パナソニックは、今年のNABにおいて、新VARICAMシリーズを発表したが、新VARICAMはじめとした新製品を開発拠点である門真に戻し、社内、プレス、販売店向けにPostNAB展示会を開催した。


PANA_POSTNAB01.jpg
▲プレス向けに挨拶をするAVCネットワークス社の宮城邦彦氏。2016年のリオデジャネイロの五輪、さらに2020年の東京五輪に向けて、4Kのシステムを間に合わせるべく開発していくという。
今回の新VARICAMは2ラインナップ。シネマカメラとしては他社に先駆けて登場したパナソニックのVARICAMだったが、センサーは2/3インチのみであり、その後、ARRIやソニー、そしてキヤノンが大判センサーのデジタルシネマカメラを投入したことにより存在感が薄くなっていた。今回はそのVARICAMのネーミングは受け継ぐが、まったく新しいシリーズとなる。ロゴも一新され、社内ではまったく新しいシリーズ名の採用も検討したほど新シリーズに対する意気込みは強い。
PANA_POSTNAB06.jpg
4Kカメラ/レコーダー「VARICAM 35」は、新開発のスーパー35mm 4Kイメージセンサーと独自開発の「AVC-ULTRA」コーデックを搭載したモジュール式4Kカメラ。「AVC-ULTRA」ファミリーの「AVC-Intra 4K/AVC-Intra2K」により、4K/2Kにおいても高品質映像を取り扱いの容易なデータサイズで収録することが可能。さらにHDコーデックには「AVC-Intra 200/100」に加え、アップル社の「ProRes 4444」と「ProRes 422 HQ」に対応する。
もう一台は2/3インチセンサーと従来の2/3マウントレンズを使用できる「VARICAM HS」。その名のとおりハイスピード撮影向きのカメラ。モジュール方式を採用しているので4Kカメラ/レコーダー「VARICAM 35」とHDハイスピードカメラ/レコーダー「VARICAM HS」のレコーダー部(AU-VREC1G)は共用となっており、「VARICAM HS」も同様に「ProRes 4444」と「ProRes 422 HQ」に対応している(ProResコーデックコンポーネントは、ProResレコーダーを長年出荷しているATOMOS Global社から使用許諾を得ているという)
PANA_POSTNAB07.jpg
また、「VARICAM 35」は、VARICAM独自の4K RAWである「V-RAW」データを最大120fpsのハイフレームレートでCodex Digital社製レコーダーに記録することが可能になる。このCodex V-RAWレコーダーはカメラヘッドモジュール同様ケーブルレスでレコーダーモジュールとドッキングさせることができる。
筐体はこれまでのパナソニックの放送用カメラよりもヘビーになっている。というのも撮影現場を想定するととにかく壊れない頑丈なものを要求されるからだ。ボタン類もかなり大きめでほこりが入りにくい構造になっている。
また、ショルダーにするためのパーツなどはARRIのものをそのまま流用できるようになっている。
「VARICAM35」、「VARICAM HS」ともに、ドラマ撮影の現場をメインターゲットにしているといる。
「VARICAM 35」および「VARICAM HS」は2014年秋を予定。北米地域における価格は「VARICAM 35」がEVF込み60,000ドル以下、「VARICAM HS」は同55,000ドル以下を予定している。
すでに日本でお発売開始された4K撮影可能なデジタル一眼カメラDMC-GH4は、当初の予定よりも予約が入り、モノがたりなくなっている地域もあるほど好調。それと同時に開発発売されたXLRとSDIのアダプターAG-YAGHも展示されていた。アダプターと本体を接続するとグレーアウトしていたメニューが操作できるようになり、音声は本体内蔵マイクかXLR入力か、SDI出力のREC連動機能を活かすかどうかなどの設定が可能になる。
PANA_POSTNAB02.jpg
PANA_POSTNAB03.jpg