先々週の土曜日は「市民がつくるTVF」の発表会、
先週の金曜日は、大林宣彦監督の新作「この空の花」の完成披露試写会でした。


まずTVF。
TVFとはかつてビクターが主催していた東京ビデオフェスティバルですが、数年前に終了したあとは、NPO法人がその志を受け継ぎ、審査員もそのままで「市民がつくるTVF」として続いてきました。今年で第34回。ほぼビデオサロンの歴史と同じです。
TVFの立ち上げには、小誌創刊編集長も深く関わっているときいています。
個人的に今回のTVFはとても楽しめました。
ウェブサイトで入賞30作品が見られますので、
ぜひ見てみてください。
http://www.sprasia.com/tv/user/tvf/TVF1
全国規模の大々的なビデオコンテストは数が減ってしまいましたが、
このTVFは30年もの間、ビクターが(これをやることで儲かりもしないのに)執拗なまでに続け、同じ審査員メンバーがあるスタンスを評価し続けることで、なにかひとつの文化が出来上がってきたような気がします。
個人目線のドキュメンタリーといいましょうか。
それが芸の域にまで高められているというと、ちょっと嫌みないい方ですが、
確実にある種の表現スタイルになってきたような気がします。
TVF2012.jpg
大賞をとった「私の格闘家な妹」。
いいです。
タイトルがいいですよね。格闘家の妹じゃなくて、格闘家な妹、ですよ。
「な」にちょっと尊敬の念というか、誇らしげな感じがうまく込められている。
センスがいいです。
さて、
その発表会場でも審査員の大林宣彦監督の新作の予告編が流されましたが、
先週の金曜日は、試写会でした。
いい、悪いは抜きにして2時間40分もの大作にもうとくにかく圧倒されました。
ここでこの映画について語ることはしませんが、
ただ映画を見ながらずっと思っていたのは、
大林監督が、TVFで応募されてくるアマチュアの作品から貪欲に吸収しているのではないかということでした。
この数年の入賞作品に関係するようなエピソードが随所にありますし。
(それは見てのお楽しみ)
そんなふうに思ってみると、
誤解を恐れずに言えば、
これは大林監督のTVF的作品なんじゃないか。
膨大な資金と動員して2時間40分の大作を
大林監督個人が伝えたいメッセージで作り上げてしまう・・・。
その贅沢さとそれを実現してしまうパワー。
うーん、やっぱり映画は男の夢だなあ、と思ったのでした。
KONOSORA.jpg
「この空の花 長岡花火物語」公式サイト
http://www.konosoranohana.jp/