【BMDユーザーREPORT①】DaVinci Resolve Micro Panel


最初のデリバリーである3月7日に届いてから、楽しくてほぼ毎日Micro Panelを触っています。

Report ◉タカザワカズヒト(タカザワカズヒト写真映像事務所)

⬆ iMac 27インチの前に置いたMicro Panel。

 

BMD(ブラックマジックデザイン)製品のユーザーが急速に増えている。PCのキャプチャーカードやコンバーターからスタートしたブラックマジックデザインは、RAWやProRes収録できるデジタルフィルムカメラを発売し、価格破壊のスイッチャーを開発し、さらにポスプロのカラーグレーディングシステムであったDaVinici Resolveを無償で提供することで、才能あるクリエイターに映像制作ツールを安く提供してきた。ここにきてブラックマジックデザインの製品が洗練されてきた(特にURSA Mini 4.6Kから!)こともあって、BMDのデジタルフィルムカメラを使って、グレーディングまで行うユーザーが増えてきたようだ。このコーナーでは、毎月、ブラックマジックデザインユーザーによる製品レポートを掲載していく。最後に、レポートとは別に、ブラックマジックデザイン製品との関わりについてコメントを寄せてもらった。(編集部)

 

パネルを触って初めてマウスの限界を知る

私は今まではマウスでグレーディングを行なっており、本職のカラリストではない自分にはそれでも充分だと思っていました。ところがコントロールパネル(Micro Panel)を一度使ってみると、その操作性の正確さとスムーズさ、ストレスのなさに手放せなくなってしまいました。パネルを使ってみて初めてマウスの限界を知ったのです。

(DaVinci Resolve Micro Panelの製品情報はこちらから。価格は¥113,800と充分手が届くところに来た。)

⬆操作性の高さと美しいデザインが両立している。

シングルモニターの環境でもフルスクリーンで表示しながら、コントロールノブやホイールで手元を見ずに調整できたり、触ったことがなかった項目も積極的に使用するようになったため、今までよりもかなり追い込んだグレーディングができるようになりました。

たとえば、「コントラスト」とコントラストのトーンを指定する「ピボット」がコントロールノブで同時に回していけるため、スイートスポット、つまり画の中でどのトーンの箇所にコントラストをつけるかを感覚的に行うことができます。また各コントロールはリセットボタンを持っているのと「UNDO」「REDO」ボタンがあるので、効果のオンオフをすぐに比較できるのも、ひじょうに便利なところです。

「色温度」と「Tint」がホイールで調整できるようになったのも特筆すべき点です。またバックライトの光り方で自分がどのモードにいるか、パネルが教えてくれます。

パネルを使用してみて、今まで画面全体に対し雰囲気でしか調整できてなかったところが、際立たせたい箇所とのメリハリが付けられるようになり、画作りが大きく変わりました。Micro Panelを使うことで、新しいグレーディングの方法が身につきました。

RAWやLogで撮影しDaVinciでグレーディングするなら必須のツールだと思います。

⬆ DaVinci を12.5.5以降にアップデートすると現れるアプリ「DaVinci Resolve Panels Setup.app」。

⬆「DaVinci Resolve Panels Setup.app」を起動すると表示される画面。今後のファームアップなどはここで行われるようだ。

 

⬆ DaVinci の環境設定の画面、使用するパネルにチェックを入れ保存し、DaVinciを再起動すると使えるようになる。

 

私とBMD タカザワカズヒト

僕にとってBMDとの出会いはBlackmagic Cinema Cameraでした。一眼ムービーの画質とのあまりの差にビックリして、以来ずっとBMDのカメラだけを使っています。今のメイン機はURSA mini 4.6Kです。BMCCからかなり進化して、撮影してると画質にうっとりしてしまうほど美しい描写のカメラです。

PROFILE

東京写真学園プロカメラマンコース研修科卒業。出版社のインハウスフォトグラファーを経て独立。広告、CDジャケット、ファッション、建築、エディトリアルなどのスチル写真と並行して、デジタルフィルムカメラを仕様した映像制作を行う。初監督したドキュメンタリーショートフィルム『おだやか家 ODAYAKA-YA』(2016)が海外の映画祭で複数のアワードを受賞。ハリウッドとロサンゼルスのレッドカーペットに正式招待された。URSA Mini 4.6K EF導入にともない、「水の妖精」をモチーフに制作した作品『Ondine』は、検証として、4.6K RAWの60p収録のスローモーションを多用した。

 

 

vsw