本誌読者プレゼント企画に応募いただいたビデオグラファーの小島 栞さんにDJI Osmo Pocket 3を実際に使ってもらい、その使用感をレポートいただきました。ご応募ありがとうございました!
テスト・文●小島 栞
SHEinc.インハウスの動画クリエイター・ディレクターとして学習コンテンツの制作やイベントムービー撮影・編集、自社YouTubeの企画・撮影・編集を手がける。副業ではブライダルムービー制作を行うクリエイティブチーム「tokitoma」として、主に編集を担当。
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1. はじめに
この度「ビデオサロン」様より機会をいただき、DJI Osmo Pocket 3を1カ月使用させていただきました。「VlogやSNS動画を始めてみたい!」と考えるかたは、DJI Osmo Pocketシリーズの購入を一度は検討してみたことがあるのではないでしょうか?
「本当に手軽なの?」「他の機種との違いは?」など気になるポイントを女性ビデオグラファーとしての視点でレビューさせていただければと思います。
2. DJI Osmo Pocket 3の5つの魅力
今回レビューさせていただくのは「DJI Osmo Pocket 3 クリエイターコンボ」。セット内容は以下の通りです。
・Osmo Pocket 3 × 1
・PD規格対応ケーブル(Type-C – Type-C)× 1
・Osmo Pocket 3 保護カバー × 1
・DJI リストストラップ × 1
・Osmo Pocket 3 ハンドル(1/4インチ ねじ穴付き) × 1
・Osmo Pocket 3 広角レンズ × 1
・DJI Mic 2 トランスミッター(シャドーブラック) × 1
・DJI Mic 2 ウィンドスクリーン × 1
・DJI Mic 2 クリップ マグネット × 1
・Osmo Pocket 3 バッテリーハンドル × 1
・Osmo ミニ三脚 × 1
・Osmo Pocket 3 キャリーバッグ × 1
持ち運び用のポーチやミニ三脚、DJI Mic 2が付属しており、名前の通りクリエイターにも満足のいくセット内容です。
実際に1ヶ月、DJI Osmo Pocket 3を使用して感じたメリットを5つに絞ってご紹介します。
1. 高性能なジンバル機能
Osmo Pocket 3の最大の特徴は、何と言っても「高性能なジンバル機能」です。このジンバル機能によって手持ち撮影でも手ブレを感じさせない映像が撮影できます。
ジンバルといえば同じくDJI社の「Roninシリーズ」。昨今のブライダルムービーやイベントムービーの撮影現場では、「Roninシリーズ」の使用が広まっています。しかしながら、「Roninシリーズ」は重量もありヘビーな機材…。Osmo Pocket 3は4K/120fpsの高画質撮影も可能なので、現場や案件の内容によってはDJI Osmo Pocket 3を代わりとして使用するのもありなのでは?と感じました。
2. インチのワイド画面
Osmo Pocket 3は、前モデルであるOsmo Pocket 2と比べても大きな進化を遂げています。特に、素晴らしいと感じたのが、プレビュー画面が大きくなったこと。16:9で確認できるようになったため映像の確認が格段にしやすくなりました。また、画面自体が大きくなったことで、タッチパネルでの操作も、より直感的にわかりやすく使用できるようになっています。
3. SNS動画にぴったり!「縦動画」撮影に対応
画面を縦にすることで9:16の「縦動画」撮影が可能になった点も、DJI Osmo Pocket 3の大きなポイントです。縦動画が主流であるInstagramやTikTok用の動画コンテンツをスムーズに撮影し制作することができます。
さらに、縦サイズで撮影できるだけでなく、専用アプリの「DJI Mimo」と接続すればスマートフォンへ撮影素材をダウンロードすることもできます。例えば、DJI Osmo Pocket 3で撮影し、スマホへ撮影素材を取り込み、そのままスマホで編集する、なんてことも可能です。これからSNS動画を始めたい方やスマホアプリで動画を編集したいという方にとっては、手軽に撮影から編集までを行うことができるのでおすすめしたい機能です。
4. クリエイターズコンボの充実したセット内容
Osmo Pocket 3 クリエイターズコンボの付属品のなかで、特に「これがあって良かった!」と感じたのが、「ミニ三脚」、「DJI Mic2」、「バッテリーハンドル」の3つ。
1つ目の「ミニ三脚」は、カメラをおいて撮影することができるので、Vlog撮影やサブカメラとして使用する際には欠かせないと感じました。
2つ目の「DJI Mic2」は、簡単な操作でOsmo Pocket 3と接続することができ、安定した音質で撮影することも可能になりました。音質も本体のみよりかなり向上します。比較動画の音声をお聞きいただくとDJI Mic2を使用した方が声の輪郭がくっきりし、風などの環境音もカットしてくれているように思います。
3つ目の「バッテリーハンドル」は、Osmo Pocket 3に接続することで、駆動時間を約62%延長することができるものです。実際に、インタビュー撮影をした際に、バッテリーハンドルを付けた状態でサブカメラとして使用しましたが、50分程度の撮影で一度も充電せず最後まで撮影することができたので非常に心強かったです。
5. 使い込みたくなる豊富な機能
Osmo Pocket 3にはとにかく気になる機能が満載でした。(正直まだすべての機能を試せてはいません・・それくらい深掘り要素があります。)
例えば、3つのカラーモード。ノーマルカラー・HLG・D-LogMで撮影することができるので、本格的にカラーグレーディングしたいというクリエイターにも納得の内容です。
カラーモードのほかにも、「ハイパーラプス」や「スローモーション」、「チラつき防止機能」、なんど「美顔モード」までもありました。これだけの機能があれば、かなりバリエーション豊かな撮影が可能という印象を受けました。
3. wantな部分
総合的に初心者からクリエイターまで納得させてくれる機能が搭載されていますが、「ちょっとここが惜しい!」と感じたポイントについても記載します。
まず、「バッテリーの持ち」について。
本体のみで朝から撮影(FHD/D-LogMモード)した際、半日くらい経つと充電が30%以下となってしまいました。私自身は、インタビュー撮影など長時間の連続使用が必要な場面も多いので、バッテリーが切れると撮影に支障が出ることもあります。充電スピード自体は専用ケーブルを使用すれば急速充電が可能で早いのですが、なかなか充電ができない環境での撮影が多い方はバッテリーハンドルを併用することをおすすめします。
また、クリエイターコンボの広角レンズについて。
こちらに関しては広角レンズを使用した比較を撮影したのですが、個人的に大きな差を感じることができませんでした。もっと広い画が撮影できるなど、もう少し差別化されていると撮影自体の幅も広がるのでさらに良いなと感じました。
4. まとめ
総合的に、DJI Osmo Pocket 3は動画クリエイターからVlogをこれからはじめたい!という人にとってもおすすめのカメラです。
高品質な映像を簡単に撮影することができますし、軽量なことで荷物にならないのも女性視点では嬉しいポイントです。知人女性にもOsmo Pocket 3を使って、自撮り撮影していただいたのですが、「めちゃくちゃ楽しい!」と話していたのが印象的で、「人の心の温度をあげるカメラ」であると感じました。
今後もDJI Osmo Pocket 3を使用して、イベントムービーやブライダル撮影の現場でも活用していきたいなと考えています。Vlogを始めたい方や、コンパクトで持ち運びやすいカメラを探している方には、ぜひ一度試していただければと思います。
末尾になりましたが、ビデオサロン編集部のみなさま、この度はレビューの機会を作ってくださり、誠にありがとうございました。
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