コミュニケーションカメラCM1を日本市場に投入するパナソニック
まずは海外で先行発売し、日本でも3月中旬に発売する1型センサー採用のスマホカメラ、DMC-CM1を大々的にプッシュしたパナソニック。この新機軸のジャンルを、メーカーとしてはをコミュニケーションカメラと名付けている。アンドロイドのスマートフォンに、20Mの1.0型高感度MOSセンサーを搭載。小型薄型化技術により、最薄部15.2mmとポケットサイズを実現した。会場では、そのコンセプトや技術内容を説明するとともに、実際に手にとって試せるようになっていた。
レンズは35mm判換算で28mmのライカDCエルマリートレンズを採用。開放F値はF2.8。レンズ周りのリング部分は回転する機構になっており、絞りやシャッタースピード、ISO感度をダイヤルで調整することができる。
アダプターリングなどを介して、コンバージョンレンズを使用することもできる。
動画は、フルHDは30pまでで、4K(3840×2160)は15pまで(秒15コマ)。動画としてはどうしてもパラパラ感が出てしまうので、CM1では4K動画をアピールするのではなく、撮影した4K動画から高画質な静止画の作成が可能な[4K PHOTO]をアピールしていた。また新開発アプリとして、「4Kプリ連写」を搭載。これはシャッターを押した前後1.5秒を4K画質で収録。45枚の画像から決定的瞬間を選んで、その後で残すことができるというもの。
会場では、4K解像度を持つタブレットPCで1コマ保存の画像の精細さをアピールしていた。
CM1は、デジタルカメラでありながら、アンドロイドOSを採用したスマートフォンでもある。SIMロックフリー仕様で、通話対応のmicroSIMカードを利用することで、通話にも対応する。
液晶パネルは、4.7型の622万ドットのタッチパネルモニターで、画像の一覧はもちろん、簡単なレタッチもでき、さらにSNSへのアップロードやクライド(Googleドライブ)への自動保存にも対応している。
ビデオサロン読者にはおなじみのGH4は、4K収録に対応したアトモス社のSHOGUNと組み合わせて展示されていた。GH4の内部記録では、4:2:2: 8ビット(4K)だが、HDMIからの外部出力は4:2:2 10ビットにも対応するので、さらにクオリティの高い4K映像を収録できるようになる。さらに今後、GH4は、Log撮影に対応することもアナウンスされている。10ビットLogの映像がHDMIから出力されるようになると、さらに画質(階調表現)を求められる現場で使われそうだ。
新製品を大量投入したキヤノン
CP+の直前にデジタルカメラを中心に大量の新製品を発表したキヤノン。最大の話題は約5060万画素のCMOSセンサーを採用したEOS 5DSとEOS 5DS R。基本的には広告写真家向けではあるが、風景撮影を趣味とするアマチュアが順番待ちをしていた。入門機としてはEOS Kiss X8iと、新しいシリーズとなるEOS 8000Dも投入。またEOS Mシリーズもやや路線を変更したM3が登場。すべて実機が触れるようになっていた。
動画ユーザーにとって注目なのは、EOS 8000DとEOS M3に採用されたハイブリッドCMOS AF IIIによる高速AF。撮影シーンによっては位相差AFのみでの合焦が可能になるという。会場では鉄道模型を用意し、動いている模型にすっとピントが合うかどうかを検証できるようになっていた。バリアングル液晶モニターやタッチシャッターとの組み合わせで、よりライブビューでのAF操作は快適になった。
もうひとつの注目は超広角で歪みの出ないズームレンズ、EF11-24mm F4L USMだ。非球面レンズとして世界最大口径となる外形87㎜の研削非球面レンズを含む4枚の非球面レンズを採用することで、11mmの焦点距離を実現。人間の視界をワンショットで収めることができる。しかも広角レンズで発生しやすい歪曲収差を抑えている、動画で景色が流れたり、カメラが動いても周辺の違和感が少なく、ダイナミックな映像を撮影することができる。モニターでは動画での使用例を流していた。価格は45万円とひじょうに高価だが、動画でどんな表現ができるのか気になるレンズだ。
これは製品ではなく、技術展示。以前からキヤノンの展示会などでもアナウンスされている1.2億画素!という超高画素のCMOSセンサー。人間の目の視細胞相当の画素数を持ち、映像制作や監視、航空、宇宙などの分野への応用を想定している。一応動画用と謳われているが、現時点では9.5fpsであり、任意の領域をフルHD動画として切り出し可能としている。
●過去のCP+レポート一覧はこちら
http://www.genkosha.com/vs/report/cp_plus/