キヤノンから登場する新型ビデオカメラに注目が集まっています。小型ボディに4K/60pをはじめとする本格的な撮影機能を網羅。これからの映像制作を牽引していくカメラの1台になること間違いなしのモデルとして発売前から人気を博していましたが、ついに発売が開始されました。ビデオサロン12月号では、この3モデルの魅力と実力を明かす別冊付録(全24ページ)にまとめましたが、ここではそのダイジェストと関連動画をお届けします。レポートと解説のフルバージョンはぜひ12月号をお読みください。

◎活用事例~①鉄道&風景 / ②イベント収録の現場 / ③ドキュメンタリー取材の現場

活用シーン①に登場していただいたのは、「撮り鉄」のカメラマン・村上悠太さん。普段はEOS MOVIEで鉄道動画を撮影していますが、今回はiVIS GX10で4K/60p動画に挑戦していただきました。

【レポートからの抜粋】
鉄道のスチル撮影を専門としている筆者だが、数年前よりキヤノンEOS MOVIEで「てつ動画」という鉄道の動画作品を制作している。写真家として動画に真剣に取り組むというのは実に刺激的な経験であり、毎回大きな発見がある。
今までフルHDで撮影をしてきたが、今回iVIS GX10(以下GX10)で初めて4K 撮影に挑戦することになった。4K 画質の素晴らしさは知っていたが、いざ自分がいつも撮っているフィールドに4Kカメラを持ち込んでみると、その驚愕の画質にあらためて息をのむ。瑞々しい朝の駅、紅葉の峠、迫力ある列車のディテール。60フレームの滑らかな動感表現も相まって、臨場感にあふれる鉄道の姿を映し出してくれた。

山形県陸羽東線の情景を 4K/60p動画で精緻に描き出す(動画からの切り出し、以下同)

800%にクオリティアップしたWide DR。空のハイライトのグラデーションも美しく再現

ほか、村上さんの作例やGX10の使い勝手については、ぜひ誌面と動画でご確認ください。

iVIS GX10 鉄道映像「Rail Scape」【キヤノン公式】

 

活用シーン②イベント収録の現場、活用シーン③ドキュメンタリー取材の現場でレポートしてくださったのは、本誌筆者でもおなじみの栁下隆之さん。XF405を携えての2つの現場で、この1台がひじょうに有用に活躍することを実感したといいます。

 

【レポートからの抜粋】

筆者の場合、ムービー制作のみならず店舗取材やイベントの記録などを依頼された場合でもたいていの場合は一眼や大判センサーの業務機で撮影している。しかしながら、ピントのシビアさや、レンズ交換の面倒さ、高倍率ズームレンズの光学性能の限界など、使い勝手の面で何かと不満があるのが実情だ。1型センサー等のビデオカメラに興味がないわけではなかったが、それらのカメラをじっくりと試せる機会がなかったことに加えて、低照度下でのノイズの問題などを耳にして敬遠していたこともある。
1.0型センサーのビデオカメラについては、以前キヤノンXC10に触れたことがあり、まずまずの優秀さだという認識だった。今回、XF405で自転車店を題材にムービーを制作してみて、このカテゴリーのビデオカメラが、というよりキヤノンの最新ビデオカメラが、大きな進化を遂げていることを体感させられる結果となった。SDカードのダブルスロットによるバックアップ記録、4Kで充分な解像感を発揮する光学15 倍ズーム、そして何より4K/60p 記録が可能になったことで、次世代放送規格への対応というだけでなく現状のフルHD 完パケの仕事についても応用力が大幅に拡大したと言える。このことは競合製品に対しても大きな差別化となるだろう。
XF405の率直な感想を言うならば「隙のないカメラ」という表現がちょうど良い。キヤノンが本気で作り上げた製品であり、死角のないカメラだと心底感心した。

ドキュメンタリー収録の現場で活用されるXF405。安心のAF性能をはじめ、撮影機能や音声収録の面でもひじょうに有能。

デュアルピクセルフォーカスガイドが4K 撮影のシビアなピント合わせを強力にサポート。合焦、非合焦のみならず前ピン後ピンの状況を視覚的に表示してくれるので、AFでは難しい被写体でも正確かつ迅速にフォーカスインできた。

XF405 インタビュームービー「a small bicycle shop」【キヤノン公式】

 

イベント収録でも、ラフティングやMTBなどの機動力を求められるシーンから、昼夜の舞台などまで幅広く対応。

XF405 イベント記録映像「チャレンジフェス」【キヤノン公式】

 

◎別冊付録後半は使いこなし解説

冊子の第2部としては、XF405 / XF400 / iVIS GX10を賢く使いこなす上で知っておきたい操作術を多数掲載。撮影機能が豊富なカメラだけに充分理解しておきたいところで、菅原 安さんのレポートをじっくり読んでいただきたい。

【レポートからの抜粋】
高画質4K/60p、高速高精度AF、新開発のCMOSセンサーやズームレンズなど、すべてを刷新したキヤノンの小型ハンドヘルドビデオカメラ=業務機のXF405・XF400、そして家庭用機のiVIS GX10(以下GX10)。いずれも片手で持てるハンディ機だが、ハンディ(Handy)には「便利な」「器用な」「役に立つ」などの意味もあり、正しく言葉通りの小型機の登場と言える。ここではこの3 機が持っている特長や実力を把握し、使いこなすコツを紹介していきたい。
その前に少し現状のおさらいといこう。最近の動画機は、動画対応の一眼系スチルカメラとテレビ放送で養われてきたENGタイプ(家庭用コンパクト機も含む)の二通りに分かれる。XF405/XF400、GX10は後者のENGタイプに属するが、デジタル一眼などボケ味の大きなカメラから動画の世界に入ってきた人はこのタイプに戸惑うかもしれない。
この3 機種が属するハンディタイプはレンズ一体型のオール・イン・ワンタイプであり、特長はワンチャンスを逃さないよう的確に素早く対応できる操作体系が基本。例えばNDフィルターだが、自然な動きを重んじる動画撮影では、シャッタースピードは人の目と同じ感覚で適度に流れる1/60~1/100秒辺りが標準的な値。そこで濃度の違う数種類のNDで扱いやすい光量にし、絞りで微調整するのが操作の基本となるが、スチル機ではNDは外付けだったりビデオカメラでもND 設定をマニュアル操作できない機種も多い。しかし今回の3 機には3 濃度のNDがしっかり装備されている点はポイントが高い。
露出は【P・Tv・Av・M】から選ぶスチルでは基本のスタイルなので、分かりやすい。露出以外にフォーカス操作も動画特有の操作体系に特化している。


日の出のシーン ND1/16 LOOK2(Wide DR)

◎キヤノン 製品サイト
XF405/XF400
http://cweb.canon.jp/prodv/lineup/xf405-xf400/index.html

iVIS GX10
http://cweb.canon.jp/ivis/lineup/gx10/index.html

キヤノン XF405/XF400/iVIS GX10 スペシャルサイト

http://cweb.canon.jp/prodv/special/4k-dv/index.html