令和になっても大切な家族や友人と一緒に作品を撮り続けていく決意が込められた一本。
自分のために何か作りたい… それがVlogの始まり
「Cinematic Vlog」というテーマで旅の映像や日常のシーンなどを音楽にのせて動画にしている“週末ビデオグラファー”のAUXOUTさん。ウィークデーはご自身が“本業”と言う仕事をこなし、週末や休日になると、外出先や旅先で撮影した動画をYouTubeで公開している。
「WEB関係の広告代理店でクリエイティブ周りの仕事を10数年やっていて、2年前に違う業界に転職しました。それまではクライアントのために広告等を作ってきましたが、今度は自分のために何かを作ってみたいと思ったのが動画を始めたきっかけです。あるとき、友人と海外旅行をすることになり、どこに行こうかとトラベルVlogをいろいろ見てみたんです。そうしたら、その動画がとても格好よくて。どこに行くかという計画そっちのけで、こういうものを作りたいと思うようになったんです」
AUXOUTさんは実はそれまで動画制作の経験はほぼなかったという。
「初めての撮影では旅先で持ち歩くこともあって、とにかく片手で持てるもので始めようとコンデジとジンバルを買いました。でも、実際に撮影してみると、NDフィルターの存在さえ知らなかったので白飛びしてしまったんです。急いでYouTubeを見て調べ、現地でフィルターを買ったり、だいたいのことはYouTubeから学びました。
友人と一緒の旅では一カ所でじっくり撮るのは難しいですが、そういうときは自分も現地の雰囲気を楽しみつつ、限られた時間で撮るコツをつかんでいきました。
僕の作品は好きな曲に合わせて編集した3分くらいの映像が多いんです。音楽からインスピレーションを受けて撮ることもありますが、旅先では何があるかわからないので、天候やそのときの雰囲気に合った音楽を後から探すことが多いですね」
応援してくれる視聴者に 少しでも還元できることを
最近では製品レビュー動画も始めるなど新しい試みも。
「お仕事の依頼もいただくのですが、僕自身は趣味としてどう継続するか、楽しめるかが大事なので、自分のスタイルで撮りたいものしか撮らないということを明確にしているんです。だから、僕の映像をそのまま使っていただいたり、普段通りの映像を使いたいというコラボレーションであればやらせていただいています。レビュー動画はコメントで要望も多く、こうして皆さんに見ていただき支えていただいてここまで来ているので、少しでも還元していきたいと思って始めてみました。チュートリアルのようなものも、今後はやっていけたらと考えています」
●最近主に使う機材リスト
●制作風景
▲Vlog撮影の際に持参する撮影機材。メインカメラはα7Ⅲ。最近はBMPCC 6Kも導入。
▲自身も旅を楽しみながら撮影するため、機動性を重視してジンバルでの撮影が中心。レンズは広角を中心に使用し、決めのポートレートショットで中望遠を使う。
▲台湾旅行での撮影風景。家族や友人との旅や日常を作品に。
▲編集環境。作品への問い合わせが増えているため、自宅でチュートリアル動画を即座に撮影できるように模様替えしたという。