【レポート】 ショートショートフィルムフェスティバル&アジア ドローン クリエイティブセミナー ~DJIがもたらす映像クリエイティブの未来


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 6月2~21日の間、東京(5会場)・横浜(1会場)を中心に開催中の「ショートショートフィルムフェスティバル&アジア2016」。6月5日に表参道ヒルズのスペースオーにて開催された「ドローン クリエイティブセミナー ~DJIがもたらす映像クリエイティブの未来~」の模様をレポートする。
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 ▲セミナーの冒頭はDJI JAPAN代表の呉稲(ご・とう)さんが登場し、DJIやPhantom 4についてのプレゼンテーションが行われた。舞台袖から登場したPhantom 4をハンドキャッチする呉さん。
 セミナーは2部構成で第一部は映画コメンテーターのLiLiCoさん、俳優で同映画祭の主宰でもある別所哲也さん、DJI JAPAN代表の呉稲さんによるトークセッション。
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▲第一部トークセッションの模様。
 第二部はDJI JAPANの映像チームがDJI のInspire 1 RAW とOsmo RAW のみを使い撮影したショートムービー『あの日、桜に残した声を訪ねて』の本編とメイキング映像の上映、そしてプロデューサーを担当した熊田雄俊さん、パイロットを担当した中村 佳晴さんによるトークセッションが行われた。両セッションのモデレーターは雑誌WIRED副編集長の年吉聡太さんが務めた。
 映像制作者の読者が多い本誌では第二部の内容を中心に紹介していく。
 

DJI Inspire 1 RAWとOsmo RAWで撮影した
『あの日、桜に残した声を訪ねて』


 先立って、本誌のレポートでもX5Rのワークフローを解説してくれたアルマダスの吉田泰行さんがディレクターを務めて、3人体制制作したショートムービー。

 会場でも上映されたメイキングムービー。

第二部トークセッション

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▲第二部トークセッションの模様。
年吉(以下・敬称略)●早速なんですが、お二人が今回の映像の中でどんな役割を果たしたのか、先ほどのメイキングでもありましたけど、改めて自己紹介がてら、それぞれお話いただけますでしょうか。
熊田●本日はご来場いただきありがとうございます。DJI JAPANのディレクター・プロデューサーを担当しております熊田です。今回の短編映画ではプロデューサーとしてスケジューリングだったり、現場の制作とともにドローンのカメラのほうの操作を担当させていただきました。
中村●みなさん、本日はお越しいただき、ありがとうございます。私はDJI JAPANのドローンパイロットであります、中村と申します。今回の映像ではInspire 1 RAWという機体でパイロットを務めさせていただき、地上撮影ではOsmo RAWというカメラで僕がOsmoを持って熊田のほうがカメラを操作するという二人体制で撮影させていただきました。
年吉●おもしろいのがDJIって、社内に映像ディレクターがいて、パイロットがいて、2人ともDJIの社員なんですよね?
熊田●はい、そうです。
年吉●今、JAPANには同じような仕事をされている方というのは何人くらいいるんですか?
熊田●映像を担当しているのは私と中村のみですね。
年吉●グローバルだとそういう方はどのくらいいるんですか?
熊田●グローバルですと、本社が中国の深センなんですけど、そちらですと、ビデオチームというのがありまして、あとヨーロッパならヨーロッパに、その地域ごとにしか撮れないものというのを撮るチームがそれぞれにいます。
年吉●どれくらいの人数がいたりするものなんですかね? お分かりになる範囲で
熊田●全部で40~50人くらいはいると思います。グローバルで考えると
年吉●なるほど、映像を制作するチームとして、それくらいいるということですね。先ほどの映像についてお伺いできればと思うのですが、もちろんドローンの操作もあると思うんですけど、桜の開花の瞬間を撮らなきゃいけないというのはなかなか大変なことだったと思うんですが、その辺りで苦労された点があれば、教えてください。
熊田●今年は特に桜が読みづらかったです。はじめは気温が低かったということで、だいぶ平年より遅くなるという予報だったんですけど、雨が降って気温が上がって予報より一週間近く開花が早まって…。ロケ場所が弘前城だったんですが、毎年「桜まつり」が開催されています。桜のタイミングが一週間近く早まってしまったんで、「準桜まつり」というものが開催されたくらいみんな開花が読めないという状況でした。
 はじめはかなり大きなクルーでいこうかって話してたんですけども、それだと機材を借りたり、人の手配だったりだんだん読めない不確定要素がどんどん増えてくる。そうした要素を少なくしてったほうが自然を撮るということにはふさわしいと思いまして、最終的には3人というクルーで撮りました。
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▲DJI JAPAN映像チームディレクターの熊田雄俊さん
年吉●小さいチームで柔軟に対応できるということですかね。
熊田●そうですね
年吉●中村さんはいかがでしたか?
中村●そうですね。今言った通りなんですけど、本当に桜の時期が全然読めなくてですね。弘前城が人口密集地域に当たるので、航空法の申請をしなければならないんですけど、10営業日前に出さないといけないという決まりがありますので、それを急いで出して、書類も合わせて作って、それとは別に弘前城自体の許可ももちろん必要になるので、その許可をいただきに弘前に行ってみると、他のテレビ局さんだったり、映像制作屋さんが予約を入れてるんですね、ドローン撮影で。
 なんとか、その合間にねじり込んでいただいて、ホントに一回しか飛ばせなかったんです。朝の5時~7時というたった数時間のワンチャンスで撮りました。そこで、どれだけちゃんと撮れるか…そこが一番厳しかったですね。

ドローンならではの映像と撮影に当たって注意した点

年吉●桜の美しさを撮るのにドローンを使うということで、表現の部分でどう注意されたのか? 先ほどの映画の中にドローンだから撮れたドローンならでは映像があれば、どういう部分だったのか教えてください。
熊田●ドローンを使った空撮が一番得意とするのは地平線が抜けるようなヒキの画というのが、下から上にあがって、下から前に進んでというような動きをつけて、撮れるので、その作品の世界観というのを一発で見せるのには持って来いです。
 なので、今回のような作品で桜を撮る場合というのは抜けを計算して、「この角度でこう撮って、このくらいの速さで撮ったらキレイだよね」というのを考えていました。
中村●私の場合は最初のシーンですかね。堀があって、両サイドが桜という場所をまっすぐ飛ばすんですけど、自分が向いている方向と機体が全く違う状態のまま、まっすぐ飛ばすという。基本的に僕は機体を観てますんで、その時はいかにしてまっすぐ、ゆっくり飛ばすかということと、低い高度ではゆっくり進んだだけでも景色が流れる、高い高度になると、ちょっとスピードを出してあげないと景色が流れてくれないというのを高度ごとにスピードを調整するというのに注力しました。

ドローンパイロットという職業になったきっかけ

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▲DJI JAPANパイロットの中村佳晴さん
年吉●ちょっと話が変わるんですが、ドローンパイロットという仕事の人がいるのもおもしろいなと思うんですが、そもそも中村さんはどういう経緯でドローンパイロットになられたんですか?
中村●僕はですね。4、5年前は普通にスーパーの店員だったんです。八百屋で野菜を売ってました。
年吉●そうなんですか!
中村●僕は実家が静岡県の藤枝市というところなんですけども、その時、浜松にいたんです。東日本大震災がありまして、あの時に、なんとか自分も活動にいきたいと思っていたんですが、静岡県の店舗を束ねる立場だったんで、「おまえ行っちゃダメだよ」って言われまして、全く何もできなかったんです。
 ドローンというかマルチコプターというものの存在は知ってたんで、「これがあれば瓦礫がいっぱいのところでもすぐ人を見つけて、安全に早く、確実に救助支援できるんじゃないかと、こんないいものはないだろう」って思ったんです。そんなこともあって、僕は静岡でドローンを使った空撮の会社を開業したんです。そのうちにDJI JAPANと一緒に仕事をすることになって、専属パイロットが必要だということで今に至るという経緯です。
年吉●すごい! 急にガッと変わった感じですね。パイロットには、ドローンを操作するだけでなくキレイな映像を撮るというもう一つスキルがいると思うんですが、元々映像に対するバックグラウンドがあったわけではないんですね?
中村●はじめた当時はまったくなかったんですけど、趣味がお城巡りで天守閣は立体物、城全体でいうとお堀とかがあって、上空から見てみたいという思いがありました。上から見た目線というかどういう画になるかというのは飛べなかった当時から結構イメージはできていまして、近くにある山とかに登って一生懸命そういう画を望遠レンズで撮ったりしてました。今回の映画で監督をした吉田と一緒にドローンの仕事をはじめまして、吉田は映像一筋だったもので、そこから空からの映像や撮り方というのを学んでいきました。
年吉●城好きというのがきっかけだったんですね。熊田さん自身のバックグラウンドというのは何があったんでしょうか?
熊田●元々私は映像編集を日本とベトナムでやっていました。先ほどの吉田が監督をして、空撮を中村が担当した映像をベトナムで編集して、日本で納品してということをしてまして、その御縁でDJIに入ったという経緯です。
年吉●ドローンという新しいテクノロジーを使いこなして、映像を撮るために必要なものはありますか? あるいは従来の映像表現と共通してもてばいいものがあるんでしょうか? 
熊田●ドローンを使って映像を撮る際に、何がキーポイントになるのか。あまり飛んでるからといって、難しく考えることはなく、自分の手がめちゃめちゃ伸びるようになった、目がどこにでも向けられるようになったみたいな感覚で考えてもらうといいと思います。「こんな所にいけてこんな風な角度で撮れたらいいな」という想像力があれば、そこに連れてってくれます。
年吉●なるほど。想像力ってなかなか難しいですね・・・
 さて、ここでドローンを使った映像がもう一つありまして、それを見ながら、お話伺えたらと思います。

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年吉●(映像を見終わり)これは西表島ですか?
熊田●はい。
年吉●この動画でも二人はディレクターとパイロットとしてやられたと。どれくらいの期間で撮影されたんですか?
中村●そうですね。撮影自体は別件の仕事でやったんですけど、私一人で西表島まで持っていって現地のガイドさんと合流して撮影させてもらったという感じです。
年吉●これはどういう目的で作った映像なんですか?
熊田●これはネスカフェの昨年、原宿のほうでありました楽園の中でコーヒーを楽しむというイベントがあったんですけども、一面の楽園・西表島の音も波の音が聞こえているなかでコーヒーを楽しむというもので、そこで使われた映像でした。4日間くらいあらゆるところを船も森のなかも川も全部とって、そのなかでもドローンでしか撮れないような地上のカメラでは行けないような角度で撮れるという映像を集めてつないでみたものです。
年吉●実はWIREDという雑誌で実際、数年前にドローンを使って、ファッションフォトを撮ったらすごく面白そうという企画がありまして、海沿いで撮ったらキレイだよねということで「海から見た地上のモデルたちの顔なんてなかなか撮れないから面白いな」なんてやっていたら、風がすごい強くてですね、海にボチャっと落ちちゃったことがあったんです。
 それこそDJIさんの製品で、そのまま数万円が帰ってこなかったというのがあったんですけど…いろんな環境があると思うんですよね。それこそ海沿いってすごく風も強かったりもするし、その環境に合わせてどういうドローンを選ぶかというのもあると思うんですが、この動画自体は一台のドローンで撮ってるんですか?
中村●この映像はPhantom 3とInspire 1の2種類の機体で撮影しました。木々が茂って小さな小川が流れている所はPhantom 3を使って、海風が強いところはInspire 1で撮りました。
年吉●ドローンを選ぶポイントは大きさですか?
中村●大きさもそうですが、Inspire 1のほうが風に強いというのもありました。この辺は岩がゴツゴツしていて、Phantom 3のビジョンポジショニングシステムというのが付いていて、地面の模様を光学カメラで分析したり、音波を使って機体の高度を調整するんですけど、それをONにした状態だと岩肌などで機体が上下してしまいキレイに移動撮影ができないので、OFFにして。あとGPSもOFFにしてまっすぐ飛ぶようにこころがけました。
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この時はInspire 1で撮りました。この時も風が5mくらいあったんですけど流されずに撮ることができました。
年吉●どこをどう飛ぶかとかどの速さで飛ぶかで結構表現が変わってくるんだろうなと思うんですが、撮影におけるドローン操作のポイントについて解説お願いします。
熊田●Phantomはコントロールする者が一人で、Inspireは通常は彼がパイロットをして、機体を動かして私がカメラを操縦します。物にもよるんですけど、例えば、何かを中心にとらえて回転しながら撮りたいという時にあまり早いとただ早いだけであまり面白い映像にはならない。だいたい今くらいの距離感でお互いコミュニケーションをとりながら「もう少し早く、角度こんな感じで」とか話しながら進めています。
年吉●もう一本、実は映像があるので、今度は解説も交えながら観ていってみましょう
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熊田●次の作品は愛知の新城で開催されたドリフトのイベントを撮影したものでした。先ほど世界観を伝えるのにドローンは最適だと言いましたが、今回、冒頭のショットにこうした空撮のショットを持ってきて、ちょっとミステリアスな演出をしてます。俯瞰からの空撮映像を入れることによってこれから走るコースへの期待感を表現しています。
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 地上では弊社のRoninで撮ってます。先ほどの作品は全部空撮だったんですけど、通常の映像制作をやられる方は地上の撮影がありつつ、空撮もあるというコンビネーションで使うことが多いと思います。このようにヨリのショットがあったなかでいきなりヒキの空撮ショットを入れることによって映像にメリハリが生まれます。
 また、追い撮りだったり、車を迎え撃つようなショットではスピードというのがキーポイントになってきます。完全に物を追う必要はすべてのショットではありません。迎え撃ちながらそのドローンを追い越すことで車のスピード感を演出することも可能です。

ドローンで今後チャレンジしたいことやドローンの可能性

年吉●ありがとうございます。最後に一言ずつコメントいただきたいのが、お二人が次にチャレンジしたい映像でもいいでしょうし、ドローンというものがどんな可能性を広げるのかということをまず熊田さんから。
熊田●ドラマはもちろんなんですが、先ほどLilicoさんがおっしゃっていたようにコメディだったり、アクションだったり、様々な領域で使うことが可能になってくると思います。
 私は大学の頃から映像制作をやっているんですけど、その頃にはドローンはありませんでした。空撮をやりたい時には本物の大きいヘリコプターが必要でそんなお金はありません。映像制作をやっている方で、スケジュールも予算も有り余ってしょうがないという方はおそらくいないと思います。なので、こういうのが撮りたいというショットが容易に、安価に撮れるようになってきたので、思う存分、やりたいショットを撮っていきたいと思います。
中村●僕はドローンパイロットとしての目線なんですけど、もちろん許可も取って、安全にやっていただいて、そのなかで空からの目線というのはすごい発想力というのが必要になってくるし、このように表現すればすぐに世界観を表すことができる。とてもいいものですので、みなさんにどんどんドローンを飛ばしていただきたいと思います。
 それから、今後たぶん操作の自動化が進んでくると思うんですけど、そうした自動機能を過信せずに基本的に自分の腕をどんどん磨いていただいた上で、機能を使えるということになれば、すごい力を発揮するものになると思うんです。
 例えばGPSの一つにしても当たり前のようにGPSを使うんじゃなくて、普段はGPSを使わないで飛ばした上で、改めてGPSを入れてみると全然違った感触で飛ばせるようなったり、いろんなサポート機能はありますが、そういったものを腕を上げた上で使ってもらえば、今後自動化になっていてもドローンパイロットというのは撲滅されないかなと思っています。

質疑応答

年吉●質疑に関しては、呉さんも参加いただきます。みなさんのなかから質問があれば募りたいんですが、質問ある方、挙手をお願いします。
質問者●大変楽しい映像をありがとうございました。もっともっとドローンが安くなったら、ドローンを一人に一台という時代がくるんでしょうか?
●来ると思います。今、皆様携帯を一人一台持っていると思うんですが、そんなに値段は変わらないですし、もし使い方がもっと増えればホントに一人一台持ってもおかしくないと思います。
年吉●それは具体的に今後こうなるというプランみたいなものはあるんでしょうか? どんどん安くなるというのはなんとなくわかる気がするんですが
●安くなっていくのはキーではないですね。例えば、地震が起きて、家から出られない時にドローンを飛ばして、水を取ってきてくれるとか食料品・救急品などを撮ってきてくれるようになったりすれば、一家に一台常備するような時代が来るかもしれません。
質問者●Inspire 1の現状、パイロットと撮影者2人体制での空撮を行うということだったんですが、今後もそれは変わらないのか、それとも一人で全部やるようになっていくのでしょうか?
中村●二人用というのはこれからも続くと思います。というのは映像の品質を求めていくと一人用のファントムでは限界があるんです。特にカメラをパンする時、一人用では機体ごと旋回させるんですが、それでは風の影響をもろに受けるんですね。ですが、Inspireで機体は同じ方向を向いたままカメラだけをパンさせることによって非常に安定した映像になるというところでも差が出ます。InspireではさらにX5を取り付ければレンズ交換もできますし、DJI FOCUSと組み合わせて機体、カメラ、フォーカシングの三人体制で操作を行うこともあります。映像の品質を求めるのであれば、数人でオペレートすることになります。
質問者●ユーザーからは、レンズをもうちょっといいものを使いたいからREDやBMDのカメラを使いたいという声が多いのでしょうか、それともInspireで充分という声が多いのでしょうか?
熊田●かなり用途によってくると思います。やはりREDやBMDを使いたいという方もいます。今、会場の外に展示しているM600という機体だったり、S1000という機体を使って自分が使いたいカメラやレンズを使うというパターン、ただそれだと機体のサイズも大きくなりますし、重くなって、管理が難しい。容易に飛ばすとなるとInspire。だいたい70cm四方でバッテリーを入れても重さも3~5kgなので、どれくらいのモビリティを持ちたいかによって、選択していくという形になると思います。
質問者●私は今高校生なんですけど、未来のドローンパイロットを育てるプロジェクトなどはありますか?
●ぜひ女性パイロットを育てて行きたいと思いますので、ドローンの使いみちは色々ありますが、まずは安全につかう、そしてドローン自体を理解するためのDJI CAMPというプロジェクトを進めていまして、インストラクターは無償で受講できますので、ぜひ参加してみてください。今はあきる野市で実施していますが、あきる野市は人口密集地ではないので、誰でも航空法申請不要で参加することができます。
質問者●今横浜の金沢区に練習場があると思うんですけど、今後そういう飛行場を全国に展開していく予定はあるのでしょうか? 私は、特にFPVに特に興味があるので、実際に森のなかに飛び回るようなレースみたいなものができる環境が増えていくとうれしいなと思うんですけど・・・。そのあたりプランがあるんでしょうか?
●まずは普通の練習場。これは仙台市などドローン特区が増えてきましたので、まずはドローン特区と協力して、どんどん増やしていかなればと思っております。 FPVになると、特殊な電波を使うことになりますので、ドローンレース協会と協力して、プロジェクトを進めております。近々報道されるんじゃないかなと思います。
質問者●パイロットの方にお聞きしたいんですが、僕は今Inspire1を持っているんですが、どういうふうに練習したら上達しますか? 前から後ろだったり、手前に寄ってきたり、横に飛ばしてみたり、8の字だったりという練習方法はあると思うんですが、それ以外にどんな練習方法があるのでしょうか?
中村●僕はですね、Inspire 1ではいかにして極限までゆっくり飛ばせるかという練習をしています。まっすぐもそうですし、機体の向きも変えたりしつつ、いかにしてゆっくり飛ばすか、ピクピクさせないようにきれいに、滑らかにゆっくり飛ばす。自分でも苛々するくらいに、それに堪えられるように飛ばす…そういう練習ですね。あとは、対象物を自分で考えて、それに対してどういう目線で撮影できるかといういろいろなイメージ作りとカメラワークというのを考えながらやってます。
 僕の場合、ただGPS入れて飛ばすのは遊んでるだけになってしまうので、この場所ではGPSを使ったほうがいいのか、この場所ではATTI(GPSオフ)のほうがいいのか場所や撮るものによって機能を使い分ける練習とかもしております。
年吉●中村さん、ひょっとして撮影に行かない時はずっとドローンを飛ばしてるんですか?
中村●今、東京に住んでいてなかなか飛ばせません。オフィス内で飛ばすと「電話してるから飛ばしちゃだめ」とか怒られてしまうので、地方に行った時に練習するとか、あとは自宅に帰った時に小さい機体で練習しています。みんな、小さいマルチコプター型のドローンで練習してるんですけど、僕はシングルローターの小さいラジコンヘリで練習してます。そっちのほうが操作が難しくて、舵も繊細な操作が求められるので練習になるんです。日々地道に鍛錬ですね。
年吉●では、そろそろお時間になりますので、第二部のセッションはここで終了させていただきます。ありがとうございました。

●イベントについて
http://shortshorts.org/2016/program/ドローンクリエイティブセミナー/

vsw