ブラックマジックデザインは、MGMとパラマウントの製作によるアクションアドベンチャー大作「ベン・ハー」の撮影にBlackmagic Micro Cinema Cameraが使用されたと発表した。
Toby Kebbell plays Messala Severus and Jack Huston plays Judah Ben-Hur in Ben-Hur
from Metro-Goldwyn-Mayer Pictures and Paramount Pictures.Photo credit: Philippe Antonello©
2016 Paramount Pictures and Metro-Goldwyn-Mayer Pictures Inc. All Rights Reserved.
「ベン・ハー」は、同名の小説をチャールストン・ヘストン主演で実写化した1959年の映画が広く知られているが、本作はティムール・ベクマンベトフ氏が監督し、ジョン・ヒューストンの孫であるジャック・ヒューストン氏を主役に据えて新たにリメイクしたもの。日本では2017年に公開が予定されている。
Toby Kebbell plays Messala Severus and Jack Huston plays Judah Ben-Hur in Ben-Hur from Paramount Pictures and Metro-Goldwyn-Mayer Pictures. Photo credit: Daniel McFadden ©
2016 Paramount Pictures and Metro-Goldwyn-Mayer Pictures Inc. All Rights Reserved.
Micro Cinema Cameraが使用されたのはオープニングシーン。サーカス・ティベリウスと呼ばれる戦車競走が行われる競技場のCGワイドショットで始まり、その後、シーンはサーカス・ティベリウスが建設される前の骨組みを映した8年前のシーンへと移り変わる。そこではベン・ハーと幼なじみであるメッサラの2人が全速力で馬を競争させている様子を描き、互いに引けを取らない2人の青年の友情と、彼らを待ち受ける出来事の前兆を映し出す。
ベン・ハー役のジャック・ヒューストン氏もメッサラ役のトビー・ケベル氏も乗馬に長けていたため、ベクマンベトフ監督は彼らが馬に乗る姿をオープニングのほとんどに使用したそうだ。この撮影を担当したセカンドユニット撮影監督のセルゲイ・コズロフ氏によると、ベクマンベトフ監督はこのシーンで俳優たちが見せる感情と烈しさを捉えるために、2人の顔に可能な限り近づいて撮影することを希望したという。
「そこで、小さなカメラを使おうというアイデアが出てきたんです」とコズロフ氏は語る。「スタントマンが俳優たちの横で馬を走らせながら手持ちできたり、スタビライザーのスティックやMoVIのリグにマウントできる小さなカメラである必要があったのです。スタントマンはMicro Cinema Cameraを使って、馬を走らせる2人の顔の素晴らしいショットを撮ってくれました」
これらのショットは、スタントマンがMicro Cinema CameraをマウントしたMoVIをEasyrigで支えながら持ち、コズロフ氏が少し離れたところからモニター付きのMIMIC コントロールシステムを使って、手持ちスタイルを保ちながらカメラを操作して撮影された。
「もっとワイルドな方法は、広角のRokinon 7.5mm MFTレンズをMicro Cinema Cameraに取り付けてスタントに渡したことですね。腕を伸ばしてカメラ単体を役者の顔に向けて撮影したのですが、それだけでいくつか良い映像が撮れました。Micro Cinema Cameraはひじょうに軽くてコンパクトなので、予測もできないような場所にリグ付けしたり、マウントしたりするのにうってつけのカメラだと思います」と同氏。
様々なアングルを捉えるため、コズロフ氏と彼のチームはMicro Cinema Cameraを馬にもリグ付けしてみたそうだ。カメラをストラップに付けて馬の腹部にぶら下げたり、鞍の横に付けたとのこと。
「面白みがあって新しいアングルに加え、監督は劇場映画品質のアクションショットを欲しがっていたので『ビデオっぽい』ワイドアングルを避けていました。オープニングシーンは日中のシーンだったので、明るい日光の下ですべてを撮影しました。空や雲のハイライト部を良好に保ち、最大のレンジを得るためにはRAW収録はとても重要でした。Blackmagic Micro Cinema Cameraは、広ダイナミックレンジとRAW収録に対応し、優れたMFTレンズを使えるという強みを与えてくれるカメラです」と、コズロフ氏は締めくくった。