佐賀県唐津市を舞台にした地域発信型映画『ギャングエイジ』が完成子どもたちを起用して地方で映画を撮る
取材・文/編集部 一柳

【Trailer】地域発信型映画『GANG AGE』
『ギャングエイジ(GANG AGE)』 上映時間:約30分 監督・撮影・照明・編集:江口寛武 脚本・プロデュース:萩倉 優 主題歌:「ゆびきり」/立川 翼 製作:SAGA SHORT FILM ロケ地:佐賀県唐津市
佐賀県唐津市を舞台に、地元の子どもたちと描いた30分の成長物語。監督、撮影、編集すべて江口さん。“等身大の成長ドラマ”をミニマムな機材と少人数体制で撮影した。



子どもたちを主役に映画
中高生のときから映画監督を目指して自主映画を制作していた江口寛武さん。ところが現実の人生では自動車販売店に就職。長年勤めてきたが、やっぱり映画への夢が諦めきれず10年前に退職。地元の佐賀で映像制作の仕事をするようになり、その合間に佐賀や福岡で自主映画を作っている。
今年完成した『ギャングエイジ』は佐賀県のフィルムコミッションの協力を得て、小学生たちを集めて唐津市を舞台に撮影。機材はLUMIX S5IIXをベースに必要最低限にして、監督の江口さんが撮影、照明まで務めた。
地方での映画制作で難しいのがキャスト集めだという。映像の仕事自体が少ないからだ。そんな環境でも江口さんはライフワーク的に地元の子どもが登場する映画をコンスタントに作り続けている。
「地方では映像演技をやりたい子は少ないので、フィルムコミッションに募集をかけてもらいました。地方だと映画俳優を目指すというよりもアイドルやモデルを目指すケースが多くて、演技レッスンをしている子は少ないんです」
そういう子たちに演技を教えるところからスタートする。
「ふだん友達と話す時に、そんなに気合いを入れてしっかり目を見て話さないよねとか、ふつうに友達と話すような感覚でやってねといったレベルです。あと、子どもたちは、覚えているセリフをすぐに言ってしまおうとするので、話をまずしっかり聞いて、それを自分で飲み込んで次のセリフを言ってねというような話はします」
大スクリーン上映のインパクト
『ギャングエイジ』は上映会を見た人からの反応が予想以上だったという。出演した子の親御さんが来て大喜びしてくれた。これだけ映像が溢れている時代であっても、映画館のような大スクリーンで上映される機会は多くなく、映画のインパクトは大きいのだろう。
「うちの子も役者目指して本気でやっているので、良かったら次回は案内がほしいという声もいただきました」
上映会をきっかけにInstagramやXにオーディションの機会が欲しいという連絡が来たり、一緒に仕事をする仲間が増え、輪が広がっていくという。
上映会
2025年3月29日に「リージョンシネマフェス2025」(福岡・ふくふくプラザ)にて初公開。200名以上が来場した。今後は兵庫県をはじめ、地域上映・映画祭出品・教育機関向けの上映展開を予定している。


若い人の活動の場を作る
江口さんは、自分で映画を作るだけでなく、子どもたちや若者が映画を作るときの手伝いも積極的にしている。
「クオリティを維持しつつお金をかけずに撮る方法を知っていて、僕ひとりが入ればなんとかなるので撮影と編集で入ります。そこでうまくいった作品が映画祭で賞をとったこともありました」
一緒にやっていた子たちの成長スピードは速く、その後東京に出てプロとしてやっている人もいるそう。
「そういう人から、今度佐賀で映画を撮るのでスタッフとして入りませんか? と声をかけられるとすごく嬉しいんです。自分が映画監督として成功したり稼ぐというよりも、若い人の活動の場を作りたいという気持ちで映画づくりをやっているんですよね」
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