以前の記事ではNebula4200 5-axisの旧機種との違いや特徴、使用感について紹介したので、ここではバランス調整について触れてみたいと思います。

カメラをジンバルに載せる前に重心を確認する

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▲丸パイプなどを用いて、カメラの前後方向の重心を確認します。この重心位置よりもやや前方にカメラ台座を取り付けます。
 先ずは台座にカメラを取り付けます。その際に、ロッドなどを用いてカメラ+レンズの前後の重心位置を探し、台座の中心が重心の少し前方になるように取り付けます。こうする事で、カメラ後方への調整範囲を増す事が出来るので、NDフイルター装着など、運用中でのバランス再調整に対応し易くなります。

カメラをNebulaに装着する

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▲調整する際は、グリップ中央のネジを利用して、テーブル三脚などで固定すると作業がスムーズ。
 次にカメラをジンバル本体に装着します。レンズを水平のままで前後方向のチルトバランスを大まかに合わせ、そのままレンズを垂直に向けて前後方向(先程の上下方向)のチルトバランスを追込みます。次にロール(カメラの左右)方向を調整し、最後にもう一度最初に行ったカメラの前後方向の調整を追い込みます。
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▲カメラの前後の重心とプレートの位置関係。台座へのカメラ取付はコインなどは避けて、マイナスドライバーでしっかりと固定する事をお勧めします。
 ここまでの作業で、カメラをチルト及びパン方向に傾けても、静止するのが理想のバランス状態です。どうしても静止するまで追い込む場合は、一連の作業をもう一度繰繰返し行う事で、更に調整を追い込む事が出来る筈です。チルト方向に調整が上手く出来ないと感じた時は、カメラ上下方向のチルトバランス調整に特に気を使って調整してください。最後にグリップの付け根の、パン軸のバランスを調整すれば、すべての調整が完了です。要領が掴めれば、5分程度で完了出来る作業だと思います。
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▲側面がカメラを前後させるチルト調整、底面が左右に動かすロール調整のロックレバー
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▲カメラ上下方向のチルト調整レバーはこの位置にあります。
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▲完全にバランスが取れると写真のように傾いた状態で静止します。ロール方向以外にも、チルトやパン軸も途中で静止する状態になるまでバランス調整を追い込みましょう。

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▲パン軸調整部と固定レバー。上下ティルトのカメラワークを用いたい場合は、パン軸のバランス調整も入念に行います。4000の時はネジ位置変更での3段階であったが、4200では微調整が可能になりました。
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▲何の仕掛けもなく倒立しています。これはグリップを中心に前後左右のバランスが綺麗に保たれている証拠です。シングルハンドで操作する際には真下に負荷が掛かってくるため、保時している腕に掛かる負担を減らすことにもつながります。

軽いカメラをつける場合は注意

 後は電源を入れて操作するだけですが、 以前の記事でも触れた通り、軽いカメラではモーターゲインが高すぎて、振動が発生する場合があるので要注意です。また、水平が合っていないと感じた場合は、動作モード変更ボタンを5回押して、ジャイロセンサーのキャリブレーションを行うこともできます。キャリブレーションを実行する際は、カメラがきちんと水平を認識するように平らな場所に固定して行うようにしましょう。
 調整のコツが多少でもお伝え出来ただろうか。 バランス調整をお座なりにすると、モーターに常に負荷が掛かった状態になる為、モーターが過熱して保護回路が動作を停止させる事があります。撮影中にこの様な事が発生しない為にも、可能な限り正確にバランス調整する事をお勧めします。
それでは良きジンバルライフをお過ごしください!


●Nebula4200 5-axisの製品情報
http://digitalhobby.biz/products/detail.php?product_id=586