大判のレンズ交換式、ズームレンズ一体型のハンドヘルドともにビデオカメラの世界は、業務用でも4Kカメラが話題の中心になっているが、実際の市場ではHDカメラも健闘し、確実な需要がある。特に1/3インチセンサーの場合、4Kのように高画素化すると画質と感度が維持できなくなるというのが現在の技術的な限界で、1/3や1/2といった従来のビデオカメラ用センサーの世界では、HDのほうがバランスの良いカメラを作れる。


 JVCケンウッドでは、JVCブランドとして、小型軽量ハンドヘルドスタイルのカメラGY-HM650/HM600を発売してきたが、その後継モデルとして、GY-HM650、GY-HM620の2モデルを4月下旬より発売する。
GY-HM660 オープン価格(推定60万円前後)…写真
GY-HM620 オープン価格(推定50万円前後)

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 レンズは従来と同じ光学23倍の倍率と広角29mmを実現するFUJINONズームレンズ。F1.6-3.0の明るさで低照度にも強い。オート/マニュアルの切り替えスイッチ、フォーカス、ズーム、アイリスの独立3連マニュアルリングを装備し、業務用レンズの操作性をそのまま実現できる。
 センサーは新規のもので、1/3型有効1920×1080の3CMOS。より高感度になり、F12(従来はF11だった)を実現した。
記録フォーマットはMPEG2とH.264のデュアルHDコーデックで、フォーマットとしては、MPEG2 Long GOP、AVCHD、MPEG4 AVC/H.264から選択できる。ファイルフォーマットはクイックタイム形式のMOVとXDCAM EXシリーズに合わせたMP4ファイル、MTSファイルに対応。GY-HM660では、MXFファイルにも対応している。
記録レートは、H.264で50Mbps(MOV形式)が最高。
SDカードスロットを2基搭載し、リレー記録、デュアル記録、バックアップ記録に対応。
GY-HM660では、ネットワーク接続機器からのライブストリーミングプロトコル「RTMP」(Ustream/YouTube Live)に加え、新たに業界標準のSMPTE2022-1プロトコルを搭載。低コストで高品位なデータ送信が可能になる。また、信頼性の高い安定したデータ送信が可能なクラウドサービスZixiに対応するとともに、送信補正を強化した新たなモードを追加している。
 さらにネットワーク経由で音声を受信できるIP伝送リターンオーディオ機能(IFB)に対応。これにより、撮影者はスタジオ・コントロールルームなどからネットワークを介して音声より合図を受け取ることができる(ファームアップで6月公開予定)。
 本体ボディは従来とほとんど同じで、スタイリッシュかつエルゴノミックなデザインで、カメラマンからは評価の高いもの。本体質量は約2.5kgとなっている。