レポート⚫︎泉 悠斗


6月10、11日に東京・秋葉原にて、Vizrt社TriCaster製品の日本総代理店である株式会社アスクが「TriCaster Vizion」「TriCaster Mini S」を日本国内で初お披露目した。

TriCasterシリーズ最上位機種「TriCaster Vizion」

TriCaster Vizionは、4K/60pに対応した最大44チャンネルのライブ入力と、最大16チャンネルの設定可能なSDI入出力を搭載したTriCasterシリーズで最上位機種としてリリース。

ソフトウエアライセンス形式がサブスクリプションと買い切りモデルのふたつが登場。

筐体についても従来の専用の筐体から、HP 製Z4をベースにしたタワー型、ラックマウント型のふたつの筐体から選択が可能。入出力ボードにはMatrox 製の業界標準デバイスを採用し、高い信頼性と処理性能を実現している。

展示されていたHP製Z4をベースにしたタワー型のモデルは、従来のTriCaster 2 Eliteに比べても非常に動作音が静かで、現場で置き場所に困る心配もなさそうだ。

今回展示されていたのは、Matrox 製8チャンネルボードがひとつ搭載されたもの。


今回の体験会では、NDIネイティブのコントロールパネル「TriCaster Flex Dual」を接続した状態で展示されていた。

TriCaster Flex Dualは、24個のダイレクトクロス ポイントスイッチとふたつの10キー、Flexパネルで初めてのフルサイズジョイスティックが搭載されている。

TriCaster Flex コントロール パネル「TriCaster Flex Dual」


手軽に運用が可能になった「TriCaster Mini S」


TriCaster Mini Sはシリーズ初のソフトウェアライセンスモデルとして登場。最大 8 系統の NDI入力 (4K60p 対応)に対応しており、Vizrt認定ハードウェアもしくは必要スペックを満たすWindowsパソコンを用意して、インストールすることで使用できる形だ。

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TriCaster Mini S を実行するためのハードウェア要件
・Microsoft Windows 11
・Intel i7 12世代CPU(i7-12700以上を推奨)
・NVIDIA Quadro T1000 8GB以上またはNVIDIA 3050 8GB以上、(最新ドライバー)
・16 GB RAM以上
・512GB SSD以上(M.2 NVMe推奨)

認定ハードウエアはこちら
https://www.vizrt.com/products/tricaster/tricaster-mini-s/tricaster-mini-s-certified-hardware/
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体験会では、Vizrt認定ハードウェアである「Lenovo P3 Ultra」と、認定ハードウェアではないが必要スペックを満たしているノートパソコンにインストールされた状態で、展示が行われていた。従来のような箱形の筐体ではなく、ノートパソコンでも可能になり、気軽に現場に持ち運びできそうだ。

TriCaster Vizion、TriCaster Mini Sともに、進化したLive Call Connectが搭載されており、Microsoft Teams、Zoom Meetings、Slack、Discordといった ビデオミーティングソフトウェアが統合されており、複数の同時ビデオ通話入力をシームレスにサポートしている。

画像右手のモニターに移っているのはZoom meetingから映像の入出力している様子

株式会社アスクのニュースリリース

Vizrt社の新型映像制作システム「TriCaster Vizion」および「TriCaster Mini S」の国内取り扱いを開始

泉 悠斗
1996年生まれ。小学生の頃より映像の世界にのめり込む。2019年より富山県に本社を構える神成株式会社にて、映像事業を主とした「AVC事業部」を創設し事業部長に就任。最新のテクノロジーを取り入れた映像制作を得意とし、富山県を拠点としながら全国で映像制作を行い、アーティストライブ配信をはじめ、富山県主催の移住促進番組「オンラインde相席富山」、eスポーツイベント「TOYAMA GAMERS DAY」など、企業から官公庁までの映像制作を幅広く手掛ける。