パナソニックのメインブースはやや縮小したものの、国際展示場前のスイートルームでは技術展時やAG-AF105のマウントアダプターなどの周辺機材を集めたコーナーを作るなど、どちらかというと別会場のほうがじっくり話を訊くことができた。今回の注目は、実機はまだないが、AVC-ULTRAというコーデックファミリーかもしれない。華々しい実機がない分、まさに過渡期と位置づけられるInterBEEと言えるだろう。
実機での注目はこの秋に発売が開始された、AVCHD(AVCCAM)の2台とP2HDの1台の3兄弟機だろう。P2HDのAG-HPX250、AVCHDがAG-AC160とAC130。ひじょうに実用的なモデルで、HDVなどから乗り換えを検討しているユーザ—が実機を手に操作性や機能を確かめていた。
ハイエンドからストリーミングまでカバーするAVC-ULTRAコーデックファミリー
AVC-ULTRAというコーデックファミリーを提唱。AVC-Long GとAVC-Intra Class200を非圧縮と比較するデモを行なっていた。AVCHDも含めてすべてH.264系のコーデックで、すでにAVC-Intraの100と50は商品化されているが、さらに上位として4K2K記録に対応するAVC-Intra Class4:4:4と従来のHDでのマスターになりうるAVC-Intra Clss200(4:2:2の10bit 200Mbps)が加わる。すべてにわたって1080pもサポート。これまでのAVCCAMは家庭用と同じAVCHDフォーマットを採用していたが、AVC-IntraとAVCHDの中間としてAVC-Long Gを開発。これは4:2:2、10ビットでAVCHDを遥かに画質で上回るもので、25Mbpsが60i、50Mbpsが60pを想定しているという。さらに下にはウェブ用途を想定したAVC-Proxyもあり、記録レートは800kbpsから 3.5Mbpsとかなり低く抑えられている。
メインブースには、そのAVC-Proxyの軽さをいかして、ワイヤレスストリーミングが可能なポータブルレコーダーFOCUS FS-P250が参考出品されていた(VITEC社製)。SDI入力された信号をAVC-Proxyで記録し、軽さをいかしてオフライン編集ができる。
スイートルームのほうで展開されたAG-AF105ワールド
武蔵オプティカルでは、従来の2/3インチの放送業務用レンズをAG-AF105に装着できるアダプターを開発。中にレンズが入っているので、焦点距離は変わらない。電源も供給され、電動ズームも可能。
レッドロックマイクロ(ライトアップ)の新製品がEFマウントからマイクロフォーサーズに変換するアダプター。しかもEFレンズの絞りを電気的に稼動することができる。
二眼式3Dカメラを半円形に5台並べて、180度の視界のフルHD3D映像を撮影できる「3D DIVE」収録システム。記録は合計10台のP2HDポータブルデッキで10ビット4:2:2のAVC-Intra100で記録。再生はポータブルデッキ10台を同期再生させてHDMIなどで3Dテレビに表示する。
コンパクト一体型のライブスイッチャーの新製品AV-HS410N。標準9入力(SDI×8、DVI×1)、6出力(SDI×5、DVI×1)。新たに7型の液晶モニターを搭載し、映像効果を事前に確認できるメモリープレビュー機能など操作性を向上させている。