櫻井雅裕のNABレポート~フジノン編
単体レンズのみならず、レンズ一体型カメラ向けOEMなど、放送分野のレンズとしてのみならず、シネレンズなど映画やCM分野でも高い評価を受けているフジノン。
例年通り定番のテスト撮影コーナーを設ける一方、新たなシリーズとして、遂に、以前からアナウンスされていた、シネカメラ(映画用カメラ)用の35mmPLマウントレンズがお披露目された。
ビデオカメラ用レンズではフジノンとキヤノンの日本勢2社で全世界シェアの大半を押さえている一方で、35mmPLマウントレンズと言えば、カールツァイスやクーク、アンジェニューなどの独壇場だった。日本勢として初めてフジノンがこのフィルムマーケットのレンズに参入する。
35mmと言えど、映画用35mmサイズの撮像素子を搭載し、PLマウントを採用するソニーのF35や、ARRIのD20やD21、RED Oneなどに代表されるデジタルシネマトグラフィーカメラ(この分野は中身はビデオカメラでもなぜか「ビデオ」と呼ばない)にも利用できる。もちろん、DoPアダプターを介せば、従来の放送用ビデオカメラのみならず、プロシューマー機でも利用可能だ。今回発表されたレンズは3種類で、すべてズームレンズ。14.5-45mm、18-85mm、75-400mmの3本。NAB全体の方向性としてカメラのシネスタイル運用を押し出した展示が多い中で、フジノンも例にもれず、シネスタイルを押し出した展示となっていた。