プリセットを利用して作るタイトルアニメーション
作例/テキスト
中村友彦(株式会社バニラインク)
プリセットを利用して作るタイトルアニメーション
Adobe After Effects(以下AE)は、モーショングラフィック作品を制作するためには最も重要なツールのひとつです。モーショングラフィック作品を制作する時、まず真っ先にイメージするのはテキストを華麗に動かすことだと思います。今回からテキストアニメーションに取り組みましょう。 AEに限らず映像アプリの基本は、A地点からB地点へ設定を動かすという作業ですが、AEに備わっているパワフルなテキストアニメーション自動化ツールを使えば、直感的に動きを適用することができます。
まず、新規コンポジションを3秒の長さで作り、続けて「背景」という名前で新規平面を黒で作ります(作例ではさらにグラデーションを設定)。ツールからTEXTツールを選び、画面の真ん中に文字を直接タイプします。ショートカット「y」でこのTEXT オブジェクトの中心となるアンカーポイントをマウスで動かせるようになります。
中心を決めたら、画面下部のツールからタイトル/アクションエリアを表示させます。何も目安がないと、正確に中心を決められないものです。一番外側が90%エリア、2番目が80%エリア。テレビやCMの放送規格では、この80%内に全てのテキストを収める必要がありますが、このセーフティエリア枠から出ないようにモーショングラフィックを作るのは不可能。表現上、最後の決まりで伝えたい情報が収まっていればよいので、動きの途中ではどんどん飛び出しましょう。
タイムラインで文字を選び、ショートカット「s」で文字全体のスケールパラメーターだけが表示されます。パラメーターの数字上で左右にドラッグすると設定値の変更が可能。この場合、画面を見ながらスケールを決められるので便利です。この操作は全てのパラメーター調整で使えます。
好みのポジション、大きさにテキストを合わせたら、アニメーションメニューから「アニメーションプリセットを参照」を選択すると、AEとは別のアプリBridge CS5が起動します。テキストフォルダにはたくさんの種類のテキストアニメーションプリセットが設定されているので、適用したいテキストを選択してからこのプリセットをダブルクリックすれば、すぐ適用されます。ショートカット「u」をタイプすると、設定されたキーフレームだけが表示されます。RAMプレビューで動作を確認してみましょう。
このまま使っても充分すばらしいモーションが数多くあるのですが、それでは満足しないという方のために、もう一歩進めます。テキストレイヤーのプロパティを開くと「アニメーター1」という欄が増えているはずです。これがアニメーションプリセットによって追加されたわけです。ここにさらにオプションを追加することでより複雑な動きをさせることができます。
アニメーター1の隣に「追加」ポップアップメニューがあるので、今回はここからスケールとブラーを追加します。プリセットは1秒間のデュレーションでキーフレーム設定されています。この位置に合わせてスケールとブラーにも開始と終了のキーフレームを設定、開始キーフレームでそれぞれのパラメーターを決めましょう。プレビューしてみるとAからBへ向けてより複雑な動作が生まれているはずです。完成までの手順を動画でアップしました。YouTubeのサイトほうで1080pのフル画面で再生し確認してみてください。