◉Report:栁下隆之

 

以前、本誌でもバリアブルNDについて書かせて頂いたが、ようやく大本命が発売となった。従来品との違いを中心に新発売のケンコー・トキナーの Variable NDX Ⅱを見ていこう。

おさらい:バリアブルNDとは、2枚の偏向幕を利用して、無段階で濃度が変えられるNDフィルターです。

 

パッケージデザインが一新され、着脱式のノブが付属する様になった。価格も従来品に比べて入手しやすくなった。

Variable NDX Ⅱの商品情報はこちら

価格は77mmが4万円、82mmが4.4万円(税別)

ちなみにVariable NDX はそれぞれ5.5万円、6.5万円だった。

 

2枚のガラスの回転は最小と最大位置で回転止めがあり、回し過ぎてしまうことがなくなった。これならファインダーに集中したまま、指先の感覚だけで素早く露出を決められる。

 

フードの共着はできないが、付属のノブを取り付ければ回転しやすくなる上に、フィルター面に誤って指が触れてしまうことも防げる。

 

この色の違いを見れ一目瞭然で、色転びを押さえたシネマ用フィルターとNDXⅡは同じ傾向の色味だが従来品はアンバー系に寄っていることが分かる。

本誌でのテストでは他メーカーも従来品と同じ傾向で装着後にホワイトバランスを取り直す必要性を感じた。改良品のNDXⅡでは色転びを抑えて、着脱時のホワイトバランスの調整の煩わしさがなくなった。

 

 

バイアブルNDX(左)、バリアブルNDXⅡ(右)

NDフィルター無し

ND2.5 (濃度最小)従来品(左)はアンバーに色転びしている

ND4

ND8

ND16

ND32

ND64

ND128

ND256

使用推奨濃度はND400まで

ND512

撮影はNikon Z 6、ISOオート、WBプリセット。ISOオートでの撮影のため、露出のバラツキはご容赦ください。

従来品よりも販売価格が下がり、導入しやすくなったことも、ユーザーにはメリットがある。より良い画質を求めれば、フィルターはレンズの一部と考えて(実際その通りなのだが)拘りをもって選びたい。筆者は以前からKenko Variable NDX一択だったが、この改良で益々手放せない存在になると感じた。

値が張るのは確かだが、現状のNDフィルターの性能に満足できないユーザーは是非この製品を手にとっていただきたい。内面反射や透過率などの面でも、十分に満足できるだろう。