取材・文/編集部 一柳

Eiji Watanabeさん
https://www.filmjourney17.com/


能面師 中村光江〜面と対話する世界〜


自主制作作品。40年間能面と向き合ってきた中村光江師の能面を打つ姿、能面の魅力、能面に対する想いに迫るドキュメンタリー。日本の伝統文化を後世にという想いで制作した。



TRIGGER MV『色彩』


名古屋を拠点に活動する4人組ロックバンド“TRIGGER”。
恋心をキャッチーなメロディにのせたデジタルシングル『色彩』のミュージックビデオを制作した。


nuno ni shitai(ヌノニシタイ)


地元の素材を使用し製作された帆布の鞄。ブランドコンセプトのツナガル×キッカケを念頭に、作り手、地域のストーリーがこの商品を通じて伝わってほしいという想いを込めて制作。



林業から映像制作へのシフト

琵琶湖の西岸にある高島市で生まれ育ち、そこで15年近く、林業を生業にしてきたEiji Watanabeさん。40歳を目前にして、「ひょっとしたら人生の折り返しぐらいに来てるのかなと思ったときに、林業も嫌いな仕事ではないし、やりがいを感じていたんですけど、自分の中で何かワクワクドキドキが溢れてくるようなことをしたいという思いが募ってきて」

ちょうどその頃、YouTubeで小さいカメラでも映画のような映像を作れるということを知って、自分もやってみたいと思ったという。映像制作はほぼ初心者。かつて20代前半に東京に出て番組制作会社にADとして1年務めたがすぐに挫折したことはあった。あの頃とは機材も時代もなにもかも違う。これから映像制作会社に入るのも年齢的に難しいので、とにかくYouTubeで機材のことを学び、撮影や編集の方法、制作のマインドについて急速に吸収し始めたそうだ。

そこから林業と二足の草鞋を履きながら、映像制作にシフトチェンジしてきた。今では林業はたまに頼まれるとチェンソーを持って出かけるそうだが、わずか2年で映像制作がメインになっている。

初心者レベルからどうしたらそんなに早く映像制作の仕事を請け負うまでに至ったのだろうか?

人に出会い、知らない世界を知る面白さ

「最初は全く伝手がないので、自分の練習、経験のためもあるし、自分がどれくらいのものが作れるかというを示すポートフォリオが必要だと思って、お金をいただかず、撮らせてもらいました。守山市の勝部の火まつりを知って、すぐ連絡して撮影させていただき、編集して納品したときにものすごく喜んでもらえたんです。そのときに映像制作の面白さを実感しました。自分は、歴史とか職人に興味があるので、そういった映像をどんどん作っていきたいと思いました」

京都にいる能面師の中村さんの存在を知り、すぐに連絡して撮らせてもらった(上の作例参照)。

山仕事をしていると、新しい人と接する機会もなく、苦手意識があって閉ざしているところがあったが、映像制作はそういうわけにもいかず、どんどん人に会いにいくうちに、関係性ができて、繋がった方から仕事を依頼されたり、一緒に仕事をするようになってマーケティングやブランディングの映像の仕事が広がっていった。

「林業はその日の作業が終わったら終わりで、休みの日は完全にオフなんですけど、映像の仕事は一切そういうことがなくて考えることはあるし、撮影が終わったら編集作業があるし。でも、編集の作業自体も楽しいんですよね。何よりも映像制作の仕事で楽しいのは、ふだんの自分の生活では触れられないことに入っていけて、話を聞けて、感じられること。それがこの仕事のやりがいだと思っています」

仕事も楽しくて充実しているが、やっぱり作品づくりが一番楽しいというEijiさん。「1年に1、2本は、自分のポテンシャルを一番引き出せるテーマを決めて作っていきたいです」

ガジェットも大好きなEijiさん。YouTubeを見てカメラはソニーを選択。FX3、α7S III、ZV-E1を購入し、レンズは純正のEマウントで揃える。
Eijiさんの編集環境。こちらもYouTubeでいろいろなクリエイターの環境をチェックしながら自分なりにセレクトしていったもの。MacBook Proをメインに編集用にワイドモニター、資料表示用に縦位置モニターも用意するなどトリプルモニタースタイルで。キーボードとマウスはロジクールで、各機能を割り当てる。YouTubeチャンネルでデスクツアーとして紹介しているので、ぜひチェックを。




VIDEO SALON 2026年2月号より転載