マルチカメラ配信でも使えた!ソニーXperia PRO接続テスト


4K/HDR対応の21:9有機ELモニターを採用したXperia PRO。αをはじめとした動画カメラの外部モニターとして使える初めてのスマートフォンということで話題を集めたが、今回はいろんなカメラにつないでみた。また、接続したカメラ映像をライブ配信できるということでその2点を主にテストした。

テスト・文●編集部 萩原

 

ソニーαシリーズの外部モニターとしても使えるということで、映像制作者の間でも話題になったXperia PRO。約25万円となかなかなお値段のスマホだが、「実際どのカメラにつないで使えるの?」というところが、まずは気になった。

 

さすがに色々なカメラをいっぺんに集めるのはなかなかに大変なので、今回は中野にある中古カメラ店のフジヤカメラさんにご協力いただき、お店に展示されているカメラにXperia PROをつないでテストすることに。昨年、オープンしたばかりの動画館にお邪魔した。

 

▲笑顔が素敵なフジヤカメラ動画館・店長の川崎さん。急なお願いにもかかわらず、ご協力いただき感謝。

 

主要な一眼・シネマカメラ・ビデオカメラにつないでテスト

今回はお店に展示されていたカメラ15機種と接続してみた。結果としては下の表の通り。

カメラ HDMI端子 外部モニターとして使える 画面表示消せる 備考
キヤノンEOS R5 micro(TypeD) HDMIを差すとカメラ液晶が消える
キヤノンEOS R6 micro(TypeD) HDMIを差すとカメラ液晶が消える
キヤノンEOS C70 Full(TypeA) HDMI出力設定を720pに設定したら映った
キヤノンXF405 mini(TypeC) ×
ソニーα7S Ⅲ Full(TypeA)
ソニーα7 Ⅲ micro(TypeD)
ソニーFX6 Full(TypeA)
ソニーZ90V Full(TypeA) ×
パナソニックS1H Full(TypeA)
パナソニックS5 micro(TypeD)
パナソニックGH5S Full(TypeA)
パナソニックX2000 Full(TypeA)
富士フイルムX-T4 micro(TypeD)
ブラックマジックデザインBMPCC 4K Full(TypeA)
ブラックマジックデザインBMPCC 6K Full(TypeA)

※テスト結果は2021年3月4日時点のものです。

ほぼすべてのカメラで外部モニターとして使えたが、ソニーとキヤノンのビデオカメラではHDMIの信号が認識できなかった。また、EOS R5/R6ではHDMIを差すとカメラ本体の液晶画面が消えてしまった。

 

拡大フォーカスやガイド表示もできる外部モニター用アプリ

Xperia PROには「外部モニター」アプリが用意されており、スマホ本体のカスタムボタンに割り合っててワンタッチで呼び出すこともできる。

▲最大入力解像度は2160p。画面解像度は3840×1644ドット。約6.5インチ/有機EL シネマワイド(21:9)ディスプレイを採用。画面左上には入力信号、画面右側に各種メニューが表示されている。

 

▲ピンチイン/アウトの操作で拡大フォーカスも可能。倍率は最大4倍。

 

▲ガイド表示。3分割や方眼、方眼+対角(写真)のガイドを表示できる。

 

スイッチャーのPGM出力もつながった

公式サイトでもアナウンスされているが、αとHDMI接続したカメラ映像をXperia PROを通じて、ライブ配信することもできる。まだまだ対応エリアは限られるものの、5Gミリ波に対応しており、広帯域の安定したライブ配信が可能だという。つまり、モニター付きライブ配信エンコーダーとして使えるということ。

そうなると「これってスイッチャーとつながるの?」ということも気になってきた。実際に試してみると、フジヤカメラに展示されていたブラックマジックデザインATEM Mini ISO、ローランドV-1HD+、編集部にあるATEM Miniには問題なく接続できた。

 

スイッチャーとつないでライブ配信のテスト

まずは実際の配信映像をどうぞ。

▲YouTubeの純正アプリで配信した映像。最大で720pになる。

▲Larix Broadcasterというアプリで配信すると1080pで配信可能。

 

▲YouTubeアプリの設定画面

スイッチャーからの出力をXperia PROにつないだ状態で、YouTubeアプリを立ち上げ、アプリの「+」ボタンから「ライブ配信を開始」を選ぶと上の画面になる。画面上のカメラの切り替えボタンを何度かタップすると、スイッチャーから入力した映像が表示される。あとは、諸々の設定をして「ライブ配信を開始」ボタンを押すだけ。手軽にライブ配信ができるのはうれしいが、配信解像度は最大720pとなる。

Larix Broadcasterでの配信中の画面。こちらも左中央にあるボタンを数回タップするとスイッチャーからの映像が表示できた。左側に音声レベルメーターが表示される。左上にはフレームレートと配信時間の表示。左下では配信先、配信ビットレートも確認できる。

 

720pではやはり物足りないということで、Larix Broadcasterというアプリを使ってみたところ、1080p以上で配信することができた。このアプリを使えば、YouTube以外のプラットフォームで配信することもできる。ただし、YouTube純正アプリほど手軽にはライブ配信できない。一度、WEBブラウザでYouTubeにログインし、ライブ配信の設定を済ませたのち、ストリームキーをアプリに設定する必要があった。

▲アプリ画面右上にある歯車マークをタップすると各種設定が見られる。

 

▲「Video parameter」にある「Video size」で1920×1080を設定できた。

 

▲メニューから「Connections」>「New outgoing connection」を選ぶとこの画面が表示される。

 

アプリでのコネクションの設定。「Name」はわかりやすく「YouTube Live」と設定した。「URL」の項目には「rtmp://x.rtmp.youtube.com/live2/xxxx-xxxx-xxxx-xxxx」。「xxxx-xxxx-xxxx-xxxx」の部分には予めYouTubeでライブ配信の設定を済ませておき、そこにあるストリームキーを入力する。「Target type」は「RTMP authorrization」を選択。「Login」「Password」はお使いのYouTubeのログイン情報を入力する。

 

あとは、WEBブラウザでYouTubeのライブ配信を開始した状態で、アプリの画面に戻り右側の赤いボタンを押せば配信がスタートする。画質はキレイに配信できるものの、やや手間がかかってしまう。欲を言えば、YouTubeアプリのように手軽に配信できるライブ配信アプリが、ソニー純正として出てくると、ユーザーも安心して使える気がした。

 

まとめ

Xperia PROは外部モニターとして見ると、正直25万という価格を高価に感じてしまうかもしれない。しかし、有機ELモニター付きのライブ配信用エンコーダーとして見ると、むしろ安価にも思える。今回、スイッチャーとも接続できることがわかり、今後5G回線の使用エリアが拡大されてくると、これを活用した屋外でのマルチカメラ配信も増えてきそうだ。Xperia PROは、今後のライブ配信コンテンツの幅を広げてくれる可能性を感じさせてくれるスマホだ。

 

●Xperia PROの製品情報

https://www.sonymobile.co.jp/xperia/xperiapro/