40歳を過ぎて本来やりたかった映画制作を松山で始めた
「映画」を地域の事業にしていきたい

取材・文/編集部 一柳

 

三浦彰浩さん https://artaud-design.jp/

 

 

三浦さんの作品より

VSJ COLLEGEムービー【君の自信、動物に届け。】

企画・シナリオ・撮影・編集までワンストップで行なったもの。短編映画作品を見た企業から声がかかり、ショートドラマ風のブランドムービーを制作した。

 

「事務所で作る短編映画」シリーズ

日常的に作品を作りの思考を深めたり充実した生活を送るためのライフワークシリーズをコンスタントに制作し、YouTubeにアップしている。

 

地域で映画を事業にしたい

三浦さんは広島県福山市出身で、大学から愛媛県松山市へ。卒業後に映像制作の仕事を始め、フリーランスとしてブライダルや企業ビデオなどを手がけてきた。法人化もして、映像制作の仕事が軌道に乗ってきた今、映画制作を松山で始めたという。

「本当は映画の専門学校に行きたかったんですけど、学費のこともあって行けず、大学では映画サークルに入っていたのですが、40歳過ぎて、本来やりたかったことに挑戦しようと思いまして」

映像制作の仕事をしている人と、映画を作りたい人というのは必ずしもイコールではないという。

「僕の周りでも、映像の仕事をしていて、映画制作に興味がない人もいるし、交通整理の仕事をしながら自主映画をやっている人もいる。自分はメジャーの映画監督を目指しているわけではなく、映画というのを、映像制作の事業のひとつとしたいと思っているんです」 

仲間を集めて、数分のショートムービー制作からスタート。地方でも映像が勉強できるようにしたいという想いがあり、オンラインサロンのSETOUCHI VIPs(https://setouchivips.com/)を運営している。

「僕自身まだまだ勉強が足りないので、シナリオを学んだり、毎月のように都市部のワークショップに参加して、地元にフィードバックしています」 

短編映画作品を見てもらって企業から声がかかり、ショートドラマスタイルのブランドムービーも作成した。たとえば地元の映画館をレンタルして流すだけでも一応配給興行となるので、映画を事業にできる道を、地元で模索してきたいという。

「と同時に、僕は文学的、哲学的なものを表現したいという欲求もあって。ミシェル・ゴンドリーの『エターナル・サンシャイン』 のような、人の記憶をテーマにした映画ができないかと思っているんです」





 

撮影機材

地方の映像制作会社、ビデオグラファーといえば、ソニーαやFX系が定番だが、三浦さんは映画への思い断ち難く、中古でREDのRAVENを購入。その他、ブラックマジックデザインのシネマカメラでCMなどの映像制作を行なっている。地方では機材をレンタルしにくいので、機材倉庫に多くの機材を所有している。



 

 

主な機材リスト

 

 

VIDEO SALON 2023年9月号より転載