ブラックマジックデザインは、『Blackmagic 2110 IP Converter』の新シリーズを発表した。2024年5月発売。ラインナップと価格は以下のとおり(すべて税込)。

・Blackmagic 2110 IP Mini IP to HDMI:49,980円
・Blackmagic 2110 IP Mini IP to HDMI SFP:49,980円
・Blackmagic 2110 IP Mini BiDirect 12G:58,980円
・Blackmagic 2110 IP Mini BiDirect 12G SFP:58,980円
・Blackmagic 2110 IP Converter 3x3G:95,980円
・Blackmagic 2110 IP Presentation Converter:136,800円
・Blackmagic 2110 IP Converter 4x12G PWR:322,800円
・Blackmagic 2110 IP Converter 8x12G SFP:419,800円

同シリーズは、小型のラックマウントモデルで、10Gイーサネットを使用したUltra HDにも対応。放送、ライブプロダクション、オーディオビジュアルのユーザーに向け、SDI機器を2110 IP放送システムに統合するために設計されたBlackmagic 2110 IP Converterの新シリーズは、IPビデオ用のSMPTE ST-2110規格に準拠している。

同社は、コンバーター、ビデオモニター、オーディオモニター、さらにはカメラなど、多数のSMPTE-2110 IPビデオ製品を取り揃えおり、これらの製品は低コストの10Gイーサネットを使用したUltra HDにも対応。

コンバーターのほとんどの機種が双方向に対応しているので、カメラで追加のプログラムリターンが必要な場合に使用するのに最適だという。ラックマウントの機種は、エレガントなデザインに、モニタリング、メニュー、診断用のカラーLCDを搭載。全機種は、IPビデオ規格であるSMPTE-2110に準拠しており、PTPクロックに加え、NMOSもサポートしているため、ビデオルーターパネルを使用して接続できる。

同シリーズは、あらゆるSDI機器をST 2110ベースのIP放送システムに統合するために設計されている。ラックマウント型モデルは、機材ラックに設置して、変換を行う機器の隣に配置することが可能。コンバーターを追加することで、低コストで、手持ちのビデオ機器をすべてSMPTE-2110に対応させることができる。必要な作業は、ライブプロダクションスイッチャー、ディスクレコーダー、配信プロセッサー、カメラ、テレビなどにBlackmagic 2110 IP Converterを追加するだけだという。

▲Blackmagic 2110 IP Converter Mini IP to HDMI

 

BlackmagicのST 2110 IP製品は、IPビデオ規格であるSMPTE ST 2110に準拠している。この規格は、IPネットワークを介して放送する10-bitビデオ、オーディオ、補助データの伝送、同期、定義を規定している。また、SDI入力をPTPクロックに再同期することもできる。あるいは、PTPクロックから生成されたリファレンス出力に外部機器をロックすることも可能。

Blackmagic 2110 IP Converterシリーズは、シンプルなCAT6同軸ケーブルを接続できるRJ-45コネクターを搭載した機種、光ファイバーモジュールとケーブルを接続できるSFPソケットを搭載した機種を展開している。シンプルなCAT6同軸ケーブルを使用するので、遥かに低いコストでSMPTE-2110システムを構築可能。これらのケーブルはシンプルで、10Gイーサネット用のイーサネットスイッチは非常に一般的である。

SMPTE-2110の最大の難点は、ビデオシステムを運用するにあたって常にIT技術者がスタンバイしている必要があることだ。Blackmagic 2110 IP Converterシリーズは、2地点間で接続でき、複雑なイーサネットスイッチを使用する必要がないので、この問題を解決できる。つまり、シンプルなイーサネットケーブル、リモート給電、双方向ビデオで、SMPTE-2110 IPビデオの利点が得られるという。

放送局のような規模の大きなSMPTE-2110システムで作業をしている場合、すべてのビデオ機器をイーサネットスイッチに接続できる。この方法では、すべての機材をイーサネットスイッチに接続し、イーサネットスイッチのコンフィギュレーションを行なって、機材間の接続を行う。これは大型のビデオルーターのように機能し、SMPTE-2110機器間ですべての接続が確立される。また、BlackmagicのST 2110 IP製品はすべて、NMOSプロトコルもサポート。コンフィギュレーションは複雑であるが、非常に柔軟性に優れている。

BlackmagicのSMPTE-2110 IPビデオ製品は、使用目的に応じて異なるフォームファクターとなっている。2110 IP Miniシリーズは小型なので、機器の後ろに隠すように設置できる。一方、ラックマウント型のモデルには、LCD付きのエレガントなデザインのフロントパネルが搭載されているため、ラックまで行き、フロントパネルで設定を変更可能。

▲Blackmagic 2110 IP Converter Mini BiDirect 12G

 

Blackmagic 2110 IP Converterシリーズの全機種はNMOSインターフェース仕様に対応しているので、ST 2110ベースのIPビデオ機器すべてが一体となり、大きな仮想ルーターとして動作する。また、Videohub Smart ControlはNMOSコントローラーとして機能するため、ソースをST 2110ベースのIPネットワーク上の送信先にルーティング可能。

10-bitは、8-bitビデオの4倍の精度で色を表現できるため、テレビで最も広く使用されているフォーマットである。10-bitビデオでは、すべてのイメージはSDIソースとピクセル単位で完全に一致するため、常に最高品質で作業を行える。

BlackmagicのSMPTE-2110 IPビデオ製品は10Gイーサネットを使用するため、小型で消費電力が少なく、価格も手頃である。また、10Gイーサネットは遠隔からの給電に対応。しかし、30fpsを超えるUltra HDでは、非圧縮10-bitビデオに十分な帯域幅がない。そこで開発されたのがBlackmagic IP10コーデックだ。8サンプルの低遅延で、オープンスタンダードのコーデックであり、ライセンス費は不要。極めて小さなコーデックであり、FPGAリソースをほとんど使用しないので、SMPTE-2110 IPビデオ製品のコストが抑えられる。

Blackmagic 2110 IP Converterシリーズの接続は、SD、HD、Ultra HDのビデオフォーマットをサポートしている。これにより、既存のSDI放送機器を新しいIPベースのインフラに接続できる。Ultra HDは、2160p60までのすべてのフォーマットに対応。入力が変わると、コンバーターは新しいビデオフォーマットに自動的に切り替える。マルチチャンネルの機種は、各チャンネルで異なるビデオフォーマットを扱える。

▲Blackmagic 2110 IP Presentation Converter

 

Blackmagic 2110 IP Converterシリーズの機能

  • 全機種がSMPTE-2110 IPビデオ規格に準拠
  • 小型コンバーターあるいはラックマウントモデルから選択
  • 手に入りやすい10Gイーサネットを使用し、低価格で設置可能
  • SDI入力をPTPクロックに再同期
  • 仮想ルーター構築用のNMOSプロトコルに対応
  • 低遅延のオープンスタンダードBlackmagic IP10コーデック
  • 2160p60までのあらゆるSD、HD、Ultra HDフォーマットをサポート。

 

▲Blackmagic 2110 IP Converter 4x12G PWR

 

▲Blackmagic 2110 IP Converter 8x12G SFP

 

◉製品情報
https://www.blackmagicdesign.com/jp/products/blackmagic2110ipconverter

ブラックマジックデザイン
https://www.blackmagicdesign.com/jp