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ブラックマジックデザインのカメラはカメラをオペレートするOS部分をファームアップで更新していくのが大きな特徴。機能が追加されるだけでなく、大きなバージョンアップでは、インターフェイスのデザインそのものが大きく変わることがある。
ブラックマジックデザインは、Blackmagic Camera 4.0のパブリックベータがダウンロード可能になったことを発表した。当パブリックベータでは、ユーザーがURSA Miniで利用可能なBlackmagicの主要なカメラOSとユーザーインタフェースをインストール/テストすることを可能としている。
すべてのBlackmagic URSA Miniユーザーは、ウェブサイトからBlackmagic Camera 4.0パブリックベータを無償でダウンロードすることができる。


NABでのURSA Miniの発表以来、エンジニアチームは、プロの撮影カメラマンや撮影監督からの意見を新しいカメラOSに織り込み、デジタルフィルムカメラの使い方に革命をもたらすインターフェースの再設計を行なってきたという。
新しいURSA MiniのカメラOSは、デジタルフィルムに極めて大きな改変をもたらし、ブラックマジックデザインのカメラを一層使いやすく、直感的に使えるものとしている。
新しいカメラOSでは、従来のマルチレベルメニューや多数のボタンや探し難い設定項目がエレガントで美しいインターフェースに置き換わり、カメラマンにとって最も重要で、よく使用する機能がすぐに使えるようになっている。
例えば、新しいヘッドアップ表示は特定の設定とコマンドを探すのに必要なメニューとサブメニューの数を飛躍的に減らしている。ユーザーはISO、ホワイトバランス、シャッターアングル、アイリス、フレームレート、フレームガイドなどの設定を、メニュー画面を一切ナビゲートせずにすばやく調整できようになった。
さらに、異なる設定をすばやく切り替えられるようになったことで、ユーザーが異なるコンビネーションの設定をオンザフライで試せるようになった。異なる撮影状況に対するプリセットの保存/ロードが可能となり、別のカメラで使えるようにカードに保存することも可能となった。
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ホワイトバランスのカスタマイズとプリセット、ティントコントロール設定も追加。
ユーザーは、大きくて使いやすいオンスクリーン・キーボードで設定を簡単に入力して、シャッターアングルをより精密に選択できる。シャッターアングルを入力する際は、フリッカーの生じないシャッターアングルをURSA MiniカメラOSがガイドするため非常に役立つ。
これは、フレームレートや電力系統(50Hzか60Hz)を基に自動的に算出される。
フォルスカラー露出ツールが追加されたことにより、露出の適切な設定がしやすくなった。
フォルスカラー使用時には、イメージ内のルミナンスの特定の範囲がカラーオーバーレイを表示する。例えば、緑はニュートラルなグレーを示し、ニュートラルなグレーと1ストップ違うことの多いピンクトーンは肌色の良いリファレンスとなる。
フォルスカラーは、カメラマンがショット間での露出を一定に保つことを可能とし、カラーコレクションやフィニッシングの作業などのポストプロダクションの作業時間も節約することができる。
フォーカスアシスト機能も向上している。ユーザーはフォーカスアシスト・オーバーレイのカラーを調整が可能で、イメージの最もシャープな部分を単純にハイライトする従来のフォーカスピーキングツールも使える。
メタデータの入力についても改善が図られた。
スクリーンを左右にスワイプするだけでアクセス可能な新しい「スレート(SLATE)」ページを追加したことで、ショットとプロジェクトの全てを表示できる。
メタデータの入力は入力予測機能により簡素化される
。あらかじめ組み込まれたディクショナリーによって、使用頻度の高い用語を1タップでメタデータタグとして適用できる。
例えば、収録を停止・開始すると、テイクナンバーは自動的に増加される。シーンを変えれば、テイクナンバーは自動的に1にリセットされる。
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レンズメタデータは電子レンズから自動的に読み込まれるか、プロダクション特有の情報や技術的な情報などと併せてマニュアルで入力することも可能。
このメタデータはファイルと共に保存され、編集やカラーコレクションの際にDaVinci Resolveなどのソフトウェアで使える。
カメラのセットアップと使い方を簡素化するにあたり、その他すべての設定は「収録(Record)」、「モニター(Monitor)」、「オーディオ(Audio)」、「セットアップ(Setup)」、「プリセット(Presets)、「LUT」と名のついた6つのタブから簡単にアクセス可能になっている。
「Record」のタブでは、コーデックや画質や解像度をスピーディに選択でき、ダイナミックレンジやフレームレートやセンサーウィンドウなどの設定も可能。
メディアフォーマットやカードや収録情報においても柔軟性が一層高くなったので、撮影時間が何時間残っているのか、また、いつカードを変える必要があるか簡単に確認できるようになった。
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新しい「Monitor」タブでは、メインLCDで何を表示するか、フロントとメインのSDIで何を出力するか決めることができる。これには、クリーンフィードやLUT、フレームガイドなどが含まれる。異なる出力が必要になった際に、撮影監督や監督に異なるステータステキストを送ることすら可能となった。新しいURSA MiniのカメラOSは、アナモルフィックレンズで撮影時のモニタリングに1.33xおよび2xアナモルフィックのデスクイーズに対応。
ライブオーディオメーターをタップすることでオーディオレベルに素早くアクセス可能。さらに細かい設定は、全てのオーディオ入力コントロールがある「Audio」タブで可能。これには、内蔵マイクやスピーカー、ヘッドフォンのボリューム、ローカットフィルターのレベルなどの機能も含む。
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新しい「Setup」タブからは、基本的なカメラの設定へのアクセスが可能で、カメラの外付けF1やF2ボタンのカスタマイズやプログラミングにも対応。
機能ボタンは、プリセットをトリガーし、またUP/DOWNボタンとしても使用可能。特定の機能のON/OFFにも使える。加えて、新しいURSA MiniのカメラOSは最大6つのプリセットをロードすることも可能になった。これは、「Presets」のタブからロード、保存、書き出し、読み込みが可能である。
「LUT」のタブでは、3D LUTの読み込み、書き出し、管理、消去が行える。LUTはLCDや、フロントおよびメインのSDIにそれぞれ適用/表示対応。
これらのURSA Miniの改善点に加え、Blackmagic Camera 4.0パブリックベータではBlackmagic URSAビューファインダーのパフォーマンスも向上している。カラリメトリ、近接センサー、タイムアウト設定も改善されている。
さらに、Blackmagic URSAビューファインダーは新しいURSA MiniのカメラOSのメタデータ設定、フレームガイド、セーフエリア、オーバーレイ設定用のメニューアイテムのサポートを追加している。
*ベータ版のダウンロードはこちらから:
https://www.blackmagicdesign.com/jp/support/family/professional-cameras