Antigravityは、グローバルプロジェクト「Project ETERNAL」を4月23日に発表した。
「Project ETERNAL」は、AntigravityとInsta360が、国際文化遺産機関や世界有数の文化遺産保護NGOであるCyArkと連携して展開する、世界規模の文化遺産保存イニシアチブ。
360度全景撮影技術と3Dガウススプラッティング(3DGS)を活用し、ユネスコ世界遺産から個人にとって大切な場所まで、あらゆる記憶を、まるで生きているかのような没入感で自由に探索できるデジタルレガシーへと変換・保存する。
3D 技術を通じて文化や個人の記憶を保存することを目的としたグローバルな取り組みで、ドローンの知見を持った世界中のクリエイターとともに、プロジェクトを創作。世界有数の文化遺産保護NGOであるCyArkと共同で、チヴィタ・ディ・バーニョレージョ(天空の町)などの著名な遺跡の3Dモデル、3Dインタラクティブウェブページ、および記録ショートフィルムを公開する予定だという。
「Project ETERNAL」は、以下のふたつの重要な理念に基づいて展開される。
第一の理念:「非介入型保存」
従来の記録手法は物理的な干渉を伴うことが多く、手持ち撮影や地上設置型デバイスでは、建物の屋上や高木の頂部、複雑な地形の俯瞰視点の取得が困難だった。
その結果、3Dモデルの上部に「空洞」やテクスチャの引き延ばしといった歪みが生じる課題があった。 これに対し、Antigravityの「A1」ドローンを活用することで、249gの軽量ボディによる撮影が可能になり、文化遺産などの繊細な環境においても、影響を最小限に抑えながら高精度な記録を実現する。
第二の理念:「技術の民主化」
Insta360の全天球撮影技術とAntigravityの空撮プラットフォームを融合することで、空地一体型の撮影エコシステムを構築し、一度の撮影で全方位データの取得が可能になった。 この技術革新により操作のハードルが大幅に下がり、一般ユーザーでもシンプルな旋回飛行だけで、3Dガウススプラッティング(3DGS)に必要な高品質素材を収集できるようになる。
さらに、3DGSプラットフォーム「Splatica」との提携により、1,000回分の無料アップロード(1回あたり10分)を提供。360度動画を簡単に3Dモデルへ変換できる環境を整備している。

イタリアにおけるパイロットプロジェクトを実施
同プロジェクトの一環として、AntigravityはCyArkと協力し、イタリアにおけるパイロットプロジェクトを実施する。チヴィタ・ディ・バニョレージョおよびポンペイを対象に、高精度な3D Gaussian Splattingモデルを構築。
チヴィタ・ディ・バニョレージョ(Civita di Bagnoregio)は、イタリア・ラツィオ州に位置する、渓谷に囲まれた断崖の上に佇む小さな村で、幻想的な景観から、日本映画「天空の城ラピュタ」のモデルの一つともいわれ、「天空の町」として知られている。 一方で、浸食や地滑りにより崩落が進んでおり、「死にゆく町」とも呼ばれている。世界記念物基金(WMF)の「危機に瀕した建造物100選」にも選定されている。
「Project ETERNAL」は、非侵襲的なパノラマ収集とガウススプラッティング技術を通じて、これらの貴重な文化遺産を、長期保存・体験・共有が可能な3Dデジタルツインへと変換する。
さらに、世界中のクリエイターが同プロジェクトに参加し、ローマの古代劇場や済州島などのデジタルツインを制作。その過程や成果をSNSで発信していくという。 同時に、「もし一つの場所を永遠に残せるとしたら、どこを選びますか?」をテーマとしたグローバルUGCキャンペーンも開始。
参加者は思い出の場所を撮影し、Splaticaを通じて3Dモデルを生成し、ストーリーとともに共有することができる。テクノロジー、アート、文化分野の専門家による審査により優秀作品が選出・表彰される。
「Project ETERNAL」は今後、世界中のクリエイターとコミュニティをつなぐグローバルIPとして発展し、かけがえのない記憶を未来へと残していくことを目指すとしている。
A1全方位ソリューションの社会実装
「Antigravity A1」は、「まず撮影し、アングルは後から決める」という革新的な体験を提供。8K・360度の高画質と249gの軽量設計、直感的な操作性は、ドローンを専門ツールから「誰もが自在に操れるデバイス」へと進化させ、空域活用の可能性を再定義した。
一般社団法人日本低空経済振興会(LEAD-J)は、最先端技術の普及を通じて、日本の産業インフラ全体の高度化を強力に推進するため、A1の持つ「一度の飛行で全方位を記録し、撮り直しを不要にする」圧倒的な撮影効率を活かし、現地調査やデジタルツイン構築、観光資源の活用、鳥獣害対策など、高度な専門技能に依存せず現場課題を完結させる具体的なソリューションの検証を展開している。
防災イベントにおける検証では、「一度の飛行で全方位の空間情報を網羅できるA1は、迅速な意思決定が求められる災害現場において極めて有効である」と評価している。
◉詳細情報
https://www.antigravity.tech/jp/project-eternal/gaussian-splatting
